在宅医療について

2018年07月13日

質問;病院の医慮の方向性とは何ですか?

答え;病院医療の方向性は 救命、延命、病気の治癒を目指す医療です。限りなく「長い生命の維持を追求」します。例えば癌が見つかったら、癌と闘い治すことを目標にさまざまな治療をします。検査、入院、手術など苦痛を強いて生活の質を落としても生命予後の延長を目指します。皆さまが一般的に思っている医療とはこのことです。しかし「生活の質」は犠牲になります。

 

質問;では在宅医療の方向性とはなんですか??

答え;あくまで「生活の質」を保つことを前提に置き、医療はこの「生活の質」を落とさずに関与することを目標にします。特に高齢者や癌の末期の方などには有効な考え方です。

 

質問;具体的にはどういう事ですか?

答え;高齢者や癌の治療中の方などは、生活のすべてを犠牲にして闘病に費やしている傾向があります。(通院、検査、治療、入院など)病気を克服し日常生活が元通りになることを夢見て。しかし、かなりの割合で闘病のはてに最期を迎えることになります。であるなら、ある程度病気を受け入れながら生活していくことを目指しませんかという考え方です。癌においても。治癒を目指さず生活に支障がなければ共存していく考え方です。

 

質問;今、どちらか決めなければいけないのですか?

答え;いや、常に両方の考え方を念頭に置き、時が来たら、「えいやっ」と、どちらかに決めてください・・・。

 

癌の末期と言われ有効な治療もないと宣告された方が、治験(保険では認められていないが有効性が期待され、これから人間に実際に使用して有効性を確認する試験)に参加するケースがあります。患者さんはあくまで治癒を期待していますが、医療者側は生命の若干の延長を期待しているだけです。その若干の延長された生命の時間がどのような時間なのかが私の心配事です。