医療の方向性について

2022年06月15日

質問;医慮の方向性とは何ですか??

答え;一つの方向性は 救命、延命を目指す医療です。限りなく「生を追求」します。例えば癌が見つかったら、癌と闘い勝つことを目標にさまざまな治療をします。検査、入院、手術など苦痛を伴う治療も含めて積極的に病気と闘います。いわゆる闘病生活が始まります。皆さまが一般的に思っている医療とはこのことです。医療中心の生活となるので「生活の質」は落ちます。結果、死は敗北となります。

 

質問;ではもう一方の医療の方向性とはなんですか??

答え「生活の質」を重点に置く視点です。日常生活に支障がなければ医療的な介入は最小限にとどめます。病とは無理に闘うことをせず、上手に共存することにしようと考えることになります。残っている時間(最期の時間)は自分のやりたいことに使い過ごしていただきます。結果、死が到達点となり、受け止めることになります。(無理にそうしなくても自然になります)

 

質問;健康で長生きしたいのですが?

答え;延命を追求しすぎて医療的な介入を過度にしすぎると返って健康で長生きできなくなることが心配なのです。

質問;今、どちらか決めなければいけないのですか?

答え;いや、常に両方の考え方を念頭に置き、時が来たら、「えいやっ」と、後者の方向に決めてください・・・。

 

院長のひとり言

専門病院における医療はまさに延命に軸を置いた医療です。当然に我々、皆さまの医療の軸もそちらにあると思います。しかし実際は選択肢がもう一個常にある、専門病院の先生は教えてくれない、それは「生活の質」に軸を置く医療、なにごとも、完璧を追求せず程々に、最小限の医療介入。超高齢者の生き方を観ていると必然的にそうなるのをいっぱい観ています。「ああ、いいな」って感じます。さていつからそうするかは、自分次第です。