2015年06月08日

質問;明らかになっている有効な早期発見早期治療ついて教えてください。

答え;血管に血の塊が詰まる病気は早期発見が有効です。心筋梗塞に対する治療、一部の脳梗塞に対する治療、その他の塞栓症など。

片頭痛や痛風発作に対する治療;発作の初期に薬を飲めば発作が軽くなります。

質問;健康診断を受ければ寿命が延びますか?

答え;どうもまだ明らかになっていません。仮説段階です。

 

質問;癌検診も同じですか?

答え;はい。胃癌、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮がん、卵巣がんなどのいわゆる固形がんと言われているものは、残念ながら早期発見が有効かどうかはまだわかりません。早めに見つかって治った人が宣伝されますが、宣伝されない多くの人が早期に発見されてもやはり癌が進行していくようです。結局多くの人が検査をするようになりましたが死亡人数は減っていない状況です。

 

質問;認知症の早期発見はどうですか?

答え;治療薬は何種類かありますが効果は非常に限定的です。大多数の人は進行します。早く見つける事が良い事か疑問です。

 

もし自分の将来の病気の確率が予測できるようになってしまったら、しかし解ったところで運命を変える事が出来ないとしたらどうしますか。癌や認知症などまだ完全に治療法が確立されていないまま、盛んに予測をしていますが、早く知るだけで治らないのでは、単に苦悩が長くなるだけのような気がします。まだはっきりしない医学にすがらず、身体の運命を受け入れて覚悟を決めて毎日精一杯幸せを感じて生きる生き方を選ぶのもまた一つの選択です。

 

 

認知症(痴呆) について

2015年05月08日

今回は 認知症(痴呆) についての一考察。

その1;こだわりが消える

その心は; 私は絶対に呆けたくない、寝たきりになりたくない、などのこだわりから解放され、「老い」を心配しなくなります。

 

その2一人でいても飽きない

その心は; 周囲に無関心になるので、自分の世界に入っていることが多くなります。一人で1日中忙しく誰かと会話したり、仕事したり。しかし逆に関心を引きたくていろんな周囲を困らせるようなことをすることがあります。そこには不安があります。安心させてあげましょう。

その3過度な苦痛が軽減される

その心は;認知症になると、体に対しての過度の関心が薄くなり、痛み、不安などが軽減される傾向があります。そのことから他の病気のための通院をする必要がなくなり、結果として薬も減るようになります。

 

その4笑顔が素敵になる

その心は;一昔前は「恍惚の人」などと言われたように、なにか憑き物が取れたような、わだかまりが消えたような、現世の苦しみから解き放たれたような、そんな感じを受けます。たまにのぞかせる満点の笑顔に遭遇することでしょう。

※認知症になると、なにもかもおしましだという風潮がありますが、見方をかえれば、老いの一部として受け入れ、上手に付き合っていけると思います。

認知能力の落ちた高齢者とうまく接せるための5か条

1:年長者への敬意を示す
2:ゆったりした時間を共有する
3:彼らの認知機能を試さない
4:好きな事、できる仕事をしてもらう
5;情動的コミュニケーション

大井 玄先生の本からの抜粋です。言葉のつながりではなく温かい感情で安心感を持たせてあげればよいのですね。

 

近くの診療所と大病院

2015年04月09日

質問;まだ通院出来るので専門の病院にいくつも通っていますが、少し将来が心配です。

答え;元気な時はいくつも時間をかけて通院出来ますが、大変な時こそ通院は困難になります。将来に備えて訪問診療できる生涯付き合える医師がいると安心ですね。

質問;いよいよ通院するのが辛くなってきました。

答え;自宅に医者が通う訪問診療に切り替える事を考えましょう。医者が自宅に来ることで何かあった時に看護師がかけつける体制や、実際の生活を見る事で生活上必要なリハビリまで指示します。ケアマネージャー(※1)は介護の専門家ですから、医療面については必ず医師と相談してください。

 

質問;今まで通院していた専門病院の医者とはどうなりますか?

答え;残念ながら病院の医者は自宅での状況まで把握することは困難です。何かあったとき(入院や検査などが必要な時)には、かかりつけ医から専門医に連絡してもらうのがスムーズです。

質問;かかりつけ医は、専門的なことがわからないかと不安です。

答え;医学教育で全てを学んでいますのでかなりの部分は対応できますし、必要に応じて専門医を紹介したり、通院していた病院があればその担当医と相談したりして対応しますので安心です。

 

※1;ケアマネージャーとは、自宅改修、ベット・ヘルパーの手配など介護面をサポートします。当院にも付属ケアマネージャーがおります。

 

急に体の状態がおかしくなったらすぐに入院させてもらえるからと言う理由で大学病院、市中の総合病院に通院している方たちがいます。確かに通院患者さんを入院時は優先することはあるかもしれません。しかし大病院の役目は急性期の治療にあり、落ち着いたら地域の診療所で診て行くということがこれからの地域医療です。地域の診療所と大病院が連携を密にして普段は地域の診療所、検査や入院が必要時に大病院というのがこれからの医療の形です。

 

 

健康とは何か

2015年03月03日

質問;ためして○○、○○の健康、たけしの○○ などの健康番組を見た後、「自分の症状は●●病かもしれない」「もし○○病になったら大変だ」と不安になります

答え;365日毎日見たら365個の不安が発生し気が狂いそうになりますね。心配事はかかりつけ医に相談してください。信頼すべきは身近な医者のはずです。

質問;健康診断を毎年受けても不安です。半年に一度と増やしたほうが良いでしょうか?

答え;検診の回数を増やせば寿命が延びるというデータは残念ながらありません。健康診断は未来の予測にはならないです。今現時点が大丈夫という確認に過ぎないのです。

 

質問;健康食品やサプリは何を飲めば良いでしょうか?

答え;健康食品やサプリは医薬品としては「認められない効果の少ないまたは効果の不確かなもの」という定義です。宣伝文句を鵜呑みにしてそれさえ飲めば大丈夫というものは残念ながらないと思います。

質問;私の身体は健康(大丈夫)でしょうか?

答え;朝起きて、お腹が空いている。食事が美味しい。笑顔や幸福感などの日常生活が宜しければ健康です。100才までぴんぴんしていたいと思うあまり、病気におびえ、精神的にストレスを感じると逆効果です。健康は有難がるもので、追い求めるものではなさそうです。

 

刑事事件のテレビドラマを見ると、毎回いろんな重大事件が起きるが実際に身の回りで重大事件に遭遇することはまずない。医療ドラマも似ている。テレビでは毎日いろんな急変が発生するが、実際の現場ではそんなに頻繁には起こらない。癌の最期はのたうちまわってく苦しむことは滅多にない。病院から退院し自宅に帰ってもいろんな合併症が次々に起こり救急対応に時間がかかったら大変だと心配するような大変な事はめったに起きない。ご安心を。

 

 

延命

2014年12月03日

質問;息も心臓も止まっています。人工呼吸、心臓マッサージをしますか?

答え;この問いに「ハイ」とお願いする場合は最近めったに見られません。無意味な延命行為と考える方が増えました。

質問;口から食べることが出来ません。胃に直接管(胃ろう)を入れて延命しますか?

答え;多くの方が迷うところです。胃に管をいれて栄養をそこから入れれば長生きができます。これは明らかな延命行為です。

 

質問;水も飲まなくなりました。点滴して欲しいのですが?

答え;多くの方が迷うところです。点滴ぐらいならと…。しかしご自身の意志で点滴を希望されるというよりは家族が希望されることがほとんどです。これも延命行為では?

 

質問;口から食べることが出来なくなりましたが、僅かの水と栄養ですごさせたいのですが?

答え;結構です。老衰は徐々に食欲がなくなり眠るように最期を迎えます。こういう形がいちばん自然に近い、自分の身体と意志で自分の運命を決められるからです。

質問;ぴんぴんころりが理想なので、延命はしたくありません。

答え;延命はしたくないというのが一般的に多くの方希望しているようです。そのことを主治医にきちんと伝える事が必要です。

 

ぴんぴんころりというのが理想だと世間では喧伝されているようだ。現場でころりと逝ってしまうと何が起こるか。まず家族がびっくりして救急車を呼ぶ。本当に逝ってしまっていると救急隊が判断すると警察を呼ぶ。警察が来るとその家族が容疑者となる。次々に質問、いや尋問が始まる。「そのとき何をしていましたか」と疑いのまなざしが来る。これを経験すると大変不愉快なことになるのだ。また突然の喪失感でしばらく立ち直れない。その点では癌などはゆっくり最期を迎えられるので人生整理が可能です。

 

認知症の効能

2014年11月03日

その1;こだわりが消える

その心は; 私は絶対に呆けたくない、寝たきりになりたくない、などのこだわりから解放され、「老い」を心配しなくなります。

 

その2一人でいても飽きない

その心は; 周囲に無関心になるので、自分の世界に入っていることが多くなります。一人で1日中忙しく誰かと会話したり、仕事したり。しかし逆に関心を引きたくていろんなことをしでかすことがあります。

その3苦痛が軽減される

その心は;認知症になると、体に対しての過度の関心が薄くなり、痛み、不安などが軽減される傾向があります。そのことから通院をする必要がなくなり、結果として薬も減るようになります。

 

その4笑顔が素敵になる

その心は;一昔前は「恍惚の人」などと言われたように、なにか憑き物が取れたような、わだかまりが消えたような、現世の苦しみから解き放たれたような、そんな感じを受けます。たまにのぞかせる満点の笑顔に遭遇することでしょう。

 

認知症になると、なにもかもおしましだという風潮がありますが、見方をかえれば、老いの一部として受け入れ、上手に付き合っていけると思います。

 

身体と頭のバランスが一番大切です。身体が元気で頭の回転が鈍ると「呆け」が目立つようになります。身体が鈍ってきているのに頭の回転が良いと老いを受け入れられずに「うつ」になったり、気がおかしくなったりしてしまう人もいます。極端に呆ける事を恐れずに、体の衰えとともに上手に少しずつ呆ける方が良いかと今は考えています。

 

 

延命

2014年07月08日

質問;口から食べることが出来ません。胃に直接管(胃ろう)を入れて延命しますか?

答え;多くの方が迷うところです。胃に管をいれて栄養をそこから入れれば長生きができます。しかし・・これは延命行為では?自分の運命を自分で決められなくなる可能性があります。

 

質問;水も飲まなくなりました。点滴して欲しいのですが?

答え;多くの方が迷うところです。点滴ぐらいしてほしいと…。しかしご自身の意志で点滴を希望されるというよりは家族が希望されることがほとんどです。これも延命行為では?

 

質問;体調が悪そうなので検査のために入院をさせたいのですが?

答え;検査結果に少しでも異状が見つかれば、たいてい治療を勧められます。また治療のためベッドで抑制されることも多く、寝たきりや、痴ほう症状がでるリスクはありますが、長生きはするかもしれません。これも延命の一つですね。

 

質問;口から食べることが出来なくなりましたが、僅かの水と栄養ですごさせたいのですが?

答え;結構です。老衰は徐々に食欲がなくなり眠るように最期を迎えます。こういう形がご本人にとっては一番無理のない苦痛の少ない、一番自然に近い状態です。周りから強制的に生かされるのでなく、自分の身体と意志で自分の運命を決められるからです。

※今回は高齢者で衰弱している場合を想定した内容です。

 

長生きは美徳ですか?還暦、米寿、卒寿、白寿・・これらはゴールへの通過地点にある給水所みたいな感覚ですか? 途中で亡くなったら、途中棄権として恥ずかしい結果になりますか? 長生きした人にインタビューすると皆ほとんど早く死にたいと言う、または長く行き過ぎたとも言う。いわゆる短命で世を去っていく人々に接すると「長生き」よりも今日一日の中身をしっかりさせたいな、と思う今日この頃です。

 

 

インフルエンザ

2014年02月01日

質問;インフルエンザとはなんですか?

答え風邪のひとつで原因がインフルエンザウイルスだということです。基本的には子供の風邪で、大人はかかりにくいと言われています。

質問;怖いイメージがありますが?

答え;マスコミが作り上げたものです。10年以上前まではインフルエンザ診断のキットもなく、タミフルなどの薬もなかった時代にも毎年インフルエンザは流行っていましたが、特にインフルエンザの検査をすることも薬を飲むこともなく治っていました。

 

質問;脳症になったり、突然死したりするのが怖いです。

答え;脳症の原因は強い解熱剤を使った場合、もしくはタミフルなどの薬を使ったほうが確率は上がりますので当院では出来れば使いたくないです。

 

質問;タミフルなどを使うと早く治るのでは?

答え;そう宣伝されていますが実際は、熱が早めに下がる傾向になるみたいですが治ったわけではなくウイルスは体に残っていることが解りました。ですから学校などでは解熱後2日で登校可能だったのが発熱後5日経たないと登校できなくなりました。

 

質問;インフルエンザでもほっておけば治りますか?

答え;身体には自然治癒力があります。自力で治った場合は体に免疫が着くのでその後しばらくはかからなくなります。タミフルなどを使用した場合は体に免疫が着きにくいのでまたかかりやすくなります。

 

風邪、インフルエンザも含めて、薬を使わないと治らないと思っている人がいます。また高齢の方もインフルエンザと言う名前に驚き恐怖している方もいます。恐れるなかれ。昔の名は流行性感冒です。毎年流行ります。太古の昔から。基本的には子供が多くかかります。大人は年の分だけ流行を乗り越えていますのでそれだけ免疫が着き強くなります。

 

 

 

癌でも老衰死できます

2014年01月07日

質問;癌で亡くなる場合と老衰で亡くなる場合の違いはなんですか?

答え;・・・・明確な区別は難しいです。まず自然死にあたる老衰死について知るべきです。老衰の兆候は、元気がなくなります。食事量がだんだん減ってきます。最後は水を少々のみの日が続きます。周囲に無関心になります。寝る時間が増えてきます。「眠るよう」と形容されることが多いです。しかし最後の最期は呼吸が早くなり、荒くなります。これは苦しんでいるわけではありません。癌で亡くなる場合は、いかに上記の状況とかけ離れているかだと思います。

 

質問;うわごとを言ったり、わけのわからないことを叫んだりしています。

答え;冷静に自己分析できる方に聞くと、最期になると、昔の事や思い出が走馬灯のように目の前にでてくるそうです。寝言に近いと思って見守ってください。

 

質問;癌の最期は苦しみますか?

答え;テレビの見すぎです。特殊な場合を省き、だいたいの方は苦しみません。痛みが出ている場合はモルヒネの鎮痛剤でほぼ調節できます。また極度の不安感など精神的なものから痛みが出ます。病気と闘うことも大事ですが、受け入れることも時には大切です。

 

質問;自宅で最期は迎えられますか

答え;自宅にいたいという気持ちがあればどなたでも迎える事が出来ます。当院が全力でお手伝いします。

 

95才男性、胃がんの末期の診断で訪問診療を依頼されました。お腹は硬く食べ物は少量しか入らない状況でした。そんななかでもこたつにこもりながら日々を過ごす毎日。食事も少しずつとれていました。12月に入りほぼ水のみの毎日となり、最後の1週間は寝たきり。自分の肉を使い切り30日にこの世を去りました。人生やり尽くした大往生の称号として老衰とさせていただきました。

 

風邪とインフルエンザ

2013年12月05日

質問;インフルエンザは風邪ですか?

答え;はい。風邪のひとつで、原因がインフルエンザウイルスだということです。昔は流行性感冒と言っていましたね。

 

質問;怖いイメージがありますが?

答え;マスコミが作り上げたものです。10年以上前まではインフルエンザ診断のキットもなく、タミフルなどの薬もなかった時代にも毎年インフルエンザは流行っていましたが、特にインフルエンザの検査をすることも薬を飲むこともなく治っていました。

 

質問;脳症になったり、突然死したりするのが怖いです。

答え;脳症の原因は強い解熱剤を使った場合、もしくはタミフルなどの薬を使ったほうが確率は上がりますので当院では出来れば使いたくないです。突然死もタミフルが原因です。

 

質問;タミフルなどを使うと早く治るのでは?

答え;そう宣伝されていますが実際は、熱が早めに下がる傾向になるみたいですが治ったわけではなくウイルスは体に残っていることが解りました。ですから学校などでは解熱後2日で登校可能だったのが発熱後5日経たないと登校できなくなりました。

 

質問;インフルエンザでもほっておけば治りますか?

答え;身体には自然治癒力があります。自力で治った場合は体に免疫が着くのでその後しばらくはかからなくなります。タミフルなどを使用した場合は体に免疫が着きにくいのでまたかかりやすくなります。

 

風邪をひいて寝込んだ時、健康のありがたさが身に沁みます。予防するに越したことはありませんが、いくら完璧に予防したとしても、必ずいつかは風邪を引きます。なっても治るし、健康のありがたさはわかるし、「たまにはかかってもいいや」とのんきに構えられたら幸せですね。今の世の中そんな余裕がないかな。