人生100年時代のリアル

2026年01月01日

例えば;95歳男性、背中は90度に曲がっている。昔は体操選手、80歳台で大車輪ができる程の体力自慢だったが。

現実;「長生きなんてするものじゃないね」「しんどい」が口癖だ。

 

例えば;102歳男性、食事の時なんとかリビングに行って食事するが、それ以外はベッドで寝ている。

現実;長生きの秘訣は?「特にない」と言っている。趣味の読書や音楽鑑賞への興味は卒業。年齢を聞いても「?」。達観しているといえばそうだが、皆が望む100歳なのかは疑問だ。

 

例えば;85歳女性、寝たきり全介助、胃ろうで栄養を。意思の疎通ははかれない。

現実;息子曰く「100歳まで頑張らせる」と言うがちょっと無理そう。

 

例えば;99歳女性、だんだん無口になった。

現実;100歳の誕生日も本人はどこ吹く風、という感じ。その年の冬に他界。

 

例えば;95歳女性、健康自慢だったが、転倒をきっかけに自信を失った。嫁の携帯電話が1日中鳴るようになった。話す内容は毎回ほぼ同じだ。

現実;嫁さんはうつ状態になった。

 

院長のひとり言

人生100年時代が来ると言われているが、どのような状態で100歳を迎えるのか?今の皆さまの思考速度、動作速度が維持されて100歳を迎えることが可能だと信じていますか?私は無理だと思っていますが、可能だとしましょう。すごく元気な100歳、会話も、運動も中年時代並みに可能、そんな方がどんな最期を遂げるのか想像できますか?太陽はゆっくり上り、頂点を迎え、徐々に光が弱くなり沈んでいきます。その100歳の人間様は、突然パタンと・・それともやはりゆっくり沈むのか。老いない人は死の恐怖にさいなまれる気がしますが・・。

 

 

インフルエンザについての一考察

2025年12月01日

質問;熱が出た時インフルエンザの簡易検査をする理由は?

答え:理由1 薬が使える。  理由2 学校が欠席にならない、公休になる 会社を休める 理由3 とりあえず知りたい

質問;インフルエンザだと抗インフルエンザ薬が使えます。

答え;抗インフル薬は。総じて熱を0.7日早く下げる可能性があるだけです。逆にウイルスが身体から出にくくなります。さらには身体にインフルに罹ったという免疫がつき難くなります。だからまた罹り易くなります。薬の副作用も心配です。ですから使わないことをお勧めします。当院では漢方薬をお勧めしています。

 

質問;熱の原因がインフルではない場合は仕事に行きますか?

答え;いいえ、休みます。ではインフルで有ろうが無かろうが休むことになりますね。そうすると検査する利点は学校が公休になるということぐらいですね。

質問;インフルの検査の精度は?

答え:簡易検査は完ぺきではありません。「簡易検査で陰性が出てもインフルの人がいる」という事実を考えると、検査に頼りすぎるのはよくないと考えます。

質問:ワクチンは予防になります?

答え:かなり限定的になります。

 

院長のひとり言

風邪をひくと熱がでて、だるくて、できれば罹りたくないと皆思うところでね。ですが、一方で、風邪は身体の調整作用であることから「風邪を引くと身体が整う」とか「風邪の効用」とも昔からよく言われていますね。熱が出たら、検査だ、薬だ、と忙しい世の中ですが、風邪の時くらいゆっくり身体を休ませて、「健康って素晴らしいな」とありがたさをかみしめる時間も人生には必要だなと思っています。

 

 

専門医療から全人的医療へ

2025年11月01日

質問;全人的医療とは何ですか?

答え;病気だけでなく、その人そのもの、全体を診る。社会環境、生活から、価値観に至るまで見渡して施される医療の考え方です。

提供される医療は、西洋、東洋、代替療法、などいろいろ組み合わせ可能、さらに

病気だけを診るのではなく、社会環境、生活から、価値観までも見据えた全人間的な視点が必要になります。

 

質問;各分野の専門医療をすべて注ぎ込めばよいのでは?

答え;専門医療は部分的な治療に留まり、部分を合わせても全体になりません。全人的医療では本人にとって大切なものを選択して統合し、重複診療を防ぎ、費用負担も軽減できます。根本的な原因に寄り添うことができ、結果的に自然治癒力も高める可能背があります。

質問;どうすればよいのですか

答え;お任せください。当法人では看護師、ケアマネ、リハビリ、介護士が在籍し、全人的なアプローチでその人に合ったものを選択、統合して、自宅で長く、安心して暮らせるようにお手伝いします。

院長のひとり言

専門家からのアドバイスは非常に役に立つことは言うまでもありません。しかし難しくて分からないことや疑問など気楽に聞ける身近な主治医(全人医療をしてくれる医師)がいたら安心ではないですか?「あの専門医の話はこれこれこういうことですよ」と嚙み砕いて説明してくれる先生!そんな存在になりたいなと思っています。

 

 

老人ホームに入るきっかけ

2025年10月01日

パターン1本人が老人ホームに入りたいと考えた時

想像;この場合、健常者が入るホームが多いですね。食事が出て、趣味のクラブがあって、健康相談や医療設備が併設されているところもありますね。仲間も増えます。

注意点;介護が必要になった、認知症が目立ってきた場合には、介護棟という別棟の施設に移動するケースが多いです。健常時のホームがどんなに豪華絢爛でも介護棟は普通の老人ホームです。しかも仲間とはお別れです。

 

パターン2家族が「もう家では限界」と感じる時

より詳しく;尿や便の失敗が目立ってきた時

家族に何回も電話をする、呼びつける、等

認知症症状の悪化、徘徊など

もし家に居たいのなら;トイレに自力で行くことを頑張る人が多いですが、我慢せず、おむつに早く慣れることができればよいですね。携帯電話はいつか凶器に変わります。止める勇気が必要です。

 

パターン3;入院をきっかけに生活レベルが落ちた時

詳しく;骨折して入院、肺炎で入院、等々。病院のスタッフから家では無理ですねと言われることも多いですね。しかし寝たきりでも家で過ごせる人もいるので、家に居たいなら相談に乗ります。

院長のひとり言

「どうなったら老人ホームに入らないといけないのですか」「入る線引きみたいのはありますか」と聞かれることが度々あります。寝たきりでも一人で過ごせる人もいますので、家族が入れたい、本人が入りたいと思った時がその時です。家に居たい気持ちが強ければ、それに沿って援助ができます。工夫すれば家に居られることも多いのです。本人の気持ち、家族の気持ち次第でいろいろ変わります。

 

 

施設における感染対策の効果

2025年09月01日

水際対策;面会時間の制限など

効果;当施設では面会制限は行わなかった。家族等の面会は以前よりは自粛の要素があり減ったが、感染の蔓延が続くとか、感染者が他の施設と比べて多いということはなかった。

 

隔離政策;感染者に対しスタッフは防護服などを着用。非感染者も室内に隔離。常に食事時は黙食、ついたて、等で隔離。

効果;当施設ではマスクの着用(任意)のみを行った。一時期最大で4,5人の発熱者(44人中)が出た時期はあった。無理な隔離政策はとらず、非発熱者は通常通りの生活を行った。当然食事中も楽しく会話。他の施設が10-20人近く一度に発症していた時期でも当施設ではいつもと変りなく生活していただいた。

ワクチン;当時入居していた方は家族希望で数名接種、その他の方は未接種。他の施設では強制的に3回接種した。

効果;全施設でコロナは蔓延し、死者も出た。つまり感染の蔓延どころか重症化の予防にも貢献していなかった。驚くべきは某施設では接種後に少なくとも3人は急激に状態が悪化し死亡した。

 

定期的抗原検査;スタッフ管理のため発熱時に抗原検査、治癒判定のための検査、早期発見して隔離する政策。

答え;当施設では特に検査は行わなかった。発熱時は休み、解熱後に出勤という体制で臨み、混乱は起きなかった。スタッフの精神的疲労は最小限に留まった。他の施設との差は歴然だった。

 

院長のひとり言

当院では自施設以外に9施設の健康管理を行っている。コロナ渦時、全施設にコロナが蔓延し、少なからずの人がお亡くなりになった。施設の空気は殺伐となり、この環境の変化で亡くなる方もいた。一方、自施設である我が家は蔓延時にも通常と変わりない生活を行った。感染対策は無駄だと確信した。そして日常生活の重要性も再確認した。

 

 

プラセボ効果とは

2025年08月01日

質問 プラセボ効果 とはなんですか?

答え 自然治癒力に作用するある種の精神的なです。

 

質問; 具体的にはどんな力ですか?

答え; 例えば、痛みに対して「これは効く薬ですよ」と小麦粉の丸薬を渡すと3割ぐらいの患者さんは本当に痛みが軽くなってしまうということがあります。これを薬のプラセボ効果といいます。他には、信頼している医師に治療してもらうと治りが早いなどもプラセボ効果のひとつです。

質問; マイナスに働くことはありますか?

答え; あります。同じ薬でも信頼のおけない医者から出してもらった薬が効かないということがあります。また治療を受ける側にマイナスイメージ(本当に治るのか不安、副作用が心配)があると治り方が遅いということも実証されています。(ノセボ効果)

 

質問; プラセボ効果を強めるにはどうすればよいですか?

答え; どんなに些細な事、わからないこと、不安に思うことがあれば質問していただければと思います。疑問、不安がなくなり、信頼関係が強まれば、プラセボ効果は高まります

 

院長のひとり言

人工知能が発達して人間より賢くなったとして、その知能体を全面的に信頼することができるのか?信頼を生む土壌は、その人の人柄、背後にある哲学、そして周りの環境(伝統文化、習慣等)が重要になってきますが、知能体はどうふるまうのだろう?私は今のところ懐疑的です。

 

 

軸を患者さん、利用者さんに

2025年07月01日

質問;病院に行くと毎回検査をしますが私の病気のためには必要なのですか?

答え;必要な場合も当然ありますが、病院の利益のために検査している側面も目立ちますね。

質問;介護業界はどうですか?

答え;介護業界は株式会社が中心です。効率よく利益を最大限上げるのが仕事です。人間らしい側面、例えば、世間話をする、わがままを聞く、などの行為は非効率となり無駄になります。

 

質問;患者さん、利用者さんの事を考えてのことではないですか?

答え;医療に関しては、データだけに捕らわれ、数値の正常化のための医療になっている。数値が正常値からはみ出ると薬が出る。介護においても効率を重視し、うるさく騒ぐと(介護する側が大変だから)薬で眠らせると効率が上がる。食べる以外はじっとしていてもらうのが効率的になる。効率よく管理する事は本人のためではないですね。

 

質問;管理はいけないことですか?

答え;いけないことではありません。しかし行き過ぎると、物を扱うような態度になり、結果、人間性を無視するようになる、ということが看過できないということなのです。私は管理されたくないのでわがままに生きます。

 

院長のひとり言

「その人のためにはどうしたらよいか」という視点から考えていない人たちが多い気がします。困っている人を助けている自分が主人公で、主人公が疲れていたら助けないし、主人公が大変になったら見捨てるし、主人公が煩わしいと思ったら黙らせるように仕向ける。一見同じように見えても軸が違うのでわかっちゃうんです。

 

 

「健康情報」 についての一考察

2025年06月01日

質問;気になる症状をグーグル先生に訊くと、「自分の症状は●●病かもしれない」「もし○○病になったら大変だ」と不安になります

答え;ネット情報は一番危ない病気に誘導される恐れがあります。気が狂いそうになりますね。また病気の事を知れば知るほど不安が募るという皮肉な状態になりますね。

質問;健康診断を毎年受けても不安です。半年に一度と増やしたほうが良いでしょうか?

答え;健診の回数を増やせば寿命が延びるというデータは残念ながらありません。健康診断は未来の予測にはならないのです。今現時点が大丈夫という確認に過ぎないのです。

 

質問;健康食品やサプリは何を飲めば良いでしょうか?

答え;健康食品やサプリは医薬品としては「認められない効果の少ないまたは効果の不確かなもの」という定義です。宣伝文句を鵜呑みにしてそれさえ飲めば大丈夫というものは残念ながらないと思います。

質問;私の身体は健康(大丈夫)でしょうか?

答え;食事が美味しい、ちゃんと便が出る。そして笑いがある日常生活があれば健康です。些細なデータ異常や、病気におびえ、精神的にストレスを感じると逆効果です。体調について考えていない時の方がかえって健康な時ではないかとさえ思います。

 

院長のひとり言

「知る」ということは残酷です。未来を少し予測でき、そして責任が生じます。知った後に「どうすればよいのですか?」と尋ねられることがあります。これに耐える精神力が必要になりますね。そして決断しなければなりません。しかし「知らぬが仏」の方が幸せだったりします。

 

 

「痛み」 についての一考察

2025年05月01日

質問;抽象的な質問ですが「痛み」とはなんですか?

答え;「痛み」とは人間の持つ「知覚」の一つです。この知覚の意味は大きく分けて二つあります。

1:危険を察知し、それ以上母体に損害を被らないために送る脳からの指令 手で木に触りとげに刺さって「イター」となって手を引っ込める・・・・等

2:被った損傷を治すための物質を傷口に送る掛け声的な要素

痛みを感じなければ傷口に修理物質が集まらない。糖尿病の人で知覚が麻痺している人は傷が治り難い・・等

 

質問;小さな傷なのにものすごく痛がる人、痛みの場所がよくわからないのに痛がる人、鎮痛剤が効かない人、がいますがどうしてですか?

答え「痛い」は様々な精神的な要因でも増幅します。

1:痛みに意識を向けると増幅します(カメラの望遠レンズの如し)

2:居たくない環境に晒されると増幅します(かえり・・いたい)

3:寂しいと増幅します(あい・・・いたい)

4:すごく痛かった過去、辛かった過去を思い出すとそれがよみがえります。

5;生きたい気持ちが強いと増幅します(いき・・いたい)

6:ちょっと触っただけで「痛い」と叫ぶ(ほおっておいてもらい・・・いたい)

痛みは複雑です。鎮痛剤を増やしても効かない痛みがあります。その人の痛みをよく観て、わかってもらい・・いたい・・痛みには耳を傾け、できるだけ環境を良くして、痛みばかりに気をとられないように、距離感も図りつつ、痛みに対処していきたいなと、思う今日この頃です

 

人間の最期に起こる現象

2025年04月27日

質問;人間の最期「死ぬ」前に、なにか前触れ現象はありますか?

答え;予兆はある人がほとんどです。

 

質問;具体的に教えてください。

答え;1 食べても痩せてくる。食事の量が減る。外から採る食事ではなく、自身の肉や脂肪を燃やして過ごすようになります。

答え;2 物事に関心がなくなってくる。趣味に興味を失い、習慣が崩れてくる。呆け(惚け)る現象も旅立ちの前触れととらえることもできます。

答え;3 いろんなものを出していく。溜まっていたものを吐き出す。今まで抑えてきた感情、思い、等も。 性格が変わったように見える場合もあります。いよいよの段階になると大量の便や尿も出ます。高熱が出ることもあります。

答え;4 呼吸が荒くなります。超高齢者の場合は呼吸がゆっくりとなり徐々に回数が減ってくる人もいます。

 

質問;いつ頃から始まるのですか

答え;答え4は最期の段階の話です。1-3はひとによります。癌を患っている方は最期の1か月階段を駆け下りるように変化します。

 

人間の最期は苦しみますか?とよく訊かれます。自身の人生を振り返り、辛いことがいっぱいあったのならそれを思い出すかもしれません。しかしそんな過去も吐き出して楽になって旅立つものだと、私は今、考えています。私は5千人近くお看取りさせていただいて、ほとんどの人が安らかに幸せな気持ちで最後を迎えているように感じます。