「90歳で気づいた“寄り添う”ということ ― 夫婦が取り戻した穏やかな時間」

2026年01月22日

「僕の対応が悪かったんだと思うんです」

そう話してくださったのは、90歳のご主人でした。

奥さまは、長い闘病の末に在宅での療養生活を選択されました。
医療的ケアが必要な状況の中で、日々を一緒に過ごすご夫婦。
しかしある時期から、ご主人の苛立ちが強くなり、関係がぎくしゃくしていきました。

「どうしていいかわからない」
「何をしても否定してしまう」

訪問時にじっくり話を重ねる中で、ご主人はご自身の気持ちと向き合われました。

そして、ある日を境に変わったのです。

奥さまの希望を、否定せずに受け止める。
欲しいと言われたものを、一緒に探して用意する。
「そうか、そうか」と、まず受け止める。

すると、奥さまの表情が変わりました。

穏やかな笑顔が増え、会話も増えました。

「寄り添うって、こういうことだったんですね」
その言葉を聞いたとき、私たちナースの胸も熱くなりました。

人は、何歳になっても変われる。
そのことを、教えてもらった出来事でした。

 

市川市 医療法人社団八心会 上田医院付属 訪問看護ステーションすみれ