薬についてあれやこれや・・vol 2

2024年05月01日

質問;ウイルス感染(コロナ、インフル等)にカロナール等の解熱剤を使用すると早く治りますか?

答え;熱は下がることはあります。しかし解熱剤で下げた熱は治ったことにはなりません。熱を出してウイルスを退治する身体の反応を一時休止しているだけなのです。ウイルスが生きていればまた熱は出ます。

 

質問;たくさん薬を飲む、気軽に飲む、ことが何故怖いのですか?

答え;例えば薬による副作用が疑われた場合、たくさん飲んでいると、どれが原因薬剤なのかがわかりません、最後に追加された薬は一番疑わしいですが、長年内服している薬でも突然薬害がでることもあります。また飲み合わせで効果が減弱、長期の服用での身体への影響も心配されます。

 

質問;具体例をあげてもらっても良いですか

答え;例えば、ある種の胃薬を長期に服用すると肺炎のリスクが高くなることが解っています。

高脂血症の薬で免疫力が落ちる可能性があります。

タミフル(抗インフル薬)飲むと突然死の危険度が増す。

抗がん剤の効果?延命するどころか副作用で苦しむ、寿命がかえって縮まる恐れすらあります。

ある種の降圧薬の中に発がん作用が認められています。

などなど

 

私は薬嫌いと言われます。その噂は否定しません。しかし薬を出さない=薬が嫌い、という訳ではありません。薬をしっかり吟味し、ここぞというときにしっかり使う、それも合わせ技(いろんな薬を混ぜて使う)ではなく一本を決めに行く、そんな気持ちです。タイミングが合えば一本決めで拍手喝采、外せば避難轟轟。しかし今は薬より効くもの・・「大丈夫だよ」の言霊の方を磨いています。

 

 

老衰(老化の極み)について

2024年04月08日

質問;老衰とはどういう状態の事を言いますか?

答え;年を重ねていくにつれて身体の機能は低下します。この身体機能の低下がバランスよく全体的に低下していった極を老衰と言います。人の寿命が最期を迎える、「死」に向かう過程と捉えることもできます。

 

質問;老化はいつから始まりますか?

答え; 体の機能は20歳ごろをピークに成長し、それ以降は徐々に衰えていくと言われています。個人差はありますが70歳後半ぐらいから目立つ人が多いですね。

 

質問;具体的な老衰の兆候はどんなものですか?

答え;大きく分けて以下のことが特徴です。

1;食事量が減る。食べても痩せてくる。

2;周囲に無関心になる。寝る時間が増える

 

質問;老衰は病気ですか?

答え;老化は病気であると捉え、老化を予防する研究は多数あります。

しかし未だに寿命があり120歳時代が来るとは言われていますが、では120歳の方はどうやって亡くなるのでしょうか?

 

完璧に予防出来たら・・人間は死なない・・オカルトですね

老化は自然現象であると捉えるのが自然ですね


「食べなければ死んでしまう」「食べれば元気になる」って本当でしょうか?一見、本当のように思えますが、実は特に老衰状態にある場合は「死ぬ方向に身体が向かっているから食べなくなる」「身体が元気になりたいと欲していれば食べたくなる」が正解です。だから特に人間の終末においては外から入れる栄養は使えなくなり、自分の肉を燃やしてエネルギーを使います。その結果痩せてきて、枯れていく、これが自然の摂理です。


 

高齢者の「自立」とは ~施設に入れられないために~

2024年03月01日

質問;施設に入る、入れられてしまう原因はなんですか・・?

 

答え;原因その1 病院に入院する。

入院して原因となる疾患が治ったとしても、寝たきり、歩行にも介助が必要、認知症の進行、等により家に帰れなくなります。家にいて治れば家に居られます。

答え;原因その2 排尿、排便の失敗

誰もがトイレに自分で行って用を足したい、という欲求はあります。しかし、おもらしの頻度が増える、途中で転ぶ回数が増えると皆からおむつを勧められます。「嫌だ」と拒否すると、途中で転んで、便、尿まみれになったところを家族に発見され、緊張の糸が切れます。「もう無理、施設だ」と。歩くのが不安定なら、這って、四つん這いでトイレに行きましょう。

答え;原因その3 電話(呼び出しコール)攻勢

家族に電話をかけ、「あそこに連れていけ(トイレも)、あれもってこい、さびしいよ、」等で四六時中電話を掛けすぎると、「もう無理」と思われます。

答え;原因その4 今までやってきた習慣に固執する。

朝は何時に起き、食事は3食、日中の過ごし方、夜はしっかり寝る、等。身体に合わせて変えていかないとなりません。


院長のひとり言

住み慣れた自宅に居たい気持ち、当然です。しかし家族、特に子供さんたちに負担をかけすぎてもいけません。さあどうするか、自分で何とかするしかありません。そのためには今までやってきた習慣、環境を自分の今の身体に合わせていく必要があります。元に戻ろうとする意向が強い(頑張り屋さん)、その気持ちは大切ですが、それに固執する結果、施設行きが早まることもあります。どこかで何かを諦める気持ちも大切ですね。

 

「血圧」の基準とはなにか?

2024年02月01日

質問;そもそも血圧とはなんですか?

答え;血圧とは心臓の力に血管の抵抗を掛けたものです。心臓の力、血管の抵抗は、自身の自立神経にかなり影響されます。ですからご自身の血圧の基準値を知りたいなら極力自律神経の影響を排除しないといけません。怒ったり、気合入れたり、力を入れたりすると血圧が上がってしますので。

質問;具体的にどうすれば?

答え;血圧を測る前におおよそ30分ぐらい椅子に座って、なにも考えず、ぼーとして過ごしていただきその後に測定します。1回目は高く出がちなので何回か測り一番低い数値をその時の値とします。

感想;忙しい昨今、そんな暇はありません。

答え;忙しい時、特に朝のバタバタしている時間帯に測ること、それは自律神経が興奮しているということなので高くなりがちですね。我々の求めているものはその人の一番低い基準となる血圧の数値です。それが高いか低いかが問題なのです。動いた時の血圧ではないのです。

 

質問;出社時、デイサービスに行くとき、医者にかかるとき、測られますが?

答え;安静時のご自身の規準となる数値を知る、ということではないので意味はほとんどありませんね。


院長のひとり言

何かご自身の身体に不調が起きると、その原因が血圧のせいだ、と言われることがよくあります。例えばめまいが起きたのは血圧のせいだ、頭が痛いのは血圧のせいだ、調子が悪いのは血圧のせいだ、と。しかし事実は逆です。頭痛、調子の悪さが発生すると、自律神経が興奮して血圧が上がるのです。夫婦喧嘩をすると血圧は上がります。夫婦喧嘩の原因は血圧のせいではないですよね。

 

「風邪の予防」について

2024年01月01日

質問;先生は何故コロナにもインフルにも罹らないのですか?

答え;インフルで最後に熱が出たのは15.6年前ですかね。コロナには実は2019年以前に、いわゆる新型と言われる前におそらく罹りました。しばらく味覚がありませんでしたから。

質問;風邪の人を診察してるのに何故罹らないのですか?

答え; 理由は、「いっぱい接しているから」です。私も開業当時はすぐに風邪をもらっていましたが年数が経つと罹らなくなりました。昔の開業医の先生は皆同じ事を言っていましたね。

質問;まだ納得ができません。

答え;自分のお子さんはどうでしたか?小さい頃はよく熱を出していましたが、大人になるにつれ風邪をひきにくくなってきませんでしたか?いっぱい罹って、それで強くなるのです。これがいわゆる免疫ができるということです。

 

質問;でもいつかは罹る?

答え;風邪のウイルスは変異するものが多いので、おそらくいつかはまた罹るでしょう。

 

うがい、手洗いなどは常識的には有効とされています。しかしもっと大事なことは罹らないための身体の維持(疲れすぎない、睡眠をしっかりとる)です。

院長のひとり言

タミフルなどの抗インフルエンザ薬が出来て、大量に処方され始めて暫く経った頃にすごい事件が起きました。それは学校保健法のインフルエンザに関する規定が改定されました。それまでは解熱後2日で登校可能でしたが、熱が下がっても最低5日間は登校できなくなる方向に改定されました。これの意味はなにか?抗インフル薬が大量に消費された結果インフルの治りが遅くなったということではないでしょうか?