部分だけを看ず全体を看る医療を

2021年07月04日

ケース1;最初は治る膀胱炎だった。その後症状は同じでも治らなくなった。専門病院に行っても治らず「精神科に行け」と突き放すように言われたと。

解説;ご主人を亡くされたあと心の支えが無くなり、すべてのことに不安がもたげてきた、これを我々(家族、医療、介護)で支えて行かなくてはいけない。一番は安心感を醸し出す。

 

ケース2;専門病院に様々な科をまたいで通院していた。専門の先生は専門の事しか話さない(まあ当然です)。では今後「私自身はどうすればよいか」と言う不安が生じ当院へ。

解説;糖尿病なら「糖尿に関しては大丈夫です」と言うのが専門家の発言。各パーツに対してのお墨付きはもらえます。しかしそれをまとめる全体としての自分自身に不安が生じてきたとき、その方向性を一緒になって考える手伝いをするのが当院の役目かと考えています。

 

ケース3;父親、90歳 最近食べない、言葉数が少ない、動かない、いろんな病院で検査しても異常なしと言われた。

解説;そういう状態を「老衰」と言います。老衰の診断は本人を全体から眺めないと解らない?専門家は「老衰」と診断しない。

 

院長のひとり言

自分の事は自分で決めてやり切る、立派な事ですが、最期までやり切れる人は極わずかです。自信が崩れてくると、我々を頼る人、身内や他人に頼んであくまで自身の都合を貫く人、頼ってくれれば道筋はつけられます。様々な経験の蓄積がありますのでご安心ください。あくまで自分の意思を貫いていく人は頑張ってください。大体の方は自身の置かれている状況が判断できなくなり、他人を振り回す結果になることが多いと感じています。まあしかしそれもまた人生ということで。