2012年5月号「コレステロール」

2012年05月24日

質問;テレビでは「コレステロールは下げないと危険だ」と宣伝されていますが本当ですか?

答え;本当ではありません。コレステロールは脂質の一種で以下に示す例のように体にとって大切なものです。

1;皮膚などの元になっている細胞膜の原料

2;外敵から身を守るホルモンの原料

3;骨を作るビタミンDの原料

 

質問;体のコレステロールが少なくなるとどうなりますか?

答え;細胞膜が弱くなるので癌になりやすくなります。また体の抵抗力なくなるので風邪などにかかりやすくなります。

 

質問;多いとどうなりますか?

答え;コレステロール値が高いうえに、血圧が高い糖尿病がある、喫煙をする、身内に心臓病の人がいる、などの要素が加わると動脈硬化がすすみ易くなり、狭心症、心筋梗塞、場合によっては脳梗塞などになる可能性が少し高まります。コレステロール値だけが高い人はあまり心配しなくてもよさそうです。少し高いコレステロール値の人の方が長生きするというデータもあります。

 

質問; 総コレステロールが240以上での心筋梗塞の発症率は?

答え;男性で1.98~2.80人/1000人/年(発症率0.198%)

女性で0.34~0.45人/1000人/年(発症率0.034%)

(TIP1999vol14 No6より)

 

院長のひとり言

コレステロールが高くて薬を飲んでいる患者さんに心筋梗塞の死亡率はどのくらいと思うかと聞くことがあります。だいたい実際の値の100倍以上大きい答えが返ってきます。心筋梗塞の死亡率は交通事故の死亡率よりも低いのです。薬を飲むより道を歩かない方がいいかもしれません(笑)。われわれは病気になる心配をしすぎているのではないですか?もっと自分の体に自信を取り戻したいな、マスコミの宣伝に負けずに。