認知症患者さんに対して、してはいけないこと

2021年04月09日

その1;「ダメ」と言ってはいけない。

答え;例えば今まで自由に歩いていたのに、危ないから歩いては「ダメ」と言われ強制的に座らせられる。自分がしたいと思うことを理由も解らず全否定されている気分になります。

 

その2;できない、できなかった事を強調する。「なんでそんなこともできないの」とか「さっきいったでしょ」など。

答え;自分としては(認知症の人、本人)なんにも悪いことしていないのに一方的に怒られている感じになる。そして萎縮するか、怒りとして現れます。

 

その3;時間割を押しつける。

答え;高齢者にも当てはまりますが、認知症、高齢の方には生活リズムを維持するため、自分なりのペースがあります。それは非常にゆっくりです。そのペースを乱されると混乱し、頭の中が真っ白になります。出来ることも出来なくなります。

 

その4;語りかけずほっておく。

答え;一人暮らしの方はいたし方ないと思いますが、皆がいる中で、語りかけをしないと疎外感が増し認知症症状が進行します。大変だとは思いますがなるべく語りかけ、そして話す内容は過去の思いで話が最高だと思います。

 

院長のひとり言

こぼれ落ちていく記憶、自分が何をしていたのかも解らなくなっていく恐怖、これが認知症の方の基礎にある不安感です。自宅に居れば、自分の生きてきた軌跡がいっぱいあるのでよいのですが、施設や、新しい環境になってしまうとそれもなくなり、不安が増します。「わたし、どうすればよいの」と表現されることが多くなります。「大丈夫、このままでよいよ」と暖かい眼差しで繰り返し伝えなくてはいけません。出来なくなったことを指摘して心の傷を広げないでほしいですね。