『老人ホーム 我が家 中国分』~いつまでも家族です~

2016年06月30日

去年の6月に我が家でご逝去された方のご家族様から、一周忌にと花束を頂きました。

その方らしい、とても立派で素晴らしい花束でした。

時々、我が家には、ここでお亡くなりになったご家族様が、私たちに会いに来てくれます。当時の話に花を咲かせたりと、元気な様子でお会いする事ができ、嬉しい限りです。

「寂しくて、つい来ちゃった!」「元気をもらいにきたわ!」「ここは第二の我が家です。また来ます!」と嬉しくなる言葉を沢山頂きます。逆にこちらが元気をもらっています。

ご家族の中には、帰る際、「いってきます!」来られたときは「ただいま!」と言ってくれる方もいらっしゃいます。

 

千葉県市川市にある有料老人ホーム『我が家 中国分』は在宅支援診療所の上田医院が運営しています。ここでは、いつまでもみなさん家族です。みなさんが来たくなる、安心できる空間でありたいと思います。



週刊朝日に「自宅看取り件数の多い診療所リスト全国上位100」

2015年07月09日

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

週刊朝日に「自宅看取り件数の多い診療所リスト全国上位100」という記事内に上田医院が掲載されていました!

しかし、残念な事に、数字が全く違いました。

実際は、「合計患者数」2400人「死亡患者数」166人「自宅死亡者数」148人「自宅看取り率」89%

と全国でもかなり上位に食い込む結果となっていました!!

 

最期はどうなるの?

2014年10月28日

最期はどうなるんでしょう?

弱っていくご主人を見ながら、まだ大丈夫。でもこの先は…と不安な胸の内を打ち明けてくれました。

そうですよね。この先必ず旅立ちの時が来ます。

それは毎日の延長線上にあって、いつか訪れます。
最初は少しずつ食べる量が減ります。そして少しずつ飲める量も減っていきます。
起きている時間やお話しできる時間も少しずつ減っていきます。

それは誰にも止める事が出来ない事です。無理に食べさせると時には体が拒絶し、吐いたりすることもあります。 ご本人様を苦しめる事になります。

ご本人様は、寝ている間に夢を見たりしていると言われています。
奥さまの声を夢うつつに聞いているとも言われています。
意識がないようでも、最期まで聴覚や触覚はあると言われています。
声掛けやお手当て(スキンシップ)を心がけると安眠できるそうです。

病気などによりいろいろですが、一般的には眠りにつくように静かに逝ってしまう事がほとんどです。

そうですか。安心しました。奥さまはそう言ってご主人を愛おしそうに見つめていました。

 

肺がん末期

2014年09月10日

肺がん末期と宣告された彼の決断したことは、

「最期まで普通の生活がしたい」でした。

一般的には癌が発見されると、抗がん剤などの治療が始まります。
その生活は一変し「癌を治療するための生活」が始まります。
通院したり入院したりしながら、癌や抗がん剤の副作用と闘う毎日を過ごします。
でも彼は一切の治療を拒否し、今まで通りの生活をつづけました。

そして、治療を拒否し続けて2年。
徐々に寝る時間が増え、徐々に食べれなくなりました。
いよいよ最期の時が近づいてきたのかもしれないと言う事で、訪問診療を依頼しました。

食事は摂れなくなっても、最期まで大好きなビールを飲みました。
幸い痛みもなく苦しむこともなく静かで穏やかな最期の時間を過ごせました。

ある日「私もあと2日で死ぬ。」と言い、会いたい人を呼び寄せてお別れをしました。
そして予告した通りではなかったのですが、4日目に他界されました。

したい事を最後まで貫いた生き方は何よりも素晴らしいと実感しました。

 

市川市にある上田医院では、在宅でのお看取りのお手伝いをしております。
ケアマネ(ヘルパーを頼んだり)や看護師やリハビリなど幅広い角度から支えていけるよう体制を作っております。

最期に ありがとう

2014年06月05日

わがままな人でした。そう思いながら看病していました。
この人は私の苦労なんてちっともわかってくれないまま逝ってしまうんだ。

そんなある日、少し神妙な顔で、紙と筆を持って来いと言いました。
なんだろうと思い、渡すと主人はこう書いたのです。

「ありがとう ばーちゃんが心配だ よろしくたのむ」(ばーちゃんとは私のこと)

その紙を見てびっくりしました。そして今までの苦労が全て報われたように感じました。
口では最期まで威張っていたけど、心の中は感謝でいっぱいだった…。
長い間夫婦として傍にいたけど、全然気づかなかった…。
そして、最期に自分の身体より、私の事を心配してくれていた…。

私はその日、心から感謝しながら看病することが出来ました。

次の日の朝、主人は眠るように亡くなっていました。

 

市川市にある在宅支援診療所 上田医院 はお家での最期、看取りをお手伝いしております。
お宅にお邪魔して寄り添ってお手伝いしていると、いくつもの感動に出会います。

ご冥福をお祈りいたします…。

 

デイサービスでのお看取り

2014年03月06日

先日、デイサービスで初のお看取りをしました。

ご自宅で老夫婦でなんとかお互いに協力しながらやっていました。

しかし、いよいよご主人が歩けなくなり、食べれなくなり、奥さまも介護する体力の限界を感じて、往診医である院長に相談がありました。

入院しても治療が必要なわけではない、施設に入るには時間が短すぎる、ということから、デイサービスに宿泊したらどうかという提案がなされました。

デイサービスでの生活が始まりました。朝送迎車に乗って利用者さんが来て賑やかになります。デイサービススタッフの面白おかしい会話が聞こえてきます。お風呂などばたばたした雑音とともにそこでの大笑いや最近デイサービスで流行っている「ソーラン節」の歌声などの賑やかな生活音を聞きながら過ごしました。

1週間ほどデイサービスで過ごした先日、すっと息を引き取りました。その時も隣の部屋から「ソーラン節」の歌声が賑やかに聞こえていました。きっとご主人も一緒に鼻歌を歌いながら旅立ったのではないでしょうか。とても良いお顔でした。ご冥福をお祈りしております。

 

※在宅支援診療所の上田医院では、病室での死ではなく日常に近いお看取りをお手伝いしております。看取る自信がない、家で看取りたい、退院させたい、などご相談ください。

 

 

日赤医療センター 緩和ケア研究会 在宅での緩和ケアとターミナルの実際

2014年01月05日

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

さて、我が上田医院の院長も

日赤医療センターで毎月行っている「緩和ケア研究会」の講師を依頼されました。内容は「在宅での緩和ケアとターミナルの実際」です。

http://holy-sky.cocolog-nifty.com/relief_care/

本やメディアで活躍中の立花隆先生や近藤誠先生等に並んでの依頼なだけに、緊張します。

参加料は無料です。お時間があればぜひ!

また、講演が無事終わりましたら、ご報告いたします。

 

幸せな旅立ち

2013年12月25日

八心会では毎月数名の自宅での看取りをしています。

看取りの数だけ、感動の話があります。

死を受け入れると、恐怖もなくなるようです。お迎えの時がわかるようで、その時を静かにおだやかに待っているように見えます。

この方は、お気に入りの服に着替えて、お気に入りの腕時計をしました。孫を呼んで、「おばあちゃんはもう逝くからね。ありがとうね」とお別れの挨拶をしました。

旅立ちは必ずしも悲しいものではなく、感謝と幸せに満ち、人生やりとげた満足感と、先に逝って待っている親や伴侶に会いに行くためのものに見えます。

残される家族は、「淋しい。逝かないで」と泣くのをがまんして、「ありがとう。良い人生だったね」と称えることが出来たら、ご本人様も安心して旅立てるのではないでしょうか。

H25忘年会

2013年12月14日

今年も無事忘年会が終わりました!

夜勤当番の方、ごめんなさいでした。

今年はデイサービスと老人ホームを立ち上げたので一気に仲間(社員)が増えました。まだばたばたしてる感じはありますが、一歩ずつ信頼関係を築きながら進んでいきたいと思っています。出来れば今のメンバー全員が楽しくいきいきとずっとここで働きたいと思える職場にしたいです。出来るかな?皆良いメンバーだから、出来そうだね(笑)

院長の一日

2013年11月19日

朝、全体カンファをすみれの事務所で行います。

そのあと午前中は、上田医院にて外来です。「将来いずれ通院出来なくなっても先生お願いしますね」と言われると嬉しいです。長いおつきあいをしたいです。最期まで責任持って診たいです。

午後は、院長を待っている患者さんのお宅を1件ずつ訪問します。今日は8件、自分で車を運転していきます。好きな曲を聴いたり、つまみ食いなど出来て一人の方が気楽です。

「ぴんぽーん、上田です、お邪魔します、どうですか?」「先生、お待ちしておりました。このところ食欲がなくて…」などとお話が始まります。特に院長が好きなのは過去の自慢話。元気なころの活躍してた自慢話は皆さん楽しそうに話してくれます。その人の身体の状態と同じくらいどんな人間かを把握することも大切です。信頼関係を作り、体調悪化時に備えます。予定通り訪問を数件こなしたら直帰します。

自分の患者は自分で全て把握しています。夜中に呼び出されることもありますが、それはだいたい予想がつきます。呼ばれそうな日は早く寝ます。

人生を丸ごと診てるような往診医は、病院で病気だけを診てた時に比べて、奥が深く、重く、やりがいを感じます。

薬のさじ加減で在宅での生活の質と体調のバランスを診ます。本人や家族への声掛けの指導で気力も生活も見違えます。難しいけど、やめられません。