2012年7月号「認知症」

2012年07月24日

その1;こだわりが消える

その心は; 私は絶対に呆けたくない、寝たきりになりたくない、などのこだわりから解放され、「老い」を心配しなくなります。

 

その2一人でいても飽きない

その心は; 周囲に無関心になるので、自分の世界に入っていることが多くなります。一人で1日中忙しく誰かと会話したり、仕事したり、しかし逆に関心を引きたくていろんなことをしでかすことはあります。

その3苦痛が軽減される

その心は;認知症になると、体に対しての関心も薄くなり、痛み、不安などが軽減される傾向があります。そのことから通院しなくなり、薬も減るようになります。

 

その4笑顔が素敵になる

その心は;一昔前は「恍惚の人」などと言われたように、なにか憑き物が晴れたような、わだかまりが消えたような、現世の苦しみから解き放たれたような、そんな感じを受けたものです。たまにのぞかせる満点の笑顔に遭遇することでしょう。

 

認知症になると、なにもかもおしましだという風潮がありますが、見方をかえれば、老いの一部として受け入れ、上手に付き合っていけると思います。

 

院長のひとり言

自分の親、じいちゃん、ばあちゃんが辻褄の合わないことを言い出したら、誰もいないのにぶつぶつ言い出したら、「違うでしょ、こうでしょ」とか「誰もいないじゃないか」とかついつい説教しがちです。しかしその説教はむなしいかな、彼らには届きません。逆に叱られたという負の感情のみが残ります。「うん、そうだね」と静かに寄り添って、その場がなごむ雰囲気を作りたいものです。