医師の発言から読み解く本音

2018年12月03日

発言;とりあえずこの薬をだしておきますから・・飲んでみたら。

答え;現時点でどうしても必要とは思われないが、患者さんが薬を望んでいることが多いので、とりあえず 出しときますか・・・・・・という意味。必要は必ずしもないと思っている。

 

発言;なんでこんなになるまでほっておいた・・・

答え;もし前に診てもらっていた医師がいる場合には単なる「あてつけ」。いない場合には、あまりに症状がひどいので「手に負えない」と思っている、何しろ治せないかもしれないので誰かのせいにしたいと思っているときの発言。

 

発言とりあえず検査をしましょう。

答え;この時期で診断がついていないので、何か検査で引っかかったらよいなと思っている。

発言;弱い薬(抗がん剤、抗生物質)を出しておきましょう。

答え;弱い薬には効果がありません。抗がん剤や抗生物質はしっかり使って初めて効果が認められます。飲んでいれば少しは効くかもしれないという医師患者両者の儚い願望かもしれません。

発言:あと3年もてば(寿命は?と聞かれたとき)

答え:特に根拠はない。1、2年だと短いし4年だと縁起が悪いし5年だと長い気がする。3という数字が心地よい・・その程度の根拠

ある患者さんの発言、「○○先生(私ではない)は、俺の欲しい薬を出してくれて、俺のしてほしい検査をしてくれて、だからあの先生が好きなんだよ・・。」患者さんがお客さんになり、お客さんは神様だし、言う事聞かないと逃げられるし、大変な時代となりました。威張ろうとは思いませんが医療理念はしっかりもって仕事をしたいものです。ちなみにその患者さんから私は嫌われていました。

 

 

インフル恐怖症との戦い

2018年11月03日

質問;テレビをつけると「インフルエンザ」は怖いと言ってますが?

答え;???「インフルエンザ」の日本語名は「感冒」です。もっと言うなら流行性感冒です。つまり 風邪 なのです。

 

質問;マスク、うがい、手洗い、ワクチンが予防になりますか?

答え;毎年、もう何年も同じ話が繰り返されますが・・・毎年 流行っていますね・・。ということは全体で判断すれば無効だということですよね。

 

質問;また新しい薬が出来ましたが?

答え;薬を使うと、一日発熱期間が短くなるそうです。問題は、免疫がつかない可能性が高いので何回も罹る可能性が高まります。

 

質問;どういうことですか?

答え;自然に感染すれば免疫ができて、その結果強くなって、次のインフルエンザに罹り難くなるという事です。年齢を重ねただけ風邪に罹りにくくなるという事です。薬で抑えると、免疫ができないので、またかかりやすくなるという事です。年齢と共に風邪に罹りにくくなるまるのが自然ですが、薬を使うと、毎年風邪に罹りやすくなります・・・。あしからず。

インフルエンザに罹ったことがない、罹らなかった、と思っていても自然に感染し症状もほとんど出ないことがあるのです。これを不顕性感染と言います。だから年を重ねると強くなるのです。

またこの季節が来ました。インフルエンザが何処何処で流行っていると。毎年言われなくても流行るのです。実は明らかに罹った人も罹らなかった人も何らかの免疫を毎年獲得します。そして風邪に罹り難くなるのです。薬を使うとこれを阻害する可能性が指摘されています。風邪から、ウイルス感染から逃れようともがくのは大変です、というか無理です。罹りにくくなる体づくりが大切です。つまり罹って免疫をもらって罹りにくくなる体を作る方が簡単ですよ。

 

 

医原病とはなにか

2018年10月17日

質問;そもそも「医原病」とはなんですか?

答え;医療そのものが健康を害する、特に専門家が医療をコントロールすることによって増悪する病を言います。1970年代に  イヴァン・イリッチという哲学者により提唱されました。

 

質問;具体的にはどういうことですか?

答え;一番わかりやすいのは薬の副作用です。良かれと思って出された薬の害です。抗生物質の出し過ぎによる害、抗がん剤による副作用死、予防接種の副作用による害・・・などなど。臨床的医原病といいます。

 

質問;まだあるのですか?

答え;はい。社会的医原病と言われるものです。例えば医療費を掛ければ寿命が延びる?のではなく、医療費が安い県の寿命が一番長いというデータから言えますね。皮肉なことに医者にかからない方が長生きするということです。健康に関するサービスがもたらす害も指摘しています。

 

質問;ほかには?

答え;はい。文化的医原病と言います。簡単に言うと「死生観」の変化。15、6世紀の西洋では「死」は自然現象であり、長生きは美徳ではなかったようです。モンテーニュは「極端な老いのもたらす死・・を期待することは無駄な思い上がり。」長生きしようとする人を思い上がりの激しい人と嘲ったそうです。今、長生きは美徳??ですよね。

 

自分が出した薬で病気が治ったのか、たまたま治りかけに薬をだしたからそう見えたのか、いつも考えています。医療が骨壺商法(不健康だと脅して壺を買わせる)にならないようにいつも気を使っています。今、世間を見渡すと骨壺療法だらけだと思ってしまうのは私だけですか?自分に嘘をつかずに行こうかと思います。せめて害にならない医療を届けます。

 

 

人間はウイルスの前では無力である

2018年09月13日

質問;そもそも「ウイルス」とはなんですか?

答え;非常に小さい病原体で、人間の体に入って増殖します。体の中でしか増える事はできません。

 

質問;体の中で増えるとどうなりますか?

答え;増殖したウイルスを排除しようと体の中の免疫物質が増えます。その結果として、だるさ、熱、などが出ます。そして大体は人間が勝つのでウイスルは死滅します。この治ろうとする反応が鼻水、咳、嘔吐、下痢、発疹、だるさ、熱となって現れます。

 

質問;予防や薬はありますか?

答え;ウイルスによっては予防接種が有効(効果は非常に限定的)なものもあります。しかし大多数のウイルスに対してはありません。あるウイスルに関しての薬はありますが、その効果は極めて限定的です。無効だとする意見もあります。基本的には人間の治る力がないと治りません。

 

ウイルス(風邪など)の症状は辛いですが、これは人間の治ろうとするために起こる反応です。辛いけれど治るまで安静に時が過ぎるのを待つしかありません。

 

医学が進歩したと威張っても、麻疹、風疹など予防接種をしたところで毎年流行が散発する羽目となり町の大ニュースになった。インフルエンザにしてもいくら予防接種しても、薬のんでも流行は防げない。今年の夏はRSウイルスに翻弄された。しかし辛い症状があっても大多数の人は自然に治癒する。流れに任せ、治った時に健康の有難みを知る。ウイルスは人間の傲慢さに冷や水を浴びせる存在だ。

 

 

熱中症について、

2018年08月13日

質問;そもそも「熱中症」とは

答え;厚生労働省のホームページから

高温多湿な環境に長くいることで、徐々に体内の水分や塩分 のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します・・・場合によっては死亡することもあります。

熱中症の症状  ○めまい、立ちくらみ、手足のしびれ、筋肉のこむら返り、気分が悪い   ○頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感、いつもと様子が違う  重症になると、  ○返事がおかしい、意識消失、けいれん、からだが熱い

 

質問;私(院長)毎日車に乗ると車内が暑くて頭がボーとしますがこれは熱中症ですか?

答え;上の定義からは熱中症の疑いという事になりますかね・(笑)。

 

質問;昔は日射病と熱射病に別れていましたよね?

答え;その通り。以前は上記のほとんどが日射病と言われ頭から水をかぶって扇風機にあたっていればよかった時代でした。高熱になり、意識が無くなって初めて熱射病疑いで救急適応となりました。

重病になる前に早期に発見し死亡を未然に防ごうという試みかと考えられます。しかし毎日の報道に少しウンザリしませんか?

恐怖で煽られすぎていませんか?

 

猛暑のおかげで毎日「熱中症」フィーバーが続いています。テレビ、ラジオ、巷の井戸端会議でも「水飲め」「気を付けろ」の大合唱です。我々はいつから「本能」を忘れてしまったのか?と思うくらいの節介ぶりです。暑くて無理すると頭ぐらい痛くなった経験ありますよね?熱中症だ、即、死んじゃう、と頭を熱くしないで、縁側に腰かけ団扇や扇風機で頭冷やして、麦茶のんで、風鈴の音色聞いていれば自然と良くなっていきますよ。それとも病院で診断しないと解らなくなってしまった?

 

 

在宅医療について

2018年07月13日

質問;病院の医慮の方向性とは何ですか?

答え;病院医療の方向性は 救命、延命、病気の治癒を目指す医療です。限りなく「長い生命の維持を追求」します。例えば癌が見つかったら、癌と闘い治すことを目標にさまざまな治療をします。検査、入院、手術など苦痛を強いて生活の質を落としても生命予後の延長を目指します。皆さまが一般的に思っている医療とはこのことです。しかし「生活の質」は犠牲になります。

 

質問;では在宅医療の方向性とはなんですか??

答え;あくまで「生活の質」を保つことを前提に置き、医療はこの「生活の質」を落とさずに関与することを目標にします。特に高齢者や癌の末期の方などには有効な考え方です。

 

質問;具体的にはどういう事ですか?

答え;高齢者や癌の治療中の方などは、生活のすべてを犠牲にして闘病に費やしている傾向があります。(通院、検査、治療、入院など)病気を克服し日常生活が元通りになることを夢見て。しかし、かなりの割合で闘病のはてに最期を迎えることになります。であるなら、ある程度病気を受け入れながら生活していくことを目指しませんかという考え方です。癌においても。治癒を目指さず生活に支障がなければ共存していく考え方です。

 

質問;今、どちらか決めなければいけないのですか?

答え;いや、常に両方の考え方を念頭に置き、時が来たら、「えいやっ」と、どちらかに決めてください・・・。

 

癌の末期と言われ有効な治療もないと宣告された方が、治験(保険では認められていないが有効性が期待され、これから人間に実際に使用して有効性を確認する試験)に参加するケースがあります。患者さんはあくまで治癒を期待していますが、医療者側は生命の若干の延長を期待しているだけです。その若干の延長された生命の時間がどのような時間なのかが私の心配事です。

 

自然な最期を阻むもの

2018年06月13日

家族の要望;99歳の母です。延命は望みません。自宅でできれば自然な形で最期を迎えさせたいです。

医師;大丈夫ですよ。自宅でお母さんになにか変化があれば連絡をください。

 

質問;デイサービスやデイケアなどの介護施設のサービス中に何か急に体調の変化か起きた場合はどうですか?

医師;変化があればすぐにこちらに連絡をください。救命処置なども含めて必要性はこちらで判断します。

 

介護施設の答え;とんでもない。介護支援事業者として救命を行う必要がある事から、主治医の指示であっても従う事は難しく、(主治医ではなく介護施設のヘルパーなどの判断で)救急搬送を(強制的に)行います。

 

その後;デイサービスやデイケア中になにか異変がおこると救急搬送される場合が多く、超高齢者の場合にはそのまま入院して死亡してしまう事が多い、また搬送中に死亡してしまうと事件となり検死に回され調書を取られるなど、穏やかな最期とはかけはなれてしまします。

 

結論;自然な形で最期を迎えたい方たちへ。介護施設と何かあった時の事をよく話し合うことが大切です。当介護施設では責任もって最期まで診ていくことが出来ます。

 

介護施設は人が元気な時しか預かってもらえない所が多い。何かあったら追い出す(家または救急車)。調子が悪いと来るのを拒否、ではあまりに都合がよく無責任だと思います。調子の悪いその時こそが重要で信頼できる対応をしてくれるのか?というのが施設選びには重要だと考えます。調子が悪くなったら「看られません」と目をつむり、息が止まっていたら「救急車・・」と絶叫して逃げ出す現実の介護事業所。調子が悪い時、最期の時のお世話こそに頼れる施設が良い施設だと思いますがいかが。

 

 

医療の方向性について

2018年05月13日

質問;医慮の方向性とは何ですか???

答え;一つの方向性は 救命、延命を目指す医療です。限りなく「生を追求」します。癌が見つかったら、癌と闘い勝つことを目標にさまざまな治療をします。検査、入院、手術など苦痛を伴う治療も含めて積極的に病気と闘います。いわゆる闘病生活が始まります。皆さまが一般的に思っている医療とはこのことです。医療中心の生活となるので「生活の質」は落ちます。死は敗北となります。

 

質問;ではもう一方の医療の方向性とはなんですか??

答え「生活の質」を重点に置く視点です。日常生活に支障がなければ医療的な介入は最小限にとどめます。病とは闘うことをせず、上手に共存することにしようと考えることになります。残っている時間(最期の時間)は自分のやりたいことに使い過ごしていただきます。結果、死を到達点と受け止めることになります。

 

質問;健康で長生きしたいのですが?

答え;延命を追求しすぎて医療的な介入を過度にしすぎると返って健康で長生きできなくなることが心配なのです。

質問;今、どちらか決めなければいけないのですか?

答え;いや、常に両方の考え方を念頭に置き、時が来たら、「えいやっ」と、どちらかに決めてください・・・。

 

病気や健康を気にし過ぎるあまりかえって健康を損なうことが多いと感じています。健康番組やサプリメントの宣伝は皆さまの病気への不安感を煽ります。100年長寿称賛はそれより短命な方たちへ屈辱感を味あわせます。健康診断は現在の健康の確認にこそなれ将来の健康の保証はしてくれません。「気にしない」ことって案外大切なことだと思います。

 

 

点滴の利点、欠点

2018年04月13日

質問;救急車で運ばれるとすぐに点滴をするのはなぜですか?

答え;生命維持に直結する循環動態(血管を流れる血液量やその流れる力を調節する)を安定、維持させるためです。また薬剤などをすぐに身体に入れるための場所を確保する意味もあります。

例えば出血多量で運ばれたとき、すぐには輸血ができないので輸血までの時間に塩水が主の点滴をして血圧などを維持させる、等々。

 

質問;食べられなくなると点滴をするのはなぜですか?

答え;食べられないと脱水状態になるので脱水を改善させるために点滴をします。栄養を本格的に点滴で補う場合には太い血管から特別な点滴が必要です。(中心静脈栄養と言う)

 

質問;点滴の欠点はなんですか?

答え;浮腫みや痰の量が増える事です。栄養状態が低下している時、特に老人や癌の終末期においては、身体に水分を回す力が極端に低下するので過度に点滴をすると、肺やお腹、皮膚などに水分が溜まり、また余計な水分が痰としてあがってくるので身体を余計に痛め苦しめます。痰の吸引は辛いです。

 

質問;終末期においても病院では必ずしますよね?

答え;生命維持、延命のためには必要との考えからです。しかし負担のことを考えると終末期にはしない方が良いと思います。私はその立場です。浮腫みの辛さは皆さまの想像よりはるかに辛いです。

 

衰弱がすすんだ方に「点滴をしない」と言うと「なんにもしてくれないのか」との批判を受ける事があります。点滴の利点、欠点を考えると終末期に点滴をする欠点の方が大きいのは明らかです。眠い時に針を刺され、管のことを常に意識するストレス、浮腫みや痰の多さに辛さが倍増します。辛くて苦しいけれど点滴をして延命するか、点滴をせずに穏やかに過ごすか、答えは明らかかな、と思います。

 

 

いわゆる老人ホームというところは

2018年03月19日

入居者質問;食事は普段朝夕の2食なのですが、いいですか?

答え;駄目です。健康管理のもと3食を時間通りに食べないといけません。朝寝坊すると朝食が食べられないので起こしに行きますよ。⇒ 無理に食べると誤嚥性肺炎の原因になります

 

入居者質問;歩きたいときに歩きたいのですが。

答え;あなたが「正常」と判定されていれば大丈夫です。しかし「認知症」とか「歩行が弱い」と判定された場合には、床にセンサーマットを挽き、不用意に歩くと職員を飛んで行かせて「駄目です」と言い、ベッドか椅子かに連れ戻します。外出も職員の同行でお願いします。入浴は強制です。汚いので。

⇒ほぼ監禁状態になります。認知症の人にとってはつらいです。いやいや脱がされてお湯をかけられます。怒るでしょ。

 

入居者質問;夜中に突然人に入ってこられると怖いのですが・・。

答え;安全管理のために夜中に部屋を開けさせてもらいます。そして万が一おもらしなどしていたら強制的に取り換えさせていただきます。⇒ 普段以上に不穏状態になります。拒否反応が増します。

 

入居者質問;わたし寝言が多いのですが。白昼夢も見るのです。夢見ながら歩いてしまう癖があるのですが。

答え;大声であると判定された場合や、間違って他人の部屋に入ってしまうことが見受けられた場合には他者に迷惑ですので精神安定剤の服用をしていただきます。⇒薬によって廃人になります。

 

老人ホームを見ていて感じることがあります。入居者が施設の規律を乱すと「嫌な入居者」というハンコが押されます。大声だしたり徘徊したりすると精神安定剤を出されます。自分の時間で動くのではなく、職員の時間に合わせられます。車いすに乗っているとそれこそ超特急で移動させられます。自分が望んでいなくても家族や職員が「心配だから病院へ」と言われれば連れていかれます。せめて自分のホームである「我が家中国分」ではそういうホームにしたくないですね。