本末転倒の話・・・

2024年12月03日

例えば;頭が痛くなった、血圧測ったら200だった。血圧が上がったせいで頭が痛くなったのですか?

答え;逆です。頭が痛くなった→だから血圧が上がった。

夫婦げんかした。血圧測ったら200だった。血圧があがったから夫婦げんかになった?おかしいですよね。

 

例えば;体調が悪い、それなら、無理して食べれば元気になるよ。

答え;体調が悪い時に食べても受け付けません。吐くだけです。体調が悪い→徐々に体が回復基調に→体がエネルギーを欲してくる→おなかが空く→食べる→元気になる、です。ちょっと難しい話です。食べれば元気になる、ではなく、その前にもう一段階がありそれが重要です。身体が元気になろうとするということです→だからおなかが空く→だから元気になる、です。悪い時に食べても元気になるどこらか悪影響を及ぼします。

 

例えば;大股で歩けば認知症の予防になる、水を飲ませれば認知症の予防になる

答え;認知症になるとその結果小股になるのです。水を飲ませようとする人間と人間の関わり合いが脳の活性化につながるのです。水だけ入れれば予防になるなら点滴しても予防になるはずですが、そうはいきませんね。

 

物事の原因を考える時、ついつい目の前にある身近なことに原因を求める傾向を我々は持っています。しかしよく考えてみると原因っていろんな要素が絡み合っていることが多いと思います。細かく分析して、追及する姿勢は科学者などに任せて、我々はもっとおおらかに過ごしていければよいかなと思います。その方がストレス減って楽になる気がしますがいかが?

 

人生100年時代??て言うが・・・

2024年11月03日

例えば;95歳男性、背中は90度に曲がっている。昔は体操選手、80歳台で大車輪ができる程の体力自慢だったが。

答え;「長生きなんてするものじゃないね」「しんどい」が口癖だ。

 

例えば;102歳男性、食事の時なんとかリビングに行って食事するが、それ以外はベッドで寝ている。

答え;長生きの秘訣は?「特にない」と言っている。趣味の読書や音楽鑑賞への興味は卒業。年齢を聞いても「?」。達観しているといえばそうだが、皆が望む100歳なのかは疑問だ。

 

例えば;85歳女性、寝たきり全介助、胃ろうで栄養を。意思の疎通ははかれない。

答え;息子曰く「100歳まで頑張らせる」と言うがちょっと無理そう。

 

例えば;99歳女性、だんだん無口になった。

答え;100歳の誕生日も本人はどこ吹く風、という感じ。その年の冬に他界。

 

例えば;95歳女性、トイレに自力でいけなくなり、30分おきに嫁を呼ぶ。

答え;嫁さんはうつ状態になった。

 

人生100年時代とよく言われているが、私の周りにいる100歳前後の方の大多数が口にする言葉は「長生きはするものじゃない」だ。友達は皆あの世にいってしまって「寂しい」と口にする。身体もしんどいと。中には古き日本の歴史を承継しようと叱咤する方もいるが煙たがれている。100歳目指して頑張るのもよいが、まずは今日1日をどう幸せに過ごすかが大切ですね。感謝も忘れずに

 

振り返り・新型コロナワクチンの効果

2024年10月03日

当初;武漢で新型コロナが発生、そして世界中に広がった。

日本では;世界的に流行っていたのに日本ではほとんど蔓延しなかった。しかしマスコミ、医療関係者は危ない危ないと言って自粛を呼びかけ緊急事態宣言までだして脅かした。

 

ワクチン;2回打てば集団免疫ができて収束すると大々的に喧伝。

効果;2回打っても感染の波は収まらずに、デルタ株の発生で40,50歳台の死者が増加し、そしてまたパニックになった。さらに追加でワクチンを勧めた。

 

ワクチン;感染しないために打て・・から・・感染はするが重症化はしない、と話をすり替えた。

効果;打てば打つほど感染者は増えた。さらに全死亡者数も増え、今年までの累積で30万人以上余計に亡くなる人が増えたと言われている。つまりワクチンを打つと違う病気で亡くなる人も増えるということです。

 

ワクチン;10月から定期接種開始・・

効果無し;あれあれ、3か月しか持たないと追加接種を7回もさせられたにも関わらず感染の波は収まらなかった。それなのに定期接種ってなんですか?流行るのが前提で秋に接種ですか?

今年から始まるコロナワクチンはさらに危険なものになりますので接種はやめてください


インフルエンザのワクチンもおそらく効果は無い。しかしインフルワクチンで亡くなる人はほんのわずか、効果がなくても、罹らないという安心感を与えることはできていた。しかし今度のコロナワクチンは効果がないどころの話ではない。打つと、免疫は落ちる、血栓はできる、DNAを破壊して癌にもなりやすくなる、などなど、もう打ってはいけない代物である。

 

施設における感染対策の効果

2024年09月01日

水際対策;面会時間の制限など

効果;当施設では面会制限は行わなかった。家族等の面会は以前よりは自粛の要素があり減ったが、感染の蔓延が続くとか、感染者が他の施設と比べて多いということはなかった。

 

隔離政策;感染者に対しスタッフは防護服などを着用。非感染者も室内に隔離。常に食事時は黙食、ついたて、等で隔離。

効果;当施設ではマスクの着用(任意)のみを行った。一時期最大で4,5人の発熱者(44人中)が出た時期はあった。無理な隔離政策はとらず、非発熱者は通常通りの生活を行った。当然食事中も楽しく会話。他の施設が10-20人近く一度に発症していた時期でも当施設ではいつもと変りなく生活していただいた。

ワクチン;当時入居していた方は家族希望で数名接種、その他の方は未接種。他の施設では強制的に3回接種した。

効果;感染の蔓延どころか重症化の予防にも貢献していなかった。某施設では接種後に少なくとも3人は急激に状態が悪化し死亡した。

 

定期的抗原検査;スタッフ管理のため発熱時に抗原検査、治癒判定のための検査。

答え;当施設では特に検査は行わなかった。発熱時は休み、解熱後に出勤という体制で臨み、混乱は起きなかった。スタッフの精神的疲労は最小限に留まった。他の施設との差は歴然だった

院長のひとり言

当院では自施設以外に9施設の健康管理を行っている。この4年間で全施設にコロナが蔓延し少なからずの人がお亡くなりになった。感染対策の名のもと利用者は室内に閉じ込められ、食事はドアもとにポン。まるで収容所のようだった。空気も殺伐としていた。一方自施設である我が家は蔓延時にも通常と変わりない生活を行った。運動会までした。日常生活の重要性をあらためて実感した。

 

 

 

理性(数字)は高齢者にとって必要か?

2024年08月09日

質問;規則正しい生活をするのは良いことだと思いますが?

答え;自分の身体の声を聴いたうえでの規則正しい(時間通りの)生活は大切です。しかし例えば老人ホームなどでは、ホームが決めた時間通りに生活させられます。自分のリズムと異なると大変になります。

 

質問;1日の摂取カロリーを決めしっかり食べることはどうですか?

答え;例えば1日1200Kcalと決めたとして、いつか必ず、食べられなくなる時が来ます。ですから今から、決めた量を食べるのではなく、心地よく、おいしく食べられるだけ食べるという習慣に切り替えたほうが良いのです。

質問;血圧は健康の指標になりますか?

答え;なりません。高いから危険だと思われる方が多いですが、違います。落ち着けば大多数の人の血圧は下がります。さらに高齢の方で元気な方は血圧が高めの人が多いですね。

 

質問;健康診断ですべての数値が正常範囲内です。

答え;安心材料の一つにはなります。しかし長生きの指標にはなりません。数値が正常であるかよりも、おいしく食べられて、ちゃんと便が出て、気持ちが健やか、の指標を大切にしてください。

 

院長のひとり言

今の社会ってかなりの部分が数値化されています。学力は偏差値、運動能力も数値化、社会人生活では売り上げにどれだけ貢献したかで数値化、健康診断すればすべて平均に入らないといけない。ところで我々が機械と違うところ、心の部分はどうなのでしょう?心、気持ち、気分、は数値化できません。心がないがしろにされているから数値が良くても心地よくないのではないかと思う今日この頃です

 

 

熱中症とは

2024年07月01日

定義;高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節 機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します・・厚生労働省ホームページより抜粋

 

質問;暑い日外に出てしばらくすると頭が痛くなり、ぼーとしてきます。体温は正常。これは熱中症ですか?

答え;上の定義からすると・・違います。暑さに対しての適応障害ですね。日射病疑い、暑気あたり、と言えばよいですかね。

 

質問;なんでもかんでも「熱中症」としてはいけないのですか?

答え;そう思います。軽症から重症まで同じ熱中症では、みな重症の熱中症を連想してしまい怖がってすぐ救急車をよぶようになります。軽症のうちに自身で対処することをしないといけない

質問;では危険な兆候とはなんですか?

答え;呼びかけても あーうーは言うがちゃんと返事しない

汗が異常に出ていて、赤ら顔、息遣いも荒い

体温が非常に高い・・38度以上とか

 

質問;上記のようにならないための対処方法教えてください

答え;直射を避けて、頭冷やして、水のませて、うちわあおいで、話しかけて、それでも改善しない場合は救急要請をお願いします。

虹は七色と我々は当然思っていると思いますが民族によっては3色のところもあり、逆に9色を色分ける民族もあるそうです。これは色に対する言葉があるということです。色を分けられる言葉あるということが大事だと。現象に対する言葉が細かくあれば、使い分けられるということです。翻って熱中症に関して軽度から重度まで同じ言葉でくくると、分類する能力が低下して重症者を見分けられなくなる恐れがあります。もっと細かく分類してほしいなと思います。

 

 

臨床医の肌感覚 最近変わった事

2024年06月06日

現象1;帯状疱疹になる人が増えた。

解説;テレビ報道でも何度も取り上げられましたね。そもそも帯状疱疹って人の免疫力が低下すると出てくるものですが、これが流行るってどういうことなのでしょうか?国民全体の免疫力が低下したということです。

 

現象2;癌になる人が増えた。

解説;当院に通院されている、健診を含めて、方たちのなかで毎年一定の割合で癌を患う人はいましたが、ここ最近は「え、あなたも」「え。あの人も」と明らかに増えました。

 

現象3;血栓症(血の塊ができて詰まる)になる人が増えた。

解説;いままで血栓症になる(症状が明らかに出る)人って開業医がお目にかかることはまずなかった。しかし最近のある時期から激増した。脳梗塞、脳出血の方も増えましたね。

 

現象4;急速に老衰が進行して亡くなる人が増えた。

解説;老衰って基本的にはゆっくりすすんでいくものでした。今までは。しかし最近は、ある時期から急激に全身状態の低下が進行し亡くなる人(老衰が急激に進行する)が増えた。

 

開業医の肌感覚は敏感です

 

私は訪問診療をしています。車を走らせて、患者さんのいる家を訪問します。その道中は町の風景を眺めながら行くことになりますが、最近、目についたことがあります。若くして麻痺を患い、リハビリ?で道々を歩いている人をちょくちょく見かけます。驚きなのは、乳母車を扱いながら自分も片麻痺状態で歩いている母親の姿を観た時です。これはおかしい。

 


 

薬についてあれやこれや・・vol 2

2024年05月01日

質問;ウイルス感染(コロナ、インフル等)にカロナール等の解熱剤を使用すると早く治りますか?

答え;熱は下がることはあります。しかし解熱剤で下げた熱は治ったことにはなりません。熱を出してウイルスを退治する身体の反応を一時休止しているだけなのです。ウイルスが生きていればまた熱は出ます。

 

質問;たくさん薬を飲む、気軽に飲む、ことが何故怖いのですか?

答え;例えば薬による副作用が疑われた場合、たくさん飲んでいると、どれが原因薬剤なのかがわかりません、最後に追加された薬は一番疑わしいですが、長年内服している薬でも突然薬害がでることもあります。また飲み合わせで効果が減弱、長期の服用での身体への影響も心配されます。

 

質問;具体例をあげてもらっても良いですか

答え;例えば、ある種の胃薬を長期に服用すると肺炎のリスクが高くなることが解っています。

高脂血症の薬で免疫力が落ちる可能性があります。

タミフル(抗インフル薬)飲むと突然死の危険度が増す。

抗がん剤の効果?延命するどころか副作用で苦しむ、寿命がかえって縮まる恐れすらあります。

ある種の降圧薬の中に発がん作用が認められています。

などなど

 

私は薬嫌いと言われます。その噂は否定しません。しかし薬を出さない=薬が嫌い、という訳ではありません。薬をしっかり吟味し、ここぞというときにしっかり使う、それも合わせ技(いろんな薬を混ぜて使う)ではなく一本を決めに行く、そんな気持ちです。タイミングが合えば一本決めで拍手喝采、外せば避難轟轟。しかし今は薬より効くもの・・「大丈夫だよ」の言霊の方を磨いています。

 

 

老衰(老化の極み)について

2024年04月08日

質問;老衰とはどういう状態の事を言いますか?

答え;年を重ねていくにつれて身体の機能は低下します。この身体機能の低下がバランスよく全体的に低下していった極を老衰と言います。人の寿命が最期を迎える、「死」に向かう過程と捉えることもできます。

 

質問;老化はいつから始まりますか?

答え; 体の機能は20歳ごろをピークに成長し、それ以降は徐々に衰えていくと言われています。個人差はありますが70歳後半ぐらいから目立つ人が多いですね。

 

質問;具体的な老衰の兆候はどんなものですか?

答え;大きく分けて以下のことが特徴です。

1;食事量が減る。食べても痩せてくる。

2;周囲に無関心になる。寝る時間が増える

 

質問;老衰は病気ですか?

答え;老化は病気であると捉え、老化を予防する研究は多数あります。

しかし未だに寿命があり120歳時代が来るとは言われていますが、では120歳の方はどうやって亡くなるのでしょうか?

 

完璧に予防出来たら・・人間は死なない・・オカルトですね

老化は自然現象であると捉えるのが自然ですね


「食べなければ死んでしまう」「食べれば元気になる」って本当でしょうか?一見、本当のように思えますが、実は特に老衰状態にある場合は「死ぬ方向に身体が向かっているから食べなくなる」「身体が元気になりたいと欲していれば食べたくなる」が正解です。だから特に人間の終末においては外から入れる栄養は使えなくなり、自分の肉を燃やしてエネルギーを使います。その結果痩せてきて、枯れていく、これが自然の摂理です。


 

高齢者の「自立」とは ~施設に入れられないために~

2024年03月01日

質問;施設に入る、入れられてしまう原因はなんですか・・?

 

答え;原因その1 病院に入院する。

入院して原因となる疾患が治ったとしても、寝たきり、歩行にも介助が必要、認知症の進行、等により家に帰れなくなります。家にいて治れば家に居られます。

答え;原因その2 排尿、排便の失敗

誰もがトイレに自分で行って用を足したい、という欲求はあります。しかし、おもらしの頻度が増える、途中で転ぶ回数が増えると皆からおむつを勧められます。「嫌だ」と拒否すると、途中で転んで、便、尿まみれになったところを家族に発見され、緊張の糸が切れます。「もう無理、施設だ」と。歩くのが不安定なら、這って、四つん這いでトイレに行きましょう。

答え;原因その3 電話(呼び出しコール)攻勢

家族に電話をかけ、「あそこに連れていけ(トイレも)、あれもってこい、さびしいよ、」等で四六時中電話を掛けすぎると、「もう無理」と思われます。

答え;原因その4 今までやってきた習慣に固執する。

朝は何時に起き、食事は3食、日中の過ごし方、夜はしっかり寝る、等。身体に合わせて変えていかないとなりません。


院長のひとり言

住み慣れた自宅に居たい気持ち、当然です。しかし家族、特に子供さんたちに負担をかけすぎてもいけません。さあどうするか、自分で何とかするしかありません。そのためには今までやってきた習慣、環境を自分の今の身体に合わせていく必要があります。元に戻ろうとする意向が強い(頑張り屋さん)、その気持ちは大切ですが、それに固執する結果、施設行きが早まることもあります。どこかで何かを諦める気持ちも大切ですね。