血圧について;原因か結果か?

2017年05月07日

質問;頭が痛くて血圧を測ったら200もあります。ほかに症状はありません。頭が痛いのは血圧が高いせいですか?

答え;いいえ。ほとんどの場合は 頭が痛くなり⇒自律神経が興奮し⇒血圧が上昇する という具合です。

 

質問血圧を測ると1回目は高くて何回か測ると徐々に下がります。

答え;はい。それは正常の反応です。一番低い血圧がその時のあなたの血圧です。

 

質問;朝 起きて、トイレに行って、慌ただしく身支度して、血圧測ったら160もありました。心配です。

答え; 社会人の朝は大変です。社会という戦場に出かけていくために交感神経を興奮させていきます。その結果血圧が上がります。夜帰ってきて寝る前に、つまりリラックスした状態で血圧が下がっていれば安心です。1日中緊張状態にあること⇒血圧が上がったままの状態が将来の病気を引き起こします。

 

質問;血圧が高いと脳卒中や心筋梗塞になり易いといわれますが。

答え;血圧が高い状態のまま何年も過ぎると動脈硬化が進み上記の病気になる可能性があるということです。

 

ストレス⇒自律神経の興奮状態の持続⇒血圧上昇の持続⇒病気

 

デイサービスなどの介護施設で、利用者の血圧を測り、少しでも高いと「危ない」と騒ぎ、入浴もさせないそうだ。バスでの移動や様々なストレスなどで血圧が上がることは当然予測される。リラックスした環境にさせてあげれば下がることが多いのに・・と思ってしまうが慌ただしく忙しい介護施設での業務で「ゆっくりさせたら」などと言うと叱られそうです。血圧が高いと脅かされ当院に受診し、私が測って「大丈夫」といっても「風呂に入れないので降圧薬を下さい」と言う人が後を絶ちません・・・。

 

 

認知症(痴呆)肯定論

2017年04月07日

その1;こだわりが消える。好きだった趣味に興味がなくなる。

その心は;「この世に未練はない」と言うための準備期間です。プラスに見ていきましょう。「今日は何日、何曜日か」などと聞くよりも過去の美談に花を咲かせましょう。

 

その2一人で居ても飽きない

その心は; 周囲に無関心になるので自分の世界に入って、1日中忙しく誰かと会話したり仕事しているつもりになったり空想していることが多くなります。しかし逆に関係性が稀薄になることにより不安と孤独感が出ることがあります。その場合は人とのかかわりが必要です。デイサービス等を利用して安心を与えてください。

その3過度な精神的苦痛から解放される

その心は;癌や心臓病など、命に直結する病気を患っても過度な心配に陥ることがなく自然体で過ごすことが出来ます。過度な心配は病状を悪化させます。この過度な心配がないことで、特に終末期においては安楽に過ごすことが出来ます。

 

その4笑顔が素敵になる

その心は;一昔前は「恍惚の人」などと言われたように、なにか憑き物が取れたような、わだかまりが消えたような、現世の苦しみから解き放たれたような、そんな感じを受けます。たまにのぞかせる満点の笑顔に介護疲れが癒されることでしょう。

 

私、思いますのは、認知症という状態は、この世(この忙しい現代社会)からあの世(あるのなら)に行くための移行期に見られる現象ではないかと。なぜなら、突然にこの世から去るのは未練がたっぷり。少しずつ忘れていき、現代社会から離れ、いい思い出に耽り、ゆったりとした時間を過ごし、そして旅立つ。そう思えれば認知症に対しての見方が少し前向きになるのではと思う今日この頃です。

在宅医療において「覚悟」とは

2017年04月01日

発言;医師に「どこで死にたいですか」と言われて精神的ショックを受けました。癌を患って入退院を繰り返し10年です。「死ぬ覚悟はできていました」しかし希望に満ちた在宅医療を期待していたのに残念です。それから3ヶ月で亡くなりました。ある有名人(故人)の妻の発言の要約

 

質問;「どこで死にたいですか」は不適切な発言ですか?

答え;「死」について考えたことがない患者さんに唐突にこの発言をした場合はショックを受けるかもしれません。

 

質問;癌で入退院を繰り返している患者さんの場合はどうですか?

答え一度は考えていただいた方がよいと思います。現在日常生活が普通に行えていると思っている方も癌を患っている場合には、ある日を境に日に日に衰えが目立ってくる時期が必ずくるからです。その時どこで過ごしたいかは非常に重要な事です。住み慣れは自宅で過ごすことが一番よいのは勿論です。

 

質問;希望に満ちあふれた在宅医療とは何ですか?

答え;各専門医をそろえ、病院と同じよう医療(延命を目指し)が在宅でできるという希望だとしたらそれは幻想です。「希望に満ち溢れる」のは残り少ない在宅での日常生活を充実して過ごすという希望です。在宅医療は、その生活を心地よく過ごさせるために必要な医療を提供するということです。しかしそのためには「どこで死にたいですか」の質問は必ず必要です。「覚悟」とはそのことです。

在宅医療とは「生活を支える医療です」と言われて「なるほど」とは思えない。足りないものがあります。それは、自宅で過ごす人の終末期を見据えた、そして終末期に寄り添った、つまり同じ方向に寄り添った、はっきりいうと「死」を見据え、肯定し、徒な延命をしない、その時点時点での体に合わせた医療を提供すること、ちょっと長いですがこんな医療が在宅医療だと僕は思います。

 

 

現在の思想から見える終末期

2017年02月08日

発言;早期発見早期治療を重んじています。小さい変化を見つけ早く治療し解決したい。

答え;この考えの行き着く先は過度な検査と、その検査結果に対する不安感にとりつかれ、日々の生活の充実感を見失いやすくなることです。終末期までこの考えが強いと自宅で安心して過ごせなくなる可能性が高いです。人生でもっと大事な事は、ごはんが美味しいとか楽しい一日だったとか、やりたいことがあるとかそんなことですよね。

 

発言;何か(死んでしまうような危険なこと)あったら心配です。

答え万人の心配事です。がしかしこの気持ちが強すぎる場合どうなるか? 精神安定剤を多用するようになります。病気に対する過度な不安は百害あって一利なしです。

 

発言;遺言として「もう治療の望みがない場合の延命は希望しません」

と書きました。「無理な延命を望みません」

答え;延命と一言に言っても引き際がとても難しいです。点滴でさえ延命になる場合が多々あります。体が死に向かい始めると全ての無理な延命は本人にとって苦痛だと言われています。本人が楽に安心して過ごせるような医療が良いと思います。

発言;住み慣れた自宅での看取りを希望します。

答え;当院にお任せください。痛みや不安なく、自宅で残された時間を有意義に過ごしていただけるよう支えて行きます。ノウハウは直接聞いてくださいね。

 

浅草生まれの熊さん。自称技術屋。昔でいう職人。食欲が低下してきたので検査したところ直腸がんの末期状態と診断された。ベッドで寝たきり、点滴治療していたが、引きちぎって強制退院となった。自宅に伺うと「俺はどこも悪くねえよ」と煙草をふかしながらゆったり・・・。トイレ歩行は奥様の介助、食事は水物を少量。ベッドに電気毛布でくるまれ「最新式の炬燵だ」と満足顔。粋な人だなあと感心しきりです。

 

賢い 患者学 医者に言ってはいけない発言集

2017年01月05日

発言;風邪なので風邪薬を下さい。

答え;風邪は一応診断名です。診断をつけるのは医者の仕事です。医者の仕事を奪う発言です。具体的な症状、例えば「喉が痛い」とか「熱がでた」を言いましょう。

 

発言;診察はいらないから薬だけ下さい。

答え医療機関から出る薬は医師の診察を受けなければもらえません。

 

発言;湿布を多く下さい。あちこちに貼りたいので・・。

答え;湿布薬も、れっきとした医薬品です。医師に指示された用法、用量を守りましょう。自分でいろんな所に貼りたい場合は薬局で買いましょう。

 

発言;頭が痛いのでMRI検査をしてください。

答え;検査をする、しないの判断は医師の仕事です。どうしても検査をしてほしい場合には心配をアピールしてください。「先生、脳に何かできていたら心配です」など。「まあしょうがないな」となるか「それぐらいの症状で検査はする必要はない」となるかはそれこそ医師の判断ですが。

 

発言;しろうと診断ですが僕は○○病ではないですか?

答え;「○○病だったら心配です」と言ってください。

 

お客様が神様となり、患者さんが患者様となり、そして患者様がお客様になると、患者様が神様となります。インターネットなどが普及し、情報が溢れ、患者様が知識を身に着けるとどうなるか・・・神様の言う通り(にせよ)という無言の圧量が増します。医師も勉強しなければいけないのは当然ですが、医師には経験があります。経験から学ぶことは重要です。医師の経験から出てくる言葉が信用を勝ち得るように頑張りたいものです。

 

 

 

不安をあおるひとたち

2016年12月05日

質問;肺炎予防にワクチン注射を!

答え;入院して肺炎で亡くなる方の大部分は誤嚥性肺炎です。残念ながら誤嚥性肺炎のワクチンはありません。ワクチンが効くのは肺炎球菌が原因の肺炎だけです。ちなみにデータ上ワクチンを打つと肺炎球菌の肺炎は減るみたいですが「死亡率は変わらない」つまり打っても打たなくても生死には関係ないと書いてありました。ワクチン打っても死因は3位のままです。

 

質問;「隠れ骨折」という言葉!

答え;「年を取ると、いつの間にか背が縮む」これは常識ですが、実はこれがこの「隠れ骨折」です。骨折というと恐怖を感じますが、多かれ少なかれ高齢になるとなります。

質問;インフルエンザは予防と検査と投薬を!

答え;インフルエンザワクチンや診察検査キットや治療薬が開発されたので、さあ病院に行こうと騒がれていますが、実はインフルエンザはちょっと症状がきついけれど風邪の一つです。毎年必ずはやりますし年齢を重ねると免疫が自然につき強くなります。

質問;認知症は早期診断、早期治療を!

答え;認知症の薬が効くのはごくごく一部の特殊な認知症患者で、大半は薬よりも周りの態度や声掛け、生活環境の方が進行予防にとって重要です。ある認知症の患者さんの名言「俺は何も困っていない」って、ある意味本人は幸せかもしれませんね。

 

「インフルエンザはほっておいても自然に治ることを知っていますか」と言うと「え、本当ですか」とビックリされる方が意外にも多いです。薬を飲まないと「死んでしまう」と本気で信じています。私が医者になりたての頃は「風邪で休むなんてお前さぼっとるのか」って怒られていたし、昔からインフルエンザは毎年蔓延していました。安心してください。インフルエンザは風邪の一種です。インフルエンザは怖いという宣伝に負けないで。

 

 

良い医療とはなにか

2016年11月11日

質問;いつも健康でいたいので「眠れない、血圧が心配」などなにかあれば、すぐ病院で薬をもらいたいです。

答え;一見よさそうに見えますが、10個の症状で10個の薬が処方されてしまいます。薬をたくさん飲むことが良い事かどうか総合的に判断してください。

 

質問;健康でいたいので、僅かな異常を見つけるためにすぐに検査をしてほしいです。

答え;機械による検査結果や数値データにこだわる方は多いですが、それよりも自分の身体の調子を自分で感じとれることこそ大切にして欲しいです。

 

質問;現在、いくつかの専門科に通院し、それぞれ薬もたくさんもらっています。最近なんとなく体調不良なのですがどこに受診すればよいですか?

答え;高齢になるとあれもこれも気になりどんどん先生や薬がふえてしまい結局何かあった時に困ってしまいます。全てを相談できる主治医を1人決めて薬や専門病院通院なども含めて検討してもらいましょう。

 

質問;専門医に聞くと、データに異常があるから心配だと言われていますが、特に自覚症状もなくご飯も美味しいです。

答え;その心構えが大切だと思います。多少の異常や不具合があっても自分が健康だと感じられる気持ちが大切です。あくまで治すことに固執すると、治らない不安で心がいっぱいになります

 

「なにかあったら心配」「病気になりたくない」という気持ちがあまりにも強いと、安心して平穏に暮らせなくなります。あまりにも自分や周りの家族が皆心配ばかりしていると本当に病気になってしまいそうです。「なにかあってもその時はその時」と腰を据えて今を楽しむことが出来る方をみると本当に尊敬します。心配は私がこっそりして見守りますから、どうか安心して今を楽しく生活してください。

 

強毒性インフルエンザの対応

2016年10月05日

質問;もし強毒性のインフルエンザが流行した時はどうなりますか?

答え;通常のインフルエンザの対応と変わります。

その1:かかりつけ医、病院には行ってはいけない!

その2;発熱者は「特設の発熱外来」に行く!

その3;外出は基本的には禁止となる

 

質問;発熱外来ではどこまでしてくれますか?

答え;防護服に身をまとった医師が鼻に綿棒を入れ、陽性が出た場合は抗インフルエンザ薬(お勧めはしませんが)を処方されることになるでしょう。

 

質問;陰性だったらまた並び直しをしたほうがよいですか?

答え;おそらく待合は隔離されていないので陰性の人は陽性のひとから感染する恐れがでますのでお勧めはできません。

 

質問;陽性の場合どうなりますか?

答え;重症者は入院します。それ以外は自宅で過ごし外出に制限がかかります。一人暮らしの人は自力で、家族がいる方は家族に看病してもらいます。その場合家族内での感染も懸念されます。ウイルスとの闘いは基本的に自分の免疫との闘いで、今の所、特効薬では重症化を防げません。栄養状態、衛生状態がよい環境で自然治癒を待つしかないと思います。

 

※強毒インフルエンザとは現在のインフルエンザよりはるかに強毒で、日本にはまだ強毒インフルエンザは上陸していません。

まず起きないとは思いますが。強毒性のインフルエンザが流行した場合、普段流行るインフルエンザとの対応とは全く異なる対応を取るよう医療機関は指示されています。「かかりつけの医院や病院には来るな。専門の発熱外来に検査に行け(ただし感染のリスク大)。他人にウイルスを蔓延させないために外出はするな。」となります。インフルエンザと思ったらすぐ来なさい!と言っておきながら強毒性の時こそ不安なのにその時は来るな!だとなんか矛盾を感じますね。

 

医療の方向性

2016年09月01日

質問;医療の方向性とは何ですか???

答え;一つの方向性は 救命、延命を目指す医療です。限りなく「生を追求」します。例えば癌が見つかったら、癌と闘い勝つことを目標にさまざまな治療をします。検査、入院、手術など苦痛を伴う治療も含めて積極的に病気と闘います。いわゆる闘病生活が始まります。皆さまが一般的に思っている医療とはこのことです。

 

質問;ではもう一方の医療の方向性とはなんですか??

答え;死を到達点と受け止め、残された時間の「生活の質」を重点に置く医療、生活・・積極的な医療ではなく痛みを取るなどのいわゆる緩和ケアと呼ばれる医療です。緩和ケアは生活の質を優先します。残っている時間(最期の時間)を自分のやりたいことに使い過ごしていただきます。闘病生活の割合は薄まります。

 

質問;具体的にはどうするのですか?

答え;好きな物を好きなだけ食べる、ゆっくりと自分のしたいことをする。自分の人生の軌跡を回顧する。周りに感謝する。医療的には痛みや不快感を取り除く、検査や薬や通院も最小限にするなどです。

質問;今、どちらか決めなければいけないのですか?

答え;いや、常に両方の考え方を念頭に置き、時が来たら、「えいやっ」と、どちらかに決めてください・・・。

 

鈍平さんの物語です。彼は現在95歳。去年まで約40年以上毎年、某有名病院で健康診断を受けていました。様々な専門家の外来にも通院していました。彼は専門家の先生にいつも確認していました。「僕は何の病気で死にますか?」と。毎年答えは各専門家先生の専門とする「病気だったらうちに来なさい」と。しかし今年とうとう健康診断を止めました。現在、食事量は減り、寝ている時間が増えてきました。私と会うといつも握手しながら話します。「僕は老衰かな」「そのようです」 実話

 

 

熱中症

2016年08月01日

質問;テレビでは熱中症にならないように水分を摂れと放映していますが、実際なかなか水分を取ってくれません・・。(家族の談)

答え;確かに水分補給は大切ですが、暑さ対策、風通しをよくする、室温を管理する、等のほうが大切です。

高齢者は基本的に、体の必要水分量は若い人より少ない、また汗をかき過ぎることは少ないので、ご家族が期待されるように水分を取らないのが一般的です。

 

質問;うちのおじいさんは(おばあさんでもよい)冷房を嫌います。

答え;冷房の冷気はかなり高齢者の深部に到達し不快を与えるようです。可能であれば直接冷気を当てないように、風は自然な風が理想です。

真夏なのにコタツに入っている方もいます。ちょっとビックリ。

 

質問;いわゆる熱中症の対策は?

答え;体温が38度以上になって、少し元気がないなと感じたら、保冷剤などをタオルに巻いてで首の後ろ、わきの下、太ももの付け根などを冷やす、水分補給(口から無理な場合は点滴)、そして換気(風通しを良くする)です。

 

質問;命に関わる状態の目安はなんですか?

答え;体温が高度に上がる(39度以上)、意識が薄れる(呼びかけても応じない)などです。意識がしっかりしていて、体温が37度台程度であれば大丈夫です。

 

我々はいつから自分の本能を信じなくなったのだろう? 今日は気温が上がるのでこまめに水分補給を、今日は寒いから一枚上着を着ろ、〇〇を食べろ、〇〇をするな、とか皆テレビやラジオの言う事を聞いて生活している感があります。もっともっと意志、暑い、寒い、不快など、自分の感覚や本能をもう少し大事にして生活したいものです。