コロナ恐怖症からの脱却  その2

2020年06月06日

つぶやき:年は80台です。いつ死んでもいいのですがコロナで死ぬのだけは絶対に嫌です!・・よく外来で聞く話

 

質問;コロナなどのウイルス感染症で亡くなる場合苦しみますか?

答え:結論は「苦しみません」

 

質問;そんな馬鹿な。テレビではみんな「苦しかった」と言っています。

答え;では亡くなったかた方はそう言っていましたか??・・あなたには聞けないか。我々は毎年ウイルス感染が原因でこの世を去る人を診てきました。その方たちに共通していることは、熱が出る、酸素飽和度が下がる、意識が落ちる、ことです。そこで「苦しいですか??」と問うと皆一応に「苦しくない」と答えていました。

 

質問;理解できません。

答え;でしょうね。亡くなる定めの方たちは意識が遠のきその顔は幸せそうでした。これは看取りにかかわったすべてのスタッフの共通の感想です。皮肉な話、肺炎で苦しかったと感想を漏らす、とは生き残るためにはいばらの道を通らなければいけなかったということです。

 

見つけてしまいました。今回のコロナ騒動において、決定的な嘘を。コロナに感染したら20%が重症化すると。テレビで堂々と述べられていました。あたかも全体の20%と言っているように見えます。実は主語があるのです。主語は高齢者です。特に80歳台の致死率は19%程度になります。それでもしかし「かかったら必ず死ぬ」と思い込まされた高齢者の方たちにも朗報です。80%大丈夫ですと

 

コロナ恐怖症からの脱却  その1

2020年05月05日

質問:コロナに感染したら肺炎から突然死の危険性があって怖いです。

答え:ある日突然、健康だったと思っていたのに「死んでしまう」ことがあるという現実を毎日テレビで見せられる恐怖は特別です。しかし冷静にその確率を計算すると宝くじで1等を当てるぐらいの確率です。外出して交通事故に合う確率よりも低いのです。

 

質問;自分で早めに肺炎の徴候を見つける方法は?

答え;パルスオキシメーターという機械で血中酸素飽和度を測ります。インタネットで購入できます。

酸素飽和度が90%近くに下がったらすぐに入院し酸素の吸入をします。咳がひどくても酸素飽和度が維持できていれば安心です。

 

質問;どこに連絡すればよいですか。

答え;当医院に連絡をください。自宅で酸素を吸いながら経過を見ることが可能です。病院で治療する方向にも対処ができます。

 

麻薬の運び屋を片っ端から捕まえてボスの名前や経路を自白させて、ボスを捕まえる。しかしいまだに麻薬撲滅できていないですよね。結局いくら運び屋を捕まえてもダメなのです。麻薬をコロナに置き換えてみて考えるに、やはり感染者をいくら追っても感染拡大を防ぐことはできないと思います。あと知らぬ間に運び屋になった人にたいして「けしからん」と責めないですよね・・。コロナも同じです

 

コロナ騒動で思い知らされる現実

2020年04月05日

生存曲線のグラフ   横軸 年齢 縦軸生存率%

質問:80歳男性の生存率はどれくらいですか?

答え:このグラフから見ますと約50%です。青の線です。まさに崖っぷちに立たされている印象ですね。40,50までは平坦ですね。60台から傾きますね。

 

質問;まったく自立した高齢者でも自分の立っている場所は崖と言う意味ですか?

答え;その通りです。これが残酷ですが現実です。少しの風で転がり落ちそうな場所です。

 

平成29年度の日本人の死亡者数は約134万人、1日当たり約3700人亡くなります。そのうち肺炎は約8%だから296人が肺炎で亡くなっていた。(厚生労働省より)

 

コロナで亡くなる方の大部分が80歳台の高齢者です。「私に罹ったらどう責任とるの」という今風の風潮からこれらの方を守るため、現在我々現役世代は、外出を控え、人生の楽しみを自粛、さらに介護保険を払い、人によっては高齢者の世話まで行っている現実、今限りの特殊な環境だと思わない方が良い、毎年これから起こるかもしれないのです。ひるがえって、我々が高齢に達した時「私はいいから遊んでおいで」という風潮にはならないものかしら。

 

 

コロナ 狂騒曲 基本に忠実に

2020年02月04日

質問;新型コロナ、インフルエンザ、などのウイルス感染に対する基本的な考え方とは何ですか?

解説;1 感染してから症状がでるまで時間がある。その間にも人に感染させる。感染しても症状が出ない場合もある。

2 自分の免疫で治していく。治療薬は基本的にはないので、出た症状に対しての対処療法のみ。

3 感染者が移動すればするほど他に感染させる機会が増える

 

質問;そこから導かれる最善の対策を教えてください。

答え;ウイルス感染した、つまり風邪ひいた、と感じたら自宅に帰り、症状が治るまで自宅で過ごす。病院には基本的に行かない。症状について心配になったら電話相談からお願いします。致死率の高いウイルスの場合は特に、対処療法希望の通院は他に感染させる恐れがありますので控えてください。

 

質問;病院に行くタイミングは?

解説;肺炎が重症化した場合です。その診断はCTやレントゲンではなく血中酸素飽和度を測ることが重要です。インターネットで購入できます。90%を切った連絡してください。咳がひどい、高熱だ、だけでは入院はさせてもらえないと思います。小さな肺炎でも自然に治ります

ウイルス感染の基本、罹患しても特効薬があるわけではなく、診断するためにも他者への感染機会の増大につながる。したがって病院に行っても益が少ない。だから自宅で治るのをひたすら待つ、という習慣、常識を取り戻さなくてはいけない。 もし新型コロナウイルス感染症の致死率が高いと判定された場合、病院に無暗に行ってはいけない。自宅にこもりひたすら回復を待つ。インフルエンザも同じ考えです。

毎年のインフル狂騒曲

2020年01月15日

質問インフルエンザだと会社を休まなくては、学校を休まなくてはいけないので・・・。風邪だと行けるのでいいのですが・・。

解説;インフルエンザの日本語訳は流行性感冒、つまり感冒です。「風邪なら会社に行ってもいい」のに「インフルは人にうつすから来るな」という言い訳は矛盾です。風邪もインフルエンザもウイルス感染なので人にうつします!笑

 

質問;抗インフルエンザ薬使ってはやく治したい。

解説;薬の効能として1日早く熱が下がるかもしれないが、ウイルスが体内に残りやすくなりことが解っていますので人に感染させる期間が延びます。まれですが突然死などの心配もあります。インフルエンザと診断されたら5日間完全休養がもらえるのですから使わない方が体のためには良いです。

 

質問;高齢者にうつしてはいけないのでは?

解説;高齢者は毎年インフルシーズンを乗り越えています。80歳の方は80回インフルシーズンを経験し何らかの免疫を獲得しています。その結果乳幼児より感染の確率は低い現実があります。しかし罹った場合に合併症が出る可能性が確かに僅かながらありますが、ではその高齢者の方を完全に隔離できますか??おじいちゃん、おばあちゃんは孫の顔が見たいのです。それでうつっても本望であると考える社会を望みます。

 

インフルエンザに絶対罹りたくない方へ。そのためには、人と接触をしてはいけない。その人がウイルスの感染者かも知れないから。例え熱がなくてもウイルスを排出している可能性があるからです(不顕性感染)。人と半径数メートル以内には近づかない。一説によるとくしゃみで8-10m程度ウイルスは飛ぶそうですので。そんな生活できますか??うがい、手洗い、マスク、ワクチン、毎年叫ばれますが・流行ります・ね。ただの風邪だろ、と言う風潮の復活を祈るばかりです。

 

認知症記憶すりこみ療法

2019年12月29日

質問;記憶刷り込み療法とはなんですか?

答え;認知症の方に、ある特定の記憶に働きかけ続けることにより、結果笑顔が出て、副次的に自分の存在も記憶の一部になってしまう療法です。私が名付けました。

 

質問;具体的にはどうするのですか?

答え;その方の残っている記憶で一番印象深いところ、一番楽しかった思い出の時の話を延々、毎回繰り返して話していきます。

 

質問;そうするとどうなるのですか?

答え;例えば、戦前での思い出が印象的だった○○さん、戦争前の楽しい思い出の話ばかり重ねていくといつの間にか「あなたとは戦前からの付き合いよね」と笑顔になって話してくれます。

 

質問;認知症の方に対する脳トレに意味はありますか?

答え;私見ですが意味、効果はないと思います。計算や漢字の読みクイズの知識がたとえ上がってもその方の幸せにはつながりません。一つでもいい思い出、印象深い記憶に対する共感があればその方の笑顔につながります。おためしあれ。

 

ある料亭の女将の物語。認知症を患い、なにかいつもイライラしてほぼ会話ができないとされていた。当初は「ご馳走様、美味しかった」ですり込もうとしたが今一つ、ある日の会話で、大将を引き継いだ息子に対して「血の涙を流して息子を勘当し、のれんを下した」話を引き出した。それから「女将はのれんを守ったのだよ」と自己肯定共感発言の繰り返し、その後「こんにちは」の笑顔を女将の方から・・・今も会うと頂けるようになった。

 

上田医院流 インフルエンザ 対策

2019年10月13日

質問;熱が出た場合、会社へ報告のためにインフルエンザかどうかの診断が必要です。簡易診断キットが必要ですか?

答え;現在の簡易診断キットの正確性は90%程度で限界があります。更に発熱から検査までの時間により診断の精度が変わります。最終的には状況判断を含めて医師が診断します。

 

質問;施設の場合、集団感染が怖いです。

意味;その通りです。しかし集団感染のきっかけである職員からの感染は防ぐことが困難であるばかりか、休まれると入居者が困ります。いつもお世話になっている職員に突然「来るな・・」と言う空気よりも風邪は「お互い様」と受け入れる空気が欲しいところです。

 

質問;インフルエンザの場合は薬を一刻も早く飲まなければならないのですか?

答え;「薬を飲んで早く治りたい」気持ちがあることは承知していますが、現代社会ではインフルエンザと診断されたら有無を言わさず最低5日は休まされます。薬の効果は最大に見積もって1日早く解熱することしかなく、解熱してもウイルスは減らないことが証明されました。また肺炎などの合併症が減るとも証明されていません。薬を飲まず、薬の副作用を心配せず、ゆったり寝ていたほうが体には優しいでと思います。

当院の自費ワクチン代 4000円

 

考文献:薬のチェックは命のチェック「インフルエンザは風邪!」

 

毎年インフルエンザの罹患患者数はかなりの数に達すると報道されます。そして解決方法はお決まりの文句;ワクチン接種を、早期の受診を、薬を、そしてうがい手洗いの徹底を・・と。しかしその方法では感染の拡大は防げませんでした。薬で早く治るなら感染の拡大も減るはずなのに、それも違いましたね。感染の拡大を防ぐには、風邪をひいたと思ったら外には出ずに家で寝ていることが大切、基本に戻るのが賢明です

老衰について

2019年09月13日

質問;老衰とはどういう状態の事を言いますか?

答え;人が寿命を迎え、身体の機能が全体的に低下し「死」に向かう準備を始めることを言います。

 

質問;いつから始まりますか?

答え; 体の機能は20歳をピークに成長し、それ以降は徐々に衰えていくと言われています。それが顕著に進むのがかなり個人差はありますが70歳後半ぐらいからです。

 

質問;具体的な老衰の兆候はどんなものですか?

答え;大きく分けて以下のことが特徴です。

1;食べても太らない・・かえって痩せてくる。

2;周囲に無関心になる。

3;最期に近づいてくると身体から要らないものを出していく。多量の便や尿、その他身体に溜まっている不要物

 

質問;苦しみますか?

答え;否:苦しみは感じないということが様々な研究により証明されています。実際我々は年間200人前後自宅でお看取りしていますがほとんどの人が自宅のベッドで穏やかに眠るように寿命を全うしています。寿命に逆らって延命させようとする行為は本人を苦しめることが多いようです。

 

「老衰なんてほとんどない、詳しく調べれば必ず病気が見つかる」という意見をよく聞きます。医学的には病気だらけかもしれませんが一つ治したところで、その他ほとんどの機能は低下していて結果、延命にはつながりません。老衰とは、病気がない状態で機能が低下する、という意味ではないのです。たとえ病気があったとしても、身体全体を見渡して診ると、ほぼ一様に機能が低下している状態のことを言っています。それよりも天寿全うの大往生と観る方が人生最後にふさわしいと思います

心配をどうしたらいいか

2019年07月22日

患者;頭の後ろと首が痛いのでMRI検査お願いします。

医師;かしこまりました。では○○日に予約しました。

本音;なんのテレビを見たのかわからないけど、後頭部痛の原因が脳である可能性は医者からしたらありえない・・

 

患者;足がしびれているので血液検査してください。

医師; かしこまりました。では検査室へどうぞ。伝票書いておきます。

本音;どんな本を読んだかわからないけど、しびれと血液異常が結びつく可能性は医者からしたらありえない・・

 

患者;呆けるのが嫌だから頭の写真とって下さい。

医師;かしこまりました。では○○日に予約しました。

本音;またネット情報でも読んだのかな?呆け自体は話していけば医者なのだから検査なんかしなくてもすぐわかるけどね・・

 

質問;検査をして早く異常が見つかれば、手遅れにならなくてすみますよね?

答え;心配なのはわかりますが、心配はストレスになりストレスは病気を引き起こします。こちらからすると必要以上に心配しているそのことが心配です。

 

テレビ、雑誌、ネットなど昨今健康番組で患者さんの心配を必要以上に煽っていますが、ネタとしては面白いのですが、万が一の珍しい病気を取り上げて、過度に恐怖を作り上げているように思います。万が一の最悪なことを考えるより、楽しいことを考えて生活しましょうよ?体のことは医者に任せてください。

 

 

医療の方向性について(生活の質か生の追求か)

2019年06月19日

質問;医療の方向性とは何ですか??

答え;一つの方向性は 救命、延命を目指す医療です。限りなく「生を追求」します。例えば癌が見つかったら、癌と闘い勝つことを目標にさまざまな治療をします。検査、入院、手術など苦痛を伴う治療も含めて積極的に病気と闘います。いわゆる闘病生活が始まります。皆さまが一般的に思っている医療とはこのことです。医療中心の生活となるので「生活の質」は落ちます。結果、死は敗北となります。

 

質問;ではもう一方の医療の方向性とはなんですか??

答え「生活の質」を重点に置く視点です。日常生活に支障がなければ医療的な介入は最小限にとどめます。病とは闘うことをせず、上手に共存することにしようと考えることになります。残っている時間(最期の時間)は自分のやりたいことに使い過ごしていただきます。結果、死が到達点となり、受け止めることになります。

 

質問;健康で長生きしたいのですが?

答え;延命を追求しすぎて医療的な介入を過度にしすぎると返って健康で長生きできなくなることが心配なのです。

質問;今、どちらか決めなければいけないのですか?

答え;いや、常に両方の考え方を念頭に置き、時が来たら、「えいやっ」と、後者の方向に決めてください・・・。

 

自分の命が残り少なくなったことに気づくこと、患者さんを観ていると、言葉で明確に表さなくても、ちょっとした言葉の端々や、雰囲気で察せれることが多々あります。医療の方向性が延命から切り替わったことを家族や他の従事者が受け止めきれないとどうなるか?「眠い」のに「起きて、ほら」「寝ちゃだめ」と心地よく訪れる睡魔が騒音でかき乱されることになります。