最期はどうなるの?

2014年10月28日

最期はどうなるんでしょう?

弱っていくご主人を見ながら、まだ大丈夫。でもこの先は…と不安な胸の内を打ち明けてくれました。

そうですよね。この先必ず旅立ちの時が来ます。

それは毎日の延長線上にあって、いつか訪れます。
最初は少しずつ食べる量が減ります。そして少しずつ飲める量も減っていきます。
起きている時間やお話しできる時間も少しずつ減っていきます。

それは誰にも止める事が出来ない事です。無理に食べさせると時には体が拒絶し、吐いたりすることもあります。 ご本人様を苦しめる事になります。

ご本人様は、寝ている間に夢を見たりしていると言われています。
奥さまの声を夢うつつに聞いているとも言われています。
意識がないようでも、最期まで聴覚や触覚はあると言われています。
声掛けやお手当て(スキンシップ)を心がけると安眠できるそうです。

病気などによりいろいろですが、一般的には眠りにつくように静かに逝ってしまう事がほとんどです。

そうですか。安心しました。奥さまはそう言ってご主人を愛おしそうに見つめていました。

 

肺がん末期

2014年09月10日

肺がん末期と宣告された彼の決断したことは、

「最期まで普通の生活がしたい」でした。

一般的には癌が発見されると、抗がん剤などの治療が始まります。
その生活は一変し「癌を治療するための生活」が始まります。
通院したり入院したりしながら、癌や抗がん剤の副作用と闘う毎日を過ごします。
でも彼は一切の治療を拒否し、今まで通りの生活をつづけました。

そして、治療を拒否し続けて2年。
徐々に寝る時間が増え、徐々に食べれなくなりました。
いよいよ最期の時が近づいてきたのかもしれないと言う事で、訪問診療を依頼しました。

食事は摂れなくなっても、最期まで大好きなビールを飲みました。
幸い痛みもなく苦しむこともなく静かで穏やかな最期の時間を過ごせました。

ある日「私もあと2日で死ぬ。」と言い、会いたい人を呼び寄せてお別れをしました。
そして予告した通りではなかったのですが、4日目に他界されました。

したい事を最後まで貫いた生き方は何よりも素晴らしいと実感しました。

 

市川市にある上田医院では、在宅でのお看取りのお手伝いをしております。
ケアマネ(ヘルパーを頼んだり)や看護師やリハビリなど幅広い角度から支えていけるよう体制を作っております。

最期に ありがとう

2014年06月05日

わがままな人でした。そう思いながら看病していました。
この人は私の苦労なんてちっともわかってくれないまま逝ってしまうんだ。

そんなある日、少し神妙な顔で、紙と筆を持って来いと言いました。
なんだろうと思い、渡すと主人はこう書いたのです。

「ありがとう ばーちゃんが心配だ よろしくたのむ」(ばーちゃんとは私のこと)

その紙を見てびっくりしました。そして今までの苦労が全て報われたように感じました。
口では最期まで威張っていたけど、心の中は感謝でいっぱいだった…。
長い間夫婦として傍にいたけど、全然気づかなかった…。
そして、最期に自分の身体より、私の事を心配してくれていた…。

私はその日、心から感謝しながら看病することが出来ました。

次の日の朝、主人は眠るように亡くなっていました。

 

市川市にある在宅支援診療所 上田医院 はお家での最期、看取りをお手伝いしております。
お宅にお邪魔して寄り添ってお手伝いしていると、いくつもの感動に出会います。

ご冥福をお祈りいたします…。

 

ぎゅっぎゅっぎゅっ

2013年09月03日

話が出来なくなって意思表示がなくなって数日たっていました。
もう、意識はないと思っていました。

主人の顔を見ながら、手を握っていました。ふと、
ぎゅっ
手に力を入れてみると、ぎゅっと握り返してくれたのです。

まさかと思って
ぎゅっぎゅっぎゅっ
手に力を入れてみると、今度はぎゅっぎゅっぎゅっと握り返してくれたのです。

その夜、主人は息を引き取りました。

最期に主人は私に確かに何かを伝えてくれました。暖かい、ぎゅっ、でした。

奥さまは、そんな事を語ってくれました。

 

市川市にある在宅支援診療所の上田医院では、在宅での最期を安心して過ごせるようにお手伝いしております。

看護師求人

2013年08月15日

新しい訪問看護師さんが、月曜から金曜まで毎日午前中来てくれることになりました

けれど、妊娠したため、一人お休みに入ることも決まりました。

 

車通勤可、子連れ出勤可、社会保険完備です

ブランクありで自信のない方も簡単なお仕事からあります

ターミナルなどのエキスパートを目指している方には、直接医師の指導が受けられます

Wワークでちょこっと地域医療に関わりたい方も宿直で稼ぎたい方も

ぜひぜひお待ちしております

もしお知り合いにいらっしゃいましたら、お声をかけてくださいませ

よろしくお願いいたします

納涼会

2013年06月28日

今年も市川おいどんで納涼会を行いました!

今回の出席者は70人でした。

上田医院、訪問看護ステーションすみれ、ケアプランすみれ、デイケアすみれ、デイサービスすみれ、ヘルパーすみれ、福祉用具すみれ、有料老人ホーム我が家中国分と8事業所のスタッフが一度に集まる年2回の飲み会です。

写真に入りきらなかったスタッフのみなさんごめんなさい。次回は真ん中で写ってくださいね!

 

<看護師求人のお知らせ>自宅看取りに共感できる看護師さん募集しております

最期の「いたい」

2013年06月15日

上田医院は市川市で在宅での看取りをしています

 

「お父さんが痛いからずっとさすってくれって言うんですけど、、、」

ある日患者様の娘さんから夜中に電話がありました。

痛みなら薬でかなりコントロールすることは出来ますが、きっと寝てしまうでしょう。この時の患者様の状態から診ると、「痛い」より、娘と一緒に「いたい」傍にいて欲しいという風に聞こえました。そして薬はあえて使いませんでした。

 

そして一晩、娘は寝ずにお父さんをさすってあげました。

そして翌朝、お父さんは眠るように他界しました。

 

娘は、お父さんの「痛い」は「一緒にいたい」だったと思う。「最後に一番してほしいこと」をしてあげることが出来て良かった。

もう2度と「いたい」と言えなくなったお父さんの隣で泣きながら話してくれました。

 

ご冥福をお祈りいたします。

がん放置療法から見えてきたこと

2013年06月13日

近藤誠先生(慶応大学医学部放射線科講師)の「がん放置療法から見えてきたこと」という講義を日本赤十字看護大学で聞いてきました。

手術や抗がん剤の積極的な治療に対して、放射線や鎮痛剤などの身体に負担の少ない温存療法という手法があります。温存療法をざっくり「放置療法」と言っているようでした。

講義の中で印象的だったのは、

①がんには本物の「がん」と転移せず心配のない「がんもどき」がある

②がん検診はする必要がない。(本物のがんなら、検査で発見した時点ですでに、検査ではわからない小さながん細胞が転移しているはず)

③がんもどきは「治療の必要はない」本物のがんなら「治療しても無駄」

結論:がんは検査をしないほうが良い!症状が出てきたら病院に行って、温存療法を含む緩和ケア!

詳細は近藤誠先生の単行本「がん放置療法のすすめ」を参考にしてくださいね

 

※緩和ケアとは、

  • 痛みやその他の苦痛な症状から解放する。
  • 生命(人生)を尊重し、死ぬことをごく自然な過程であると認める。
  • 死を早めたり、引き延ばしたりしない。
  • 患者のためにケアの心理的、霊的側面を統合する。
  • 死を迎えるまで患者が人生をできる限り積極的に生きてゆけるように支える
  • 患者の家族が、患者が病気のさなかや死別後に、生活に適応できるように支える
  • 患者と家族のニーズを満たすためにチームアプローチを適用し、必要とあらば死別後の家族らのカウンセリングも行う。
  • QOL(人生の質、生活の質)を高めて、病気の過程に良い影響を与える。
  • 病気の早い段階にも適用する。延命を目指すそのほかの治療(例えば化学療法放射線療法など)を行っている段階でも、それに加えて行ってよいものである。臨床上の様々な困難をより深く理解し管理するために必要な調査を含んでいる。

 

病院では無理な事

2013年05月12日

上田医院は市川市にある在宅支援診療所です。ここでは、在宅での看取りをしています。最後を白い病室でなく、住み慣れた自宅でと思う方の支援をしています。

慢性呼吸不全(肺病)で、経口接収不可能(口から食べれない)と判断され、経鼻胃管(鼻から胃まで管を通し栄養を入れる方法)で「最後は自宅で」と入院先から帰宅してきました。経鼻胃管を嫌がるので病室では手にミトンをはめられ管を抜かないように抑制されていました。

そこで、まず自宅では思い切ってミトンと経鼻胃管をはずしました。そしてゆっくりと口から食べるよう指導していきました。久しぶりの「食べ物」を嬉しそうに、幸せそうに味わっていました。そこから生きる力も湧いてきて会話も出来るようにまでなりました。ご家族は、入院してた時には想像できなかった姿だと感動してくれました。

退院して1か月、余命通り他界しましたが、最期に自宅で人間らしく、自分らしく過ごした時間はこれからも残されたご家族にとって素敵な思い出として残ると思います。

ご冥福をお祈りいたします。

病は気から

2013年02月05日

市川市で在宅で過ごしているガン末期の方をたくさん診させていただいています。

 

先日、乳がんの末期の患者様がご自宅で他界されました。

一人暮らしの生保50代独身女性の方でした。一般的には、乳がん末期と診断されると、激しく落ち込み、私たちは精神的ケアに一番時間を使うのですが、この方は幸い精神疾患もあり、癌であることも病院に行くことも薬を飲むこともすぐ忘れてしまうのです。そして朝からお友達を呼んでお酒を飲んで楽しくやっているような方でした。電話もないので約束の時間に訪問したらいなかったりと、いろいろ困らせてもくれました。(笑)

だからだと思います。医者から宣告された余命も関係なく生き、泣くこともなくおもしろおかしく周りをなごませ、改めて気持ち次第ではこんな癌末期の生活も可能なんだなと「気持ちと身体」の関係を考えさせられました。そしてある日、訪問したら息をしていませんでした。

5年近く訪問していたので、淋しくなりますが、思い出すと心が温かくなるような、そんな生き様を見せてくれました。ありがとうございました。ご冥福をお祈りいたします。