検査

2014年06月05日

質問;検査をする意味について教えてください。

答え;一つ目はスクリーニング検査といって一通り検査して何か異常が引っかかってこないかどうかを見る検査。二つ目は治療目的があってその変化をみる検査、または治療方針を決める検査など、筋道を決める目的のある検査です。

 

質問;90歳です。しりもちをつきました。腰が痛いので検査してください。

答え;この場合の検査は後者の、目的がある検査にはいります。しかし打撲でも骨折でも検査の結果によらず年齢から考えて手術せず、安静で治るのを待つという対処がよりよい選択です。治療方針が決まっている場合は検査をする必要性が少なくなります。

 

質問;結果が同じでも安心のために検査したほうがいいのでは?

答え;患者さんの、また家族の心配はわかりますが、検査するために使う疲労や苦痛を考えると、一刻も早く安静にするほうが得策と考えます。しかし場合によりますので、医者の専門的な見解も聞いていただければ幸いです。

 

我々も皆様が感じる「心配」と日夜格闘しています。当院では様々な知識、経験から判断し、積極的な検査はしておりませんが、必要性を感じたときは検査のお願いをしております。

 

安心のために検査をしてくれないかとよく相談されます。検査をすると結果がでるまで不安な気持ちがいっぱいになる経験をお持ちになる方は多いと思います。検査結果が全く正常の場合はとりあえず安心?しますが少しでも正常値から外れたデータがあると不安が募ります。そしてそれをまた検査、そして検査。少しでも異常があれば治したいとの思いは理解できます。しかしご自身の五感で特に異常を感じなければ体は健康であると信じてみる方が気持ちが楽になる気がします。

 

よりよい地域の医療について

2014年05月01日

質問;まだ通院出来るので専門の病院にいくつも通っていますが、少し将来が心配です。

答え;元気な時はいくつも時間をかけて通院出来ますが、大変な時こそ通院は困難になります。将来に備えて訪問診療できる生涯付き合える医師がいると安心ですね。

 

質問;いよいよ通院するのが辛くなってきました。

答え;自宅に医者が通う訪問診療に切り替える事を考えましょう。医者が自宅に来ることで何かあった時に看護師がかけつける体制や、実際の生活を見る事で生活上必要なリハビリまで指示します。ケアマネージャー(※1)は介護の専門家ですから、医療面については必ず医師と相談してください。

 

質問;今まで通院していた専門病院の医者とはどうなりますか?

答え;残念ながら病院の医者は自宅での状況まで把握することは困難です。何かあったとき(入院や検査などが必要な時)には、かかりつけ医から専門医に連絡してもらうのがスムーズです。

 

質問;かかりつけ医は、専門的なことがわからないかと不安です。

答え;医学教育で全てを学んでいますのでかなりの部分は対応できますし、必要に応じて専門医を紹介したり、通院していた病院があればその担当医と相談したりして対応しますので安心です。

 

※1;ケアマネージャーとは、自宅改修、ベット・ヘルパーの手配など介護面をサポートします。当院にも付属ケアマネージャーがおりますが当院外とも連携しております。

 

自宅でなるべく長く、できれば最期まで過ごしたいと考えている場合、医療と介護、そして利用者(患者)側との密な話し合い、考え方のすり合わせ、そして信頼感の獲得が必要です。最初から意見が一致することはまれです。話し合って医療側は利用者の不安、不満を解消するように、利用者側は質問を通じて信頼を感じていただかなければいけません。お互いの努力が肝心です。「このラーメンちょっと違う」と思っても「他に良いラーメン屋あるよ」とラーメン屋歩きをするのとはわけが違います。

 

専門医とかかりつけ医

2014年04月09日

質問;高血圧は循環器科、慢性胃炎で消化器科と月にいくつかの専門医に通院しています

答え;ある病気の事に関して最良、最高の医療を提供してもらえる良いところがあります。しかし安定した後は定期的に診てもらう必要性は減ります。専門的な判断が必要な時に診てもらう事をお勧めします。

 

質問;最近、〇〇の症状がありますが、どこの科の先生に相談しても専門外だと言われてしまいました。

答え;自分の身体全体を把握して診てくれる、かかりつけ医にまず相談してください。薬の量、日常の体調、など総合的な判断より、必要に応じて最適な専門医を紹介いたします。

質問;かかりつけ医は、専門的なことがわからないかと不安です。

答え;しかし、いくつもの科から重複して薬が出ていることもよくあることです。やはり体の全てを把握している、かかりつけ医が必要でかかりつけ医がわかる範囲のことは、かかりつけ医で対処してもらいましょう。専門医への受診はかかりつけ医が判断するのが理想です。

 

質問;将来、通院出来なくなる時が来たらと心配です。

答え;元気なころから自分の身体をよく知っている、かかりつけ医に往診してもらうことが理想です。当院では、訪問診療、訪問看護が出来るので安心してください。長く最後までつきあえる、かかりつけ医がいると安心ですね。

当院では皆様のかかりつけ医、総合医をめざしております。

 

眠くて仕方ないときに、明日の弁当の味付けはなにがいいかとか、ネクタイは何を使うかなど細かい事を聞かれても薄らぼんやりしている頭で考える事はかなり難しいですよね。人間の終末期もこれに似ている気がします。自分で最期までやり通すのはかなりの意志の力がいります。全部自分で決めようとしないであらかじめ方向性を少し元気な時に決めていてもらえばいざと言うときに我々がサポートしますよ。安心してください。

血圧

2014年03月06日

質問;いったい血圧ってなんですか?

答え;血圧とは「心臓の力」と「血管の硬さ」の掛けたものです。

 

質問;血圧を測るといつも値が変わるので心配です。

答え;血圧は常に変化します。怒ったり、緊張したりすれば上がるし風呂上りにリラックスすれば下がります。寝る前、睡眠中、朝方は低めです。また血圧を続けて測るとだんだん下がってくるのが普通です。

 

質問;病院で測ってもらって高いと言われ、すぐ薬を出されました。

答え;病院で測ると高めに出ます。そういう方は自宅で必ず血圧を測り直して下さい。家で測って低ければ薬を飲む必要はありません。

 

質問;頭痛、めまいがして血圧を測ったら高かったのです。血圧のせいですか?

答え;血圧のせいではありません。頭痛、めまいがしたために心配になって血圧が上がったのです。

 

質問;どういう状態が危ないのですか?

血圧の高い状態がずうっと続くことで体に負担がかかり、ゆくゆくは脳や心臓、腎臓に障害がでるかもしれないと言う事です。

普段正常な方が急に上がっても大丈夫です。

 

毎日血圧を測っていて、高いと脳が壊れたらどうしようと心配している方がいます。血圧は自身の精神状態の指標です。高いときは恐らくイライラしていたり、頭が痛くて不安になっていたりします。リラックスすれば下がります。風呂上りに測って低ければまず恐れるような事は起きないと高をくくったほうが精神の健康が得られる気がします。常に高い人は少し薬を飲んで安心してください。

 

 

インフルエンザ

2014年02月01日

質問;インフルエンザとはなんですか?

答え風邪のひとつで原因がインフルエンザウイルスだということです。基本的には子供の風邪で、大人はかかりにくいと言われています。

質問;怖いイメージがありますが?

答え;マスコミが作り上げたものです。10年以上前まではインフルエンザ診断のキットもなく、タミフルなどの薬もなかった時代にも毎年インフルエンザは流行っていましたが、特にインフルエンザの検査をすることも薬を飲むこともなく治っていました。

 

質問;脳症になったり、突然死したりするのが怖いです。

答え;脳症の原因は強い解熱剤を使った場合、もしくはタミフルなどの薬を使ったほうが確率は上がりますので当院では出来れば使いたくないです。

 

質問;タミフルなどを使うと早く治るのでは?

答え;そう宣伝されていますが実際は、熱が早めに下がる傾向になるみたいですが治ったわけではなくウイルスは体に残っていることが解りました。ですから学校などでは解熱後2日で登校可能だったのが発熱後5日経たないと登校できなくなりました。

 

質問;インフルエンザでもほっておけば治りますか?

答え;身体には自然治癒力があります。自力で治った場合は体に免疫が着くのでその後しばらくはかからなくなります。タミフルなどを使用した場合は体に免疫が着きにくいのでまたかかりやすくなります。

 

風邪、インフルエンザも含めて、薬を使わないと治らないと思っている人がいます。また高齢の方もインフルエンザと言う名前に驚き恐怖している方もいます。恐れるなかれ。昔の名は流行性感冒です。毎年流行ります。太古の昔から。基本的には子供が多くかかります。大人は年の分だけ流行を乗り越えていますのでそれだけ免疫が着き強くなります。

 

 

 

癌でも老衰死できます

2014年01月07日

質問;癌で亡くなる場合と老衰で亡くなる場合の違いはなんですか?

答え;・・・・明確な区別は難しいです。まず自然死にあたる老衰死について知るべきです。老衰の兆候は、元気がなくなります。食事量がだんだん減ってきます。最後は水を少々のみの日が続きます。周囲に無関心になります。寝る時間が増えてきます。「眠るよう」と形容されることが多いです。しかし最後の最期は呼吸が早くなり、荒くなります。これは苦しんでいるわけではありません。癌で亡くなる場合は、いかに上記の状況とかけ離れているかだと思います。

 

質問;うわごとを言ったり、わけのわからないことを叫んだりしています。

答え;冷静に自己分析できる方に聞くと、最期になると、昔の事や思い出が走馬灯のように目の前にでてくるそうです。寝言に近いと思って見守ってください。

 

質問;癌の最期は苦しみますか?

答え;テレビの見すぎです。特殊な場合を省き、だいたいの方は苦しみません。痛みが出ている場合はモルヒネの鎮痛剤でほぼ調節できます。また極度の不安感など精神的なものから痛みが出ます。病気と闘うことも大事ですが、受け入れることも時には大切です。

 

質問;自宅で最期は迎えられますか

答え;自宅にいたいという気持ちがあればどなたでも迎える事が出来ます。当院が全力でお手伝いします。

 

95才男性、胃がんの末期の診断で訪問診療を依頼されました。お腹は硬く食べ物は少量しか入らない状況でした。そんななかでもこたつにこもりながら日々を過ごす毎日。食事も少しずつとれていました。12月に入りほぼ水のみの毎日となり、最後の1週間は寝たきり。自分の肉を使い切り30日にこの世を去りました。人生やり尽くした大往生の称号として老衰とさせていただきました。

 

風邪とインフルエンザ

2013年12月05日

質問;インフルエンザは風邪ですか?

答え;はい。風邪のひとつで、原因がインフルエンザウイルスだということです。昔は流行性感冒と言っていましたね。

 

質問;怖いイメージがありますが?

答え;マスコミが作り上げたものです。10年以上前まではインフルエンザ診断のキットもなく、タミフルなどの薬もなかった時代にも毎年インフルエンザは流行っていましたが、特にインフルエンザの検査をすることも薬を飲むこともなく治っていました。

 

質問;脳症になったり、突然死したりするのが怖いです。

答え;脳症の原因は強い解熱剤を使った場合、もしくはタミフルなどの薬を使ったほうが確率は上がりますので当院では出来れば使いたくないです。突然死もタミフルが原因です。

 

質問;タミフルなどを使うと早く治るのでは?

答え;そう宣伝されていますが実際は、熱が早めに下がる傾向になるみたいですが治ったわけではなくウイルスは体に残っていることが解りました。ですから学校などでは解熱後2日で登校可能だったのが発熱後5日経たないと登校できなくなりました。

 

質問;インフルエンザでもほっておけば治りますか?

答え;身体には自然治癒力があります。自力で治った場合は体に免疫が着くのでその後しばらくはかからなくなります。タミフルなどを使用した場合は体に免疫が着きにくいのでまたかかりやすくなります。

 

風邪をひいて寝込んだ時、健康のありがたさが身に沁みます。予防するに越したことはありませんが、いくら完璧に予防したとしても、必ずいつかは風邪を引きます。なっても治るし、健康のありがたさはわかるし、「たまにはかかってもいいや」とのんきに構えられたら幸せですね。今の世の中そんな余裕がないかな。

 

 

メタボリックシンドローム

2013年11月01日

質問;メタボリックシンドロームについて教えてください

答え;腹囲が男性85㎝以上女性は95㎝以上が認められ、さらにHDLコレステロールが40以下、中性脂肪が150以上、血圧が130以上、空腹時血糖値が110以上のうち2つが当てはまると上記の診断となります。

 

質問;このシンドロームになると何が危険になるのですか?

答え;肥満があり、それに加えてメタボになると動脈硬化が進み「心筋梗塞、脳梗塞になる危険性が高まる」と言われています。

 

質問;予防 または メタボ の診断が下されたらどうすれば?

答え;一般的には「食生活を改善し、運動して、痩せなさい」ということになります。

質問;先生の意見は?

答え;メタボリックシンドロームの診断、予後についての話はおかしいとある医学専門誌では論じております。またそれには、少し太めの方が長生きするという統計もあります。さらにコレステロールは高めのほうが、「長生きする、脳梗塞になっても重症にならない」と証明されています。また日本人は欧米人に比べて心筋梗塞になる頻度は低く、更に女性に関してはかなり低いというデータがあるからです。

ラジオの健康番組でメタボリックシンドロームになったら大変だと騒いでいました。確かに太っているとなりやすい病気もありますが、痩せていると体力や抵抗力が落ちるという事実もあります。美味しいものを食べるという人生の楽しみも重要です。さらに太り気味の方が長生きするという統計もあります。過度に心配しないで一度しかない人生を楽しみましょう。でも、ほどほどにね。

 

 

肺炎

2013年10月07日

質問;テレビによると死亡原因の第三位が肺炎だそうです。ワクチンがあるそうですが。

答え;「肺炎」のワクチンではなく、肺炎球菌と言う菌に対するワクチンです。

 

質問;具体的に教えてください。

答え;肺炎の原因は大きく分けて二つあります。

一つ目は日常生活でかかる肺炎です。風邪をこじらせてかかる肺炎、またはいきなり肺炎の原因菌が悪さをし、発症するタイプです。この原因の菌の一つが肺炎球菌です。それに対するワクチンがあります。

二つ目は入院中に起こる肺炎です。上記の肺炎とは原因になる菌は異なります。また食べ物を誤嚥(間違って食べ物が肺に入る)して起こる肺炎もあります。

 

質問;肺炎にかからないためにはどうすればいいですか?

答え;肺炎には原因の菌、状況があります。一番肝心なのはご自身の身体の抵抗力が落ちたときにかかるということ。ご自身の抵抗力が普通ならば肺炎にはまずかかりません。例えば風邪気味なのに無理して雨の中肉体労働をするとか、他に持病があるのに無理した労働をしたとかです。何にもしてないのにいきなり肺炎にやられることはありません。

 

質問;では肺炎はなぜ死亡原因第三位なのですか?

答え;体が弱って入院し、誤嚥性の肺炎で亡くなられる方が非常に多いとからだです。

 

「65歳になったら肺炎球菌ワクチンはやっておかないと心配」だと思わせるテレビ広告が目につきます。私の臨床経験では誤嚥性肺炎の頻度が圧倒的に多く、典型的な肺炎球菌の肺炎にお目にかかることはめったにありません。めったに起きないことをさも起こることのようにあおりたてて心配につけこみ自分の商品を売りつける・・霊感商法とあまり変わらない気がします。

 

 

熱中症

2013年09月03日

質問;テレビでは熱中症にならないように水分を摂れと放映してますが、実際なかなか水分を取ってくれません・・。(家族の談)

答え;確かに水分補給は大切ですが、暑さ対策、風通しをよくする、室温を管理する、等のほうが大切です。高齢者は基本的に、体の必要水分量は若い人より少ない、また汗をかき過ぎることは少ないので、ご家族が期待されるように水分を取らないのが一般的です。

 

質問;冷房を嫌います。

答え;冷房の冷気はかなり高齢者の深部に到達し不快を与えるようです。可能であれば直接冷気を当てないように、風は自然な風が理想です。真夏なのにコタツに入っている方もいます。ちょっとビックリ。

 

質問;熱中症対策は?

答え;体温が37度以上になって、少し元気がないなと感じたら、保冷剤などをタオルに巻いてで首の後ろ、わきの下、太ももの付け根などを冷やす、そして水分補給(口から無理な場合は点滴)です。

 

質問;命に関わる状態の目安はなんですか?

答え;体温が上がる(39度以上)、意識が薄れる(呼びかけても応じない)などです。意識がしっかりしていて、体温が37度程度であれば安心です。

 

テレビや雑誌、ネットなどで情報が溢れているお蔭で病気に対しての知識もかなり普及し、情報に振り回され自己判断して心配している方が多くなりました。しかし、テレビなどは小さい事を大げさに言って視聴率をあげるのです。私は病気を専門的に勉強し、大病院で何年も実施し、毎日そのことだけをやっているプロです。なので、もっと私の言う事や体を信じて、安心して楽しく違うことに時間を使って生きてもらいたいなと思います。不安な事があれば、何回でも相談してくださいね。