2012年2月号「風邪の熱」

2012年02月02日

質問;風邪をひくと熱がでるのはどうしてですか?

答え;風邪の原因であるウイルス(病原体)と体が戦うことによって起こります。

 

質問;戦うとはどういうことですか?

答え;ウイルスが体に入ってくると、血液の中の白血球がウイルスを

やっつけてくれます。その時出てくる物質で熱が上がりさらにウイルスを退治しやすくします。

 

質問;熱を下げたほうが良いですか?

答え;熱を下げるということは戦いを中断、もしくは戦いにくい状況を作ることです。だから戦いを早く終わらせるには熱は下げないほうが良いと思います。体はつらいとは思いますが。

 

質問;解熱剤を飲むと効いた感じがするのはどうしてですか?

答え;薬で熱を下げるので体は楽になります。戦いにくい状況でもたいていのウイルスはいずれ死滅します。しかしインフルエンザなど強力な敵の場合は解熱剤を使うと戦いは長引きます。

 

質問;先生のところで漢方薬の風邪薬(麻黄湯、葛根湯、桂枝湯 等) を出すのはどうしてですか?

答え;西洋薬の解熱剤を使うと戦いを中断させることになります。しかし、漢方薬の風邪薬は戦いを促して早く終わらせるようにする働きがあるからです。

院長のひとり言

毎年冬になると風邪(インフルエンザ、嘔吐下痢症、その他いっぱい)が流行ります。たとえ仮にインフルエンザだけ予防できたとしてもその他多数のウイルスに感染する危険があり、結果として風邪にかかる頻度は同じだと思います。インフルエンザの検査、治療薬(1日熱が早く引く)が出来たばっかりに大騒ぎしている気がします。

 

2012年1月号「老衰」

2012年01月24日

質問;老衰(ろうすい)(年をとると)食欲がなくなりますか?

答え;老衰とは歳をとり自然に衰えていく状態です。老衰すると若い時のような食欲もなくなり、食べる量も減っていきます。次第に体力も衰えたり、痩せたりして、病気にもなりやすくなります。さらに、根本的な体力がなくなるので、治る事も厳しくなります。

質問;食欲がないのは病気だと思っていました。病気でなくても食欲がなくなるのですか?

答え;もし胃の病気なら、食べると痛いとか、食べたいけど食べると吐く、という訴えになります。しかし、老衰してくると食欲がなくなるのは自然な事です。

 

質問;無理に食べさせると少しは元気になりますか?

答え;ある程度体力を維持できるかもしれません。しかし吐いて誤嚥して肺炎になる可能性が高まります。

 

質問;老衰となったら家族はどうすればよいですか?

答え;病気ではなく老衰のための食不振の場合に「がんばれ、食え」は本人にとって苦痛だと思います。残り少ない時を一緒に過ごし、思い出話などが出来れば素敵ですね。

 

院長のひとり言

ある毎日痛くて苦痛を訴えていた患者様のお話です。「夢で見知らぬ人から「あなたの病気はなおらないのよ、あの世もいいところだよ」」と優しく言われたそうです。その日を境に重苦しさが取れ、自分を達観するようになり、周りの人たちへの感謝の念が沸き起こってきたそうです。これを悟りというものかと。やすく待ちつつ(心穏やかに時を待って)今日を暮らしてください。

 

2007年7月号「期外収縮」

2007年07月01日

質問;健診で期外(きがい)収縮(しゅうしゅく)と言われました。なんですか?

答え;期外収縮とは不整脈のひとつです。心臓の脈が予定外に打たれて出る不整脈のことを言います。正確には期外収縮には2種類(心室性と心房性)ありますが、どちらがより危ないということはありません。

 

質問;どんな症状が出ますか?

答え; 突然、脈が大きく「ドキン」と感じたり、心臓が「クイッ」とひねる感じが出たり、喉元が一瞬詰まったような感じが出たりします。また全く無症状の人もいます。

 

質問;症状がなければ安心ですか?

答え;症状が頻繁に出る、全然出ないなど症状と危険の程度は関係ありません。もともとの心臓が正常であれば全く心配いりません。心臓はエコー、レントゲン、心電図などの検査で調べます。

 

質問;治療はありますか?

不整脈の出所を焼く治療や薬物治療があります。ただし、期外収縮と判定されてもほとんどの方は心臓に異常がありませんので治療の必要はありません。まずは専門医の検査が必要です。ご心配な方は院長まで相談してください。

 

院長のひとり言

コムスンが介護事業から撤退を余儀なくされました。不正は論外ですがその他の報道を見ると、「ケアマネジャーにインセンティブを設けた」「きついノルマをはたした」「高い介護を勧められた」などなど 株式会社なら当然行うべき予想通りの利益追求です。さて、我が医療法人も介護事業をしています。利益追求型ではありませんが、質では株式会社に負けないように頑張りますので応援してください。

 

2007年6月号「血圧」

2007年06月01日

質問;いったい血圧ってなんですか?

答え;血圧とは「心臓の力」と「血管の硬さ」の掛け合わせたものです。

 

質問;血圧を測るといつも値が変わるので心配です。

答え;血圧は常に変化します。怒ったり、緊張したりすれば上がるし風呂上りにリラックスすれば下がります。寝る前、睡眠中、朝方は低めです。また血圧を続けて測るとだんだん下がってくるのが普通です。

 

質問;病院で測ってもらって高いと言われ、すぐ薬を出されました。

答え;病院で測ると高めに出ます。そういう方は自宅で必ず血圧を測り直して下さい。家で測って低ければ薬を飲む必要はありません。




 

質問;自分で血圧を測る場合はいつにしたらよいですか?

答え;理想は、朝起き掛け、昼間、夜寝る前の3回です。無理な方は朝か夜どちらか一方でもよいと思います。

 

質問;どういう方が危ないのですか?

答え;血圧の高い状態がずうっと続くことが体の負担になります。明け方に上がる方、夜間も高い方は要注意です。しかし一日のうちで低い時間帯があれば一安心です。

血圧が高いと 脳、心臓、目、腎臓 あらゆる臓器に負担がかかるので心配な方はご相談ください。

院長のひとり言

血圧の薬は一度飲んだら止められないとはよく聞く話です。一度入ったらやめられないヤクザの世界みたいですね。でも本当はそんな事はありません。必要なければやめてもいいのです。薬を飲まなくても大丈夫かなと思ったら、血圧の様子をみながら薬の量を減らす、あるいは軽い薬にしてみる事も必要です。いつでも気軽に相談してください。