認知症対応

2019年11月13日

質問;母が同じことを繰り返し話し、さっきのことをすぐに忘れてしまいます。心配です。

答え;それは認知症の始まりです。しかしどの高齢者にも見られる行動なので、ある意味自然な老化の一つと解釈しても結構です。しかし家族の対応が進行に大きく関係するので正しい知識をもって対応してください。我々に相談してください。

 

質問;最近は進行を遅らせる良い薬があると聞きましたが?

意味;効果は非常に限定的です。一番大事なことは生活環境整備です。

 

質問;共働きなので親が一日一人で家にいて何をするか心配です。

答え;一番必要な事は、その方が安心して過ごせる環境整備です。日中一人ボッチで誰とも会話しない環境はよくありません。認知症の知識があり、声掛けの良い、自立を促してくれるスタッフのいるデイサービスが一番の環境です。

 

質問;どんなデイサービスが良いでしょうか?

答え;宣伝になりますが、当院付属のデイサービスは、認知症の方にとっても、また認知症予防のためにも良い所です。他のデイサービスは体調が悪くなると帰され、通えなくなりますが、当デイサービスは将来医療面で不安な状態になっても通い続けられます。また急なお泊りや定期的なお泊り、医療的に家では大変や不安な方のお泊り対応も可能です。将来何があるかわからないので今は元気だけれど通ってくれている人もたくさんいます。

 

「認知症に対応可能」という施設でも中身は、徘徊しないように見張り、変なことをしないように見張り、脳トレなどはやらせても、時間通りに食べさせて寝かせるだけの非人間的な管理です。それが人間の幸せでしょうか?

私は考えます。認知症の人たちにとって何が一番いいか、いやすべての人にとって何が一番いいか、やっぱり笑顔が一番!笑顔を引き出すことです。それを実現するために日夜スタッフは努力しています。

 

目からウロコの健康情報

2019年08月22日

質問;インフルエンザに罹りました。薬を飲んだら窓から飛び降りました。

答え;それは薬の副作用です。インフルエンザなどの風邪は薬のまなくても自然に治ります。

 

質問;高脂血症の薬を飲んでいます。風邪に罹りやすくなりました。

答え; それは薬の副作用です。高脂血症薬は免疫を司るホルモンの合成を阻害するので風邪に罹りやすくなります。

 

質問;骨を丈夫にすると言われて注射をしています。

答え;注射の中には免疫抑制作用があるものがあります。風邪に罹りやすくなると注意書きにあります。

 

質問;認知症になりました。進行を遅らせると言われている薬を飲んでいます。最近怒りっぽくなりました。

答え;それは薬の副作用です。認知症の薬を止めたら会話ができるようになって穏やかになった人を私は大勢経験しています。

 

質問;抗不安薬を飲んでいます。最近ボーとしています。

答え;副作用としてボーっとする、眠気、ふらつきなどがあります。薬をやめることも難しい依存性の強い薬ですが、抜くことも可能です。しばらく離脱症状で苦しむことがありますが、脳は元気になります。転倒して骨折する危険性も減ります。ぜひご相談ください

 

先日、某老人ホームチェーン(18店舗)の解析結果を知らされました。なんと当医院が関係している入居者さんの入居日数の平均が一番長かったそうです。さらに当医院の一人当たりの薬剤数は一番少なかったそうです。これはつまり飲んでいる薬が少ないほど長生きができるということが証明されてしまったということです。眼からウロコの話とはこのことです。

 

人生100年時代??て言うが・・・

2019年05月19日

実際100歳近い長寿の方のお姿、お言葉

プロフィール①;95歳男性、背中は90度に曲がっている。昔は体操選手、80歳代で大車輪ができる程の体力自慢だった

答え;「長生きなんてするもんじゃないね」「しんどい」

 

プロフィール②;102歳男性、食事の時なんとかリビングに行って食事するが、それ以外はベッドで寝ている。

答え;「別に僕は何でもないよ」(趣味の読書や音楽鑑賞は卒業。年齢は自分ではわからなくなってしまったようだ)

 

プロフィール③;85歳女性、寝たきり全介助、口から食べれなくなり胃ろうで栄養を。意思の疎通ははかれない。

答え;息子曰く「なんとか100歳まで頑張らせる!」

 

プロヒール④;99歳女性、だんだん無口になった。

答え;他人にも物事にも100歳の誕生日にも興味なさそうだが自分の世界をふわっと生きているよう。

 

プロフィール⑤;95歳女性、トイレに自力でいけなくなり、30分おきに嫁を呼ぶ。

答え;嫁さんはうつ状態になった。

 

「人生100年時代」という枕詞をよく耳にする。しかし現在100歳前後の方で趣味をもち、ボケずに、足腰もしっかりしている方はどのくらいいるのだろうか。私はまだ「長生きは素晴らしいから先生も頑張って!」と言う100歳に出会ったことがない。私は無理に長生きしたいとは思ってなく、年齢とともに足腰も弱り今までの生活をよちよちと自分なりのペースでし、薄っすらボケて物事に執着せずニコニコし、結果、好々爺風になれたら良いなと思う。

 

インフル狂騒曲

2019年01月03日

質問インフルエンザだと会社を休まなくては、学校を休まなくてはいけないので・・・。風邪だといいのですが・・。

解説;インフルエンザの日本語訳は流行性感冒、つまり風邪です。「インフルは人にうつすから来るな」という言い訳は矛盾です。風邪もひとに移します。風邪なら会社に行ってもいいのですよね。うつしますよ!

 

質問;抗インフルエンザ薬使ってはやく治したい。

解説;どうせインフルエンザと診断されたら5日間完全休養がもらえるのですから使わない方がよいのでは。薬の効能として1日早く熱が下がるかもしれないが、ウイルスが体内に残りやすくなるかもしれない、つまり本当に治っていない、しかも人に感染させる期間が延びるのですから。

 

質問;インフルエンザ脳症が怖い

解説;いわゆる抗インフルエンザ薬が登場する前にもインフルエンザは猛威を振るっていました。脳症など教科書のどこにも書いていない。実地医療者の誰も指摘してこなかった。薬が登場してから騒ぎ出した事実。じつは薬害の可能性が高いと考える。

院長のひとり言

薬の副作用から解ることがあります。それは薬の方向性です。血圧を下げすぎると呆けやすくなる、抗コレステロール薬を飲むと免疫力が下がる、抗インフル薬を飲んでも熱は下がるが風邪が治るわけでなくウイルルスは体に残っている。薬が効いたと感じている人はおそらく自分の力だけでそうできたかもしれないと考えてはいかがですか?薬のおかげではなく。

 

医師の発言から読み解く本音

2018年12月03日

発言;とりあえずこの薬をだしておきますから・・飲んでみたら。

答え;現時点でどうしても必要とは思われないが、患者さんが薬を望んでいることが多いので、とりあえず 出しときますか・・・・・・という意味。必要は必ずしもないと思っている。

 

発言;なんでこんなになるまでほっておいた・・・

答え;もし前に診てもらっていた医師がいる場合には単なる「あてつけ」。いない場合には、あまりに症状がひどいので「手に負えない」と思っている、何しろ治せないかもしれないので誰かのせいにしたいと思っているときの発言。

 

発言とりあえず検査をしましょう。

答え;この時期で診断がついていないので、何か検査で引っかかったらよいなと思っている。

発言;弱い薬(抗がん剤、抗生物質)を出しておきましょう。

答え;弱い薬には効果がありません。抗がん剤や抗生物質はしっかり使って初めて効果が認められます。飲んでいれば少しは効くかもしれないという医師患者両者の儚い願望かもしれません。

発言:あと3年もてば(寿命は?と聞かれたとき)

答え:特に根拠はない。1、2年だと短いし4年だと縁起が悪いし5年だと長い気がする。3という数字が心地よい・・その程度の根拠

ある患者さんの発言、「○○先生(私ではない)は、俺の欲しい薬を出してくれて、俺のしてほしい検査をしてくれて、だからあの先生が好きなんだよ・・。」患者さんがお客さんになり、お客さんは神様だし、言う事聞かないと逃げられるし、大変な時代となりました。威張ろうとは思いませんが医療理念はしっかりもって仕事をしたいものです。ちなみにその患者さんから私は嫌われていました。

 

 

人間はウイルスの前では無力である

2018年09月13日

質問;そもそも「ウイルス」とはなんですか?

答え;非常に小さい病原体で、人間の体に入って増殖します。体の中でしか増える事はできません。

 

質問;体の中で増えるとどうなりますか?

答え;増殖したウイルスを排除しようと体の中の免疫物質が増えます。その結果として、だるさ、熱、などが出ます。そして大体は人間が勝つのでウイスルは死滅します。この治ろうとする反応が鼻水、咳、嘔吐、下痢、発疹、だるさ、熱となって現れます。

 

質問;予防や薬はありますか?

答え;ウイルスによっては予防接種が有効(効果は非常に限定的)なものもあります。しかし大多数のウイルスに対してはありません。あるウイスルに関しての薬はありますが、その効果は極めて限定的です。無効だとする意見もあります。基本的には人間の治る力がないと治りません。

 

ウイルス(風邪など)の症状は辛いですが、これは人間の治ろうとするために起こる反応です。辛いけれど治るまで安静に時が過ぎるのを待つしかありません。

 

医学が進歩したと威張っても、麻疹、風疹など予防接種をしたところで毎年流行が散発する羽目となり町の大ニュースになった。インフルエンザにしてもいくら予防接種しても、薬のんでも流行は防げない。今年の夏はRSウイルスに翻弄された。しかし辛い症状があっても大多数の人は自然に治癒する。流れに任せ、治った時に健康の有難みを知る。ウイルスは人間の傲慢さに冷や水を浴びせる存在だ。

 

 

熱中症について、

2018年08月13日

質問;そもそも「熱中症」とは

答え;厚生労働省のホームページから

高温多湿な環境に長くいることで、徐々に体内の水分や塩分 のバランスが崩れ、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します・・・場合によっては死亡することもあります。

熱中症の症状  ○めまい、立ちくらみ、手足のしびれ、筋肉のこむら返り、気分が悪い   ○頭痛、吐き気、嘔吐、倦怠感、虚脱感、いつもと様子が違う  重症になると、  ○返事がおかしい、意識消失、けいれん、からだが熱い

 

質問;私(院長)毎日車に乗ると車内が暑くて頭がボーとしますがこれは熱中症ですか?

答え;上の定義からは熱中症の疑いという事になりますかね・(笑)。

 

質問;昔は日射病と熱射病に別れていましたよね?

答え;その通り。以前は上記のほとんどが日射病と言われ頭から水をかぶって扇風機にあたっていればよかった時代でした。高熱になり、意識が無くなって初めて熱射病疑いで救急適応となりました。

重病になる前に早期に発見し死亡を未然に防ごうという試みかと考えられます。しかし毎日の報道に少しウンザリしませんか?

恐怖で煽られすぎていませんか?

 

猛暑のおかげで毎日「熱中症」フィーバーが続いています。テレビ、ラジオ、巷の井戸端会議でも「水飲め」「気を付けろ」の大合唱です。我々はいつから「本能」を忘れてしまったのか?と思うくらいの節介ぶりです。暑くて無理すると頭ぐらい痛くなった経験ありますよね?熱中症だ、即、死んじゃう、と頭を熱くしないで、縁側に腰かけ団扇や扇風機で頭冷やして、麦茶のんで、風鈴の音色聞いていれば自然と良くなっていきますよ。それとも病院で診断しないと解らなくなってしまった?

 

 

在宅医療について

2018年07月13日

質問;病院の医慮の方向性とは何ですか?

答え;病院医療の方向性は 救命、延命、病気の治癒を目指す医療です。限りなく「長い生命の維持を追求」します。例えば癌が見つかったら、癌と闘い治すことを目標にさまざまな治療をします。検査、入院、手術など苦痛を強いて生活の質を落としても生命予後の延長を目指します。皆さまが一般的に思っている医療とはこのことです。しかし「生活の質」は犠牲になります。

 

質問;では在宅医療の方向性とはなんですか??

答え;あくまで「生活の質」を保つことを前提に置き、医療はこの「生活の質」を落とさずに関与することを目標にします。特に高齢者や癌の末期の方などには有効な考え方です。

 

質問;具体的にはどういう事ですか?

答え;高齢者や癌の治療中の方などは、生活のすべてを犠牲にして闘病に費やしている傾向があります。(通院、検査、治療、入院など)病気を克服し日常生活が元通りになることを夢見て。しかし、かなりの割合で闘病のはてに最期を迎えることになります。であるなら、ある程度病気を受け入れながら生活していくことを目指しませんかという考え方です。癌においても。治癒を目指さず生活に支障がなければ共存していく考え方です。

 

質問;今、どちらか決めなければいけないのですか?

答え;いや、常に両方の考え方を念頭に置き、時が来たら、「えいやっ」と、どちらかに決めてください・・・。

 

癌の末期と言われ有効な治療もないと宣告された方が、治験(保険では認められていないが有効性が期待され、これから人間に実際に使用して有効性を確認する試験)に参加するケースがあります。患者さんはあくまで治癒を期待していますが、医療者側は生命の若干の延長を期待しているだけです。その若干の延長された生命の時間がどのような時間なのかが私の心配事です。

 

自然な最期を阻むもの

2018年06月13日

家族の要望;99歳の母です。延命は望みません。自宅でできれば自然な形で最期を迎えさせたいです。

医師;大丈夫ですよ。自宅でお母さんになにか変化があれば連絡をください。

 

質問;デイサービスやデイケアなどの介護施設のサービス中に何か急に体調の変化か起きた場合はどうですか?

医師;変化があればすぐにこちらに連絡をください。救命処置なども含めて必要性はこちらで判断します。

 

介護施設の答え;とんでもない。介護支援事業者として救命を行う必要がある事から、主治医の指示であっても従う事は難しく、(主治医ではなく介護施設のヘルパーなどの判断で)救急搬送を(強制的に)行います。

 

その後;デイサービスやデイケア中になにか異変がおこると救急搬送される場合が多く、超高齢者の場合にはそのまま入院して死亡してしまう事が多い、また搬送中に死亡してしまうと事件となり検死に回され調書を取られるなど、穏やかな最期とはかけはなれてしまします。

 

結論;自然な形で最期を迎えたい方たちへ。介護施設と何かあった時の事をよく話し合うことが大切です。当介護施設では責任もって最期まで診ていくことが出来ます。

 

介護施設は人が元気な時しか預かってもらえない所が多い。何かあったら追い出す(家または救急車)。調子が悪いと来るのを拒否、ではあまりに都合がよく無責任だと思います。調子の悪いその時こそが重要で信頼できる対応をしてくれるのか?というのが施設選びには重要だと考えます。調子が悪くなったら「看られません」と目をつむり、息が止まっていたら「救急車・・」と絶叫して逃げ出す現実の介護事業所。調子が悪い時、最期の時のお世話こそに頼れる施設が良い施設だと思いますがいかが。

 

 

医療の方向性について

2018年05月13日

質問;医慮の方向性とは何ですか???

答え;一つの方向性は 救命、延命を目指す医療です。限りなく「生を追求」します。癌が見つかったら、癌と闘い勝つことを目標にさまざまな治療をします。検査、入院、手術など苦痛を伴う治療も含めて積極的に病気と闘います。いわゆる闘病生活が始まります。皆さまが一般的に思っている医療とはこのことです。医療中心の生活となるので「生活の質」は落ちます。死は敗北となります。

 

質問;ではもう一方の医療の方向性とはなんですか??

答え「生活の質」を重点に置く視点です。日常生活に支障がなければ医療的な介入は最小限にとどめます。病とは闘うことをせず、上手に共存することにしようと考えることになります。残っている時間(最期の時間)は自分のやりたいことに使い過ごしていただきます。結果、死を到達点と受け止めることになります。

 

質問;健康で長生きしたいのですが?

答え;延命を追求しすぎて医療的な介入を過度にしすぎると返って健康で長生きできなくなることが心配なのです。

質問;今、どちらか決めなければいけないのですか?

答え;いや、常に両方の考え方を念頭に置き、時が来たら、「えいやっ」と、どちらかに決めてください・・・。

 

病気や健康を気にし過ぎるあまりかえって健康を損なうことが多いと感じています。健康番組やサプリメントの宣伝は皆さまの病気への不安感を煽ります。100年長寿称賛はそれより短命な方たちへ屈辱感を味あわせます。健康診断は現在の健康の確認にこそなれ将来の健康の保証はしてくれません。「気にしない」ことって案外大切なことだと思います。