高齢者住宅新聞に掲載されました

2019年11月13日

高齢者住宅新聞に掲載されました。2019/11/6

 

在宅医療の知見 介護で生かす ~最期まで寄り添う体制構築~

 

医療法人社団八心会が運営する上田病院付属の住宅型有料老人ホーム「我が家 中国分」(千葉県市川市、44床)は、利用者に徹底的に寄り沿った介護や管理されている印象をなるべく減らすことに注力。各利用者の人間性を最大限に引き出すことに力を注いでいる。その結果、紹介、口コミによる応募が多く、満室が続いているという。明神康子事務長に話を聞いた。

 

(本文)

ーー施設の特徴は。

明神 施設長でもある上田医院の院長は、本当に地域に根差して、自宅で天寿を全うできる在宅医療を行っており、それと同じことができる施設として、名前も「我が家」としています。住宅型ですが、上田医院の往診医、訪問看護の看護師やリハビリスタッフ、訪問介護のヘルパーなどが24時間体制で対応していますので、ほとんど入院しなくても病院にいるかのように最期まで安心して施設で過ごせます。

ーー八心会グループとして全て自前で行っているわけですね。

明神 そうです。その結果、情報共有がしやすく、何かあってもスピーディに対応できるのが一番の長所です。例えば、院長が在宅で看ている患者が施設に入らなければならない場合や入院しているが一刻も早く入居させたい場合、部屋が空いていれば健康診断書などがなくても直ぐに入居できます。

ーー「我が家」の運営で重視していることは。

明神 利用者の尊厳を守るため、その人の気持ちに徹底的に寄り添うと共に、人間は最期まで生きるという生存能力を持っていますので、その力を最大限に引き出してその人らしく天寿をまっとうしてもらうことです。当施設では、管理のやり過ぎは入居者の人間性を失わせるという事実から、できるだけ管理しないように装います。お腹が空いているので何か食べたい、それなら一緒に作って食べようか、というごく自然な本能を引き出します。

また入居者の能動的な気持を引き出すことにより入居差者間の相互関係が生まれます。これは他の施設では見られない大きな特徴です。入居者とスタッフの目線を同じにして会話をし、そこから昔話に花を咲かせます。車椅子利用者の人を、スタッフは絶対に速く走らせません。

ーーそうした運営を行っていることの効果は。

明神 開設してから7年経ちますが、辞めたスタッフはほとんどいません。仕事は大変でも、やりがいがあるからだと思います。また、当施設では、スタッフが利用者だけでなく、利用者家族とも家族のように接しています。そして極めつけはここでは入居者の旅立ち後、入居者を交えたお別れ会を行っています。家族の希望で葬儀までここで行うこともしばしばです。その満足度は非常に高く、お蔭様で紹介会社を使ったこともなく口コミだけですが常に満室で部屋が空くのをしばらく待ってもらう状態が続いています。