虐待っていうけれど

2021年12月04日

質問;介護業界でよく耳にする虐待について、具体的にはどういうことですか?

答え;家族などの介護者や、介護職員などが、被介護者に対して、手を上げたり、相手を傷つけるような言葉を浴びせたりすることです。

 

質問;予防策を教えてください。

答え;ますは「本当の虐待」と「やむにやまれぬ行為」とを見分ける力が我々には求められます。やむにやまれず・・たたいてしまった・・つい大声をだしてしまった・・などについては大目にみる余裕が欲しいところです。

質問;虐待が起こる素地についてなにかありますか?

答え;家族に関しては「世間体」つまり介護とはこうしなければならないという無言の圧力(ちっともさぼることが許されない)が、スタッフに関しては過剰なノルマをこなさなければならない状況において、人間である利用者による人間的な拒否などに対応するとノルマを果たせないというジレンマが根本にあると思います。高齢者の時間の流れと、スタッフの時間感覚のズレなども大きな影響を及ぼします。機械的にこなさないとノルマは果たせない。しかし扱うのは生身の人間であるという現実。ベルトコンベアに乗っている部品が急にそっぽを向いたり、部品の装着を拒否したりしたら・・思わず投げつけたくなりませんか?忙しい時に。

 

院長のひとり言

思うように事が行かなくて地団太を踏む行為、川に向かって「バカヤロー」って大声で叫んで石を投げる行為、これは地球に対して虐待行為をしている・・なんて馬鹿げた話はありませんが、人間が人間に対してやむにやまれず行われるいわゆる虐待的(人間的)な行為と、虐待の違い・・これを誰が判定するのか?人生に対する深い洞察がない人間が判定したら地団太踏んだだけで施設送りの刑に処さられます。僕は嫌だから見極める力を養います

 

 

脱「管理」を考える。自然への憧れ

2021年11月04日

質問;私たちは自由社会に生きていると思うのですが・・・。

答え;自由とは名ばかりの完璧管理社会です。

質問;具体的にはどういうことですか?

答え;健康診断が良い例です。血圧が130を超えると×。コレステロール値が高いと×。医療機関の受診を促され、管理されます。タクシー運転手、工事現場などでは血圧が高いと仕事ができないと嘆き節が聞こえてきます。最近は体温まで測られますね。

 

質問;一見よさそうに見えますが?

答え;そこに危うさを感じませんか?自分は健康だと思っているのに他人から数値で縛られる。そのうち認知症指数ができて、自覚がないのに「あなたは認知症指数が高いので社会では通用しません。したがって施設送りです」って言われる世界が容易に想像できます。一度入ったら二度と出られませんよ。そんなの嫌でしょ? 荒唐無稽に感じられる方もいるでしょうが・・もう間近です。

質問;どうすればよいのですか?

答え;まずは、数値に縛られない、というところから始めたいですね。

自分が感じた体調が自分の体調、飯が旨くて、出るものが出ていれば健康、数値から逃れられればよく眠れるはず、会社のノルマは数値だから難しいけれど、せめて体の数値とは、おさらばしたいところです

 

院長のひとり言

AIに管理される世界、つまり数値で管理される世界、もう間近です。自分ではない他者(コンピュータ)に監視、管理される世界、コロナ騒動で一層加速しましたね。これを感じられない方

はご愁傷様です。僕は嫌ですので、なんとか少なくとも自由でありたい部分は残していきたいなと思っています。そのためにやること、自分の本能、直観を信じること、数値にとらわれない覚悟、まずはそこからかと思いますがいかが。

 

 

今もう一度「健康」を考える

2021年10月04日

質問;ためして○○、○○の健康、たけしの○○ などの健康番組を見た後、「自分の症状は●●病かもしれない」「もし○○病になったら大変だ」と不安になります

答え;365日毎日見たら365個の不安が発生し気が狂いそうになりますね。病気の事を知れば知るほど不安が募るという皮肉な状態になりますね。

質問;健康診断を毎年受けても不安です。半年に一度と増やしたほうが良いでしょうか?

答え;検診の回数を増やせば寿命が延びるというデータは残念ながらありません。健康診断は未来の予測にはならないです。今現時点が大丈夫という確認に過ぎないのです。

 

質問;健康食品やサプリは何を飲めば良いでしょうか?

答え;健康食品やサプリは医薬品としては「認められない効果の少ないまたは効果の不確かなもの」という定義です。宣伝文句を鵜呑みにしてそれさえ飲めば大丈夫というものは残念ながらないと思います。

質問;私の身体は健康(大丈夫)でしょうか?

答え;小鳥のさえずりを聴きながらの気持ち良い朝の目覚め、食事が美味しい、笑顔がある日常生活があれば健康です。些細なデータ異常や、病気におびえ、精神的にストレスを感じると逆効果です。自分の体調について考えていない時の方がかえって健康な時ではないかと思います

 

院長のひとり言

情報化社会とは情報をいかに多く獲得しそこからよりよい選択をして有利な生活を送る、それが良いこととされています。が、知るということは残酷な面もあります。特に自分の病気の詳細を知ってしまった場合、その末路も見えてしまう。知ったうえでなおかつ自分の病気と、残っている健康な自分をみつめながら健やかに生活することができるのか、みなさまの心がけ次第です。

 

 

「死」の恐怖を目の前にして

2021年09月04日

現象1:今までのテレビ、雑誌 等で語られてきた世界、それは人生100年時代の到来・・・つまりほとんどの人からは 「死」 は遠い世界にあった。

 

現象2;ところが2020年初頭、世界は一変した。あんな元気だった  志村けんさん などが「死」んでしまう疫病・。今まで元気だった人が突然「死」んでしまう世界? いままで考えもしなかった「死」の恐怖が国民のすべてに重くのしかかった。

現象3;「死」の恐怖から「不要不急」は自粛しようよってなった・・・スポーツ、楽しい外食、コンサート、など、人との接触はすべて「危ない」こととして「避けるべき」ことにされた。人生の楽しみは消失した。命が大切であるとの理由から。教育さえ放棄する有様となった。

現象4;結果。人間は「死」の恐怖から逃れるために「人」とのふれあいを拒絶した。ソーシャルディスタンス・・マスク・・密を避ける・・ことは「人」を拒絶することです。

家族関係でさえその対象となった。

あなたは この結果訪れる 孤独 に 耐えられますか?    2020年9月号の再掲載+追記


院長のひとり言

次男が幼少時に手足口病(ウイルス感染症)になり高熱を出して夜中うなされていた時、迷わず 添い寝した。結果見事に感染し、その後次男はケロリと治ったが、父はその後高熱、後遺症と散々な目にあった。しかし添い寝をしなければよかったという気持ちには全くならなかった。そして今度また同じような状況になっても添い寝するだろうなと想像している。

 

長生きを目指すと、どうなる?

2021年08月04日

現象1;直近の1年間、高齢者に長生きしてもらうために、すべての行事を中止した。若者のスポーツ大会、盆踊り、花火大会、その他 季節の年中行事、公民館での趣味の会・・・

結果;令和2年度の高齢者は例年より長生きした。国民の自粛の結果なのか、それともコロナが蔓延したおかげなのか、科学的には後者の説が有力だが、皆さんは前者の方を信じる結果となった。長生きのためには「何もしない」ことが一番だ?と

 

現象2;高齢者が多く集まる施設では、人と人の間にビニールシートが掛けられている。職員も全員マスクで顔の半分を覆っている。長生きのためにです。

結果;ビニールシート越しでテレビを見るとどうなる?目がちかちかしてとても見られる状態ではない、会話も弾まない、黙って、何もせず、ひたすら時間が過ぎていくだけの日々となった。

 

現象3;約1年、なにもさせてもらえなかった若者が街に繰り出すようになった。「こういう若者がいるから感染が収まらないのだ」と人生の先輩方がぼやいている。

疑問;若者が屋外で活動を開始するとことが悪いことなのか?若者に自粛を求める高齢の方は、大切な若者の人生をいかに考えているのか?引きこもり人間がトレンドになるのか?

 

院長のひとり言

「時間」というものは、決まった物理量?ではないらしい。だからある時間をすごく長く感じたり、短く感じたり、過ぎ去った時間をあっという間にすぎたと感じる、これは錯覚ではなく、これが時間の特徴であるのだ。この過ぎ去った過去の時間に思いを馳せる時「あの時何やっていたんだろう」なんて空白の時間を作らないために今日1日頑張っていきたいなと思う今日この頃です。

 

部分だけを看ず全体を看る医療を

2021年07月04日

ケース1;最初は治る膀胱炎だった。その後症状は同じでも治らなくなった。専門病院に行っても治らず「精神科に行け」と突き放すように言われたと。

解説;ご主人を亡くされたあと心の支えが無くなり、すべてのことに不安がもたげてきた、これを我々(家族、医療、介護)で支えて行かなくてはいけない。一番は安心感を醸し出す。

 

ケース2;専門病院に様々な科をまたいで通院していた。専門の先生は専門の事しか話さない(まあ当然です)。では今後「私自身はどうすればよいか」と言う不安が生じ当院へ。

解説;糖尿病なら「糖尿に関しては大丈夫です」と言うのが専門家の発言。各パーツに対してのお墨付きはもらえます。しかしそれをまとめる全体としての自分自身に不安が生じてきたとき、その方向性を一緒になって考える手伝いをするのが当院の役目かと考えています。

 

ケース3;父親、90歳 最近食べない、言葉数が少ない、動かない、いろんな病院で検査しても異常なしと言われた。

解説;そういう状態を「老衰」と言います。老衰の診断は本人を全体から眺めないと解らない?専門家は「老衰」と診断しない。

 

院長のひとり言

自分の事は自分で決めてやり切る、立派な事ですが、最期までやり切れる人は極わずかです。自信が崩れてくると、我々を頼る人、身内や他人に頼んであくまで自身の都合を貫く人、頼ってくれれば道筋はつけられます。様々な経験の蓄積がありますのでご安心ください。あくまで自分の意思を貫いていく人は頑張ってください。大体の方は自身の置かれている状況が判断できなくなり、他人を振り回す結果になることが多いと感じています。まあしかしそれもまた人生ということで。

 

 

テレビウイルスに洗脳されていたら?

2021年06月04日

兆候1;コロナ感染が蔓延していると思っている。

現実;市川市の人口は49万人 現在までの感染者は総計3314人。

1年と約4か月で人口の約0.7%の方が罹りました。これを蔓延ととるかどうか。

 

兆候2;無症状から感染させてしまうから心配

現実;無症状から感染させる確率は1%以下です。100回無症状のコロナの人と会っても1回もうつりません。そもそも自分に症状がないのに感染しているというのが前提で人に接するっていう考えがあまりにも不自然だと思います。テレビでは散々放送していますので完璧にやられています。

 

兆候3;1日のコロナ陽性者が市川市で10人前後しかいない状況(6月初め)で「まだ不安です。変異株が心配なので」・・と言う。

現実;コロナウイルスは2週間でたんぱく質が1個変異すると言われています。去年のコロナからはだいぶ変わっていますよ。教科書にも「コロナの特徴は変異」すると書いてあります。「また増えてくる」と脅されてきましたがおそらくこのまま減って行くでしょう。

 

兆候4;そもそもPCR陽性者を感染者だと思っている。

現実;唾液のPCR検査ではウイルスの断片や残骸を含めて5個唾液に含まれていると陽性になります。「感染する」とは「ウイルスが体内に入り増殖すること」を言います。そしてウイスルが一度に大量に入らないと感染が成立しません。おそらく大多数の無症状の陽性者は感染者ではありません

院長のひとり言

80台後半の患者さんがポツリと語った。「今は、約70年前の戦争の時と同じだよ」と。当時は米英を憎まなければ非国民、今はコロナを過剰に恐れないと非国民。しかしいまだに、自分が担当している患者さん、その知り合いを含めてコロナ感染症によって亡くなった方は極わずかです。コロナ陽性で入院となりオムツを食べて不幸にも窒息死されてしまった方もコロナ死に数えられました。皆の恐れる気持ちと現実の差があまりにも違うのでビックリしています。

 

認知症におけるコロナ対策

2021年05月04日

その1;完全隔離はできない。

答え;個室に完全隔離し外から施錠、もしくはベッド上で拘束し動けないようにさせる、人道的に無理ですね。

 

その2;施設等で、ガウンテクニック(感染予防服)は非常にスタッフを疲弊させるので使用しない。

答え;ガウンテクニックをしっかり運用するには職員教育の徹底、それに見合った施設環境がそろわないと意味がない。職員の精神的ストレスが増すことの不利益が大きいと判断している。中途半端な運用をするならしない方がよい。

 

その3;トイレ周り、共有部分の消毒は徹底する

答え;飛沫感染の予防は難しい、しかし接触感染(ものに着いたウイルスに触ることによって感染)の可能性は下げられるのでこれは徹底する。

 

その4;施設などで感染者が出た場合、入居者(利用者)、スタッフにPCR検査を強制しない。

答え;感染経路の探索は、犯人捜しと同等の精神的障害を皆にもたらす、「悪いことした」という罪悪感を植え付ける、点で反対。また感染の拡大を防げたという証拠はない。無症状のPCR陽性者は感染者ではないことが多い。したがってスタッフで風邪症状がある場合には休んでもらうという通常の方法で十分と考えている

 

院長のひとり言

テレビで認知症の一人暮らしのお婆さんがコロナに感染?孫からうつされたとの報道。「あんたコロナやから家から出たらあかんで」と有名な医師が言っていた。患者は恐怖で混乱した様子だったが、翌日しっかり外出していた。「家に居ないとあかんで、食べものはヘルパーさんがとどけるさかい」と。本人は不穏?コロナと知って届けるヘルパーは居るのか?本人はまだ軽症から無症状。はたしてコロナ検査ってやった方が良かったのかどうか

 

認知症患者さんに対して、してはいけないこと

2021年04月09日

その1;「ダメ」と言ってはいけない。

答え;例えば今まで自由に歩いていたのに、危ないから歩いては「ダメ」と言われ強制的に座らせられる。自分がしたいと思うことを理由も解らず全否定されている気分になります。

 

その2;できない、できなかった事を強調する。「なんでそんなこともできないの」とか「さっきいったでしょ」など。

答え;自分としては(認知症の人、本人)なんにも悪いことしていないのに一方的に怒られている感じになる。そして萎縮するか、怒りとして現れます。

 

その3;時間割を押しつける。

答え;高齢者にも当てはまりますが、認知症、高齢の方には生活リズムを維持するため、自分なりのペースがあります。それは非常にゆっくりです。そのペースを乱されると混乱し、頭の中が真っ白になります。出来ることも出来なくなります。

 

その4;語りかけずほっておく。

答え;一人暮らしの方はいたし方ないと思いますが、皆がいる中で、語りかけをしないと疎外感が増し認知症症状が進行します。大変だとは思いますがなるべく語りかけ、そして話す内容は過去の思いで話が最高だと思います。

 

院長のひとり言

こぼれ落ちていく記憶、自分が何をしていたのかも解らなくなっていく恐怖、これが認知症の方の基礎にある不安感です。自宅に居れば、自分の生きてきた軌跡がいっぱいあるのでよいのですが、施設や、新しい環境になってしまうとそれもなくなり、不安が増します。「わたし、どうすればよいの」と表現されることが多くなります。「大丈夫、このままでよいよ」と暖かい眼差しで繰り返し伝えなくてはいけません。出来なくなったことを指摘して心の傷を広げないでほしいですね。

 

超過死亡者数 とは

2021年03月01日

質問;まず 超過死亡者数 とはなんですか?

答え;例年ある時期の本来想定されている死亡者数より、増えた数を言います。例えば冬場にはいつもより多くの死者数が出てしまいますが、増えた数を超過の数と言います。

 

質問;昨年度の結果を教えてください

答え;昨年度は11年ぶりに減少したとのことです。数にして約1万人ぐらいでした。昨年度日本人は例年より死ななかった!

 

質問;具体的には?

答えインフルエンザ感染症の激減、肺炎の激減、心臓、脳卒中の減少でした。

 

質問;その理由は何ですか?コロナが流行ったのに何故ですか?

 

答え;新聞には手洗い、うがい、マスクの着用が貢献した可能性があると新聞は指摘していました。

ちなみに アメリカは50万人、イギリスは10万人、ロシア30万人、メキシコ30万人、ブラジル18万人、フランス、イタリア、スペインもそれぞれ10万人弱の超過死亡者は増加していました。ロックダウンしなかったスウエーデンは数千人の増加にとどまりました。

何故日本では超過死亡が減少したのか?自粛が功を奏した?しかしロックダウンした国々の結果は散々たるものでした。人種差?イギリスからの報告では白人に比べ他の人種の方がより罹り易かったという結果でした。興味深いのは貧困になればなるほど感染の確率が上がったと。栄養状態、衛生状態がかなり寄与しているのではないかと思っています。日本人でよかった。