終末期の過ごし方

2017年07月07日

質問;まだ諦めたくないので緩和ケアは早いと思います。

答え;緩和ケアとは「痛みなどを緩和する(やわらげる)等、日常生活を快適に過ごすための治療」を言います。しかし治療の見込みのない人が受ける医療ではなくまさに治療中からも必要な医療です。

 

質問;食事量が減ったので心配です。なんとか食べさせる方法は?

答え;体が終末期に入ると「食べない」のは「食べたくても食べることが出来ない」のではなく「体が少ない食事量しか欲しない、または食べる事を欲しない体になった」と理解すべきです。そして自分の体の肉を消費していきます(異化作用)。ご家族的には食べてほしいと願う気持ちは理解できます。しかし「食え、食え」の声掛けは本人を苦しめます。

 

質問;点滴していただけますか?脱水になるのでは?

答え;この時期の点滴には罪の方が大きいです。点滴の栄養は身体が受け付けないばかりか癌に取られます。水分は浮腫みとなって身体全身にたまっていき、体を苦しめます。

質問;痩せていくのが見ていて辛いです。

答え;世間的には負のイメージですが、人間は自然な状態で過ごせば最後は必ず脱水(枯れていく)になります。脱水になると眠くなり、苦痛も軽減させます。より自然に逝くことができます。

 

ほぼ毎日と言っていいほどに新聞の広告欄には「○○で癌は治る・・・」という本が載っています。なんとかして治りたい、治したい、いろんな事を試すのはいいと思います。ただ余りにもいろんな事にしがみつくと大切な事を見失う気がします。「大切な事?」って意外と平凡な日常生活であったり身近な人や物とのふれあいだったりするのです。