「死」の恐怖を目の前にして

2021年09月04日

現象1:今までのテレビ、雑誌 等で語られてきた世界、それは人生100年時代の到来・・・つまりほとんどの人からは 「死」 は遠い世界にあった。

 

現象2;ところが2020年初頭、世界は一変した。あんな元気だった  志村けんさん などが「死」んでしまう疫病・。今まで元気だった人が突然「死」んでしまう世界? いままで考えもしなかった「死」の恐怖が国民のすべてに重くのしかかった。

現象3;「死」の恐怖から「不要不急」は自粛しようよってなった・・・スポーツ、楽しい外食、コンサート、など、人との接触はすべて「危ない」こととして「避けるべき」ことにされた。人生の楽しみは消失した。命が大切であるとの理由から。教育さえ放棄する有様となった。

現象4;結果。人間は「死」の恐怖から逃れるために「人」とのふれあいを拒絶した。ソーシャルディスタンス・・マスク・・密を避ける・・ことは「人」を拒絶することです。

家族関係でさえその対象となった。

あなたは この結果訪れる 孤独 に 耐えられますか?    2020年9月号の再掲載+追記


院長のひとり言

次男が幼少時に手足口病(ウイルス感染症)になり高熱を出して夜中うなされていた時、迷わず 添い寝した。結果見事に感染し、その後次男はケロリと治ったが、父はその後高熱、後遺症と散々な目にあった。しかし添い寝をしなければよかったという気持ちには全くならなかった。そして今度また同じような状況になっても添い寝するだろうなと想像している。

 

長生きを目指すと、どうなる?

2021年08月04日

現象1;直近の1年間、高齢者に長生きしてもらうために、すべての行事を中止した。若者のスポーツ大会、盆踊り、花火大会、その他 季節の年中行事、公民館での趣味の会・・・

結果;令和2年度の高齢者は例年より長生きした。国民の自粛の結果なのか、それともコロナが蔓延したおかげなのか、科学的には後者の説が有力だが、皆さんは前者の方を信じる結果となった。長生きのためには「何もしない」ことが一番だ?と

 

現象2;高齢者が多く集まる施設では、人と人の間にビニールシートが掛けられている。職員も全員マスクで顔の半分を覆っている。長生きのためにです。

結果;ビニールシート越しでテレビを見るとどうなる?目がちかちかしてとても見られる状態ではない、会話も弾まない、黙って、何もせず、ひたすら時間が過ぎていくだけの日々となった。

 

現象3;約1年、なにもさせてもらえなかった若者が街に繰り出すようになった。「こういう若者がいるから感染が収まらないのだ」と人生の先輩方がぼやいている。

疑問;若者が屋外で活動を開始するとことが悪いことなのか?若者に自粛を求める高齢の方は、大切な若者の人生をいかに考えているのか?引きこもり人間がトレンドになるのか?

 

院長のひとり言

「時間」というものは、決まった物理量?ではないらしい。だからある時間をすごく長く感じたり、短く感じたり、過ぎ去った時間をあっという間にすぎたと感じる、これは錯覚ではなく、これが時間の特徴であるのだ。この過ぎ去った過去の時間に思いを馳せる時「あの時何やっていたんだろう」なんて空白の時間を作らないために今日1日頑張っていきたいなと思う今日この頃です。

 

部分だけを看ず全体を看る医療を

2021年07月04日

ケース1;最初は治る膀胱炎だった。その後症状は同じでも治らなくなった。専門病院に行っても治らず「精神科に行け」と突き放すように言われたと。

解説;ご主人を亡くされたあと心の支えが無くなり、すべてのことに不安がもたげてきた、これを我々(家族、医療、介護)で支えて行かなくてはいけない。一番は安心感を醸し出す。

 

ケース2;専門病院に様々な科をまたいで通院していた。専門の先生は専門の事しか話さない(まあ当然です)。では今後「私自身はどうすればよいか」と言う不安が生じ当院へ。

解説;糖尿病なら「糖尿に関しては大丈夫です」と言うのが専門家の発言。各パーツに対してのお墨付きはもらえます。しかしそれをまとめる全体としての自分自身に不安が生じてきたとき、その方向性を一緒になって考える手伝いをするのが当院の役目かと考えています。

 

ケース3;父親、90歳 最近食べない、言葉数が少ない、動かない、いろんな病院で検査しても異常なしと言われた。

解説;そういう状態を「老衰」と言います。老衰の診断は本人を全体から眺めないと解らない?専門家は「老衰」と診断しない。

 

院長のひとり言

自分の事は自分で決めてやり切る、立派な事ですが、最期までやり切れる人は極わずかです。自信が崩れてくると、我々を頼る人、身内や他人に頼んであくまで自身の都合を貫く人、頼ってくれれば道筋はつけられます。様々な経験の蓄積がありますのでご安心ください。あくまで自分の意思を貫いていく人は頑張ってください。大体の方は自身の置かれている状況が判断できなくなり、他人を振り回す結果になることが多いと感じています。まあしかしそれもまた人生ということで。

 

 

認知症におけるコロナ対策

2021年05月04日

その1;完全隔離はできない。

答え;個室に完全隔離し外から施錠、もしくはベッド上で拘束し動けないようにさせる、人道的に無理ですね。

 

その2;施設等で、ガウンテクニック(感染予防服)は非常にスタッフを疲弊させるので使用しない。

答え;ガウンテクニックをしっかり運用するには職員教育の徹底、それに見合った施設環境がそろわないと意味がない。職員の精神的ストレスが増すことの不利益が大きいと判断している。中途半端な運用をするならしない方がよい。

 

その3;トイレ周り、共有部分の消毒は徹底する

答え;飛沫感染の予防は難しい、しかし接触感染(ものに着いたウイルスに触ることによって感染)の可能性は下げられるのでこれは徹底する。

 

その4;施設などで感染者が出た場合、入居者(利用者)、スタッフにPCR検査を強制しない。

答え;感染経路の探索は、犯人捜しと同等の精神的障害を皆にもたらす、「悪いことした」という罪悪感を植え付ける、点で反対。また感染の拡大を防げたという証拠はない。無症状のPCR陽性者は感染者ではないことが多い。したがってスタッフで風邪症状がある場合には休んでもらうという通常の方法で十分と考えている

 

院長のひとり言

テレビで認知症の一人暮らしのお婆さんがコロナに感染?孫からうつされたとの報道。「あんたコロナやから家から出たらあかんで」と有名な医師が言っていた。患者は恐怖で混乱した様子だったが、翌日しっかり外出していた。「家に居ないとあかんで、食べものはヘルパーさんがとどけるさかい」と。本人は不穏?コロナと知って届けるヘルパーは居るのか?本人はまだ軽症から無症状。はたしてコロナ検査ってやった方が良かったのかどうか

 

超過死亡者数 とは

2021年03月01日

質問;まず 超過死亡者数 とはなんですか?

答え;例年ある時期の本来想定されている死亡者数より、増えた数を言います。例えば冬場にはいつもより多くの死者数が出てしまいますが、増えた数を超過の数と言います。

 

質問;昨年度の結果を教えてください

答え;昨年度は11年ぶりに減少したとのことです。数にして約1万人ぐらいでした。昨年度日本人は例年より死ななかった!

 

質問;具体的には?

答えインフルエンザ感染症の激減、肺炎の激減、心臓、脳卒中の減少でした。

 

質問;その理由は何ですか?コロナが流行ったのに何故ですか?

 

答え;新聞には手洗い、うがい、マスクの着用が貢献した可能性があると新聞は指摘していました。

ちなみに アメリカは50万人、イギリスは10万人、ロシア30万人、メキシコ30万人、ブラジル18万人、フランス、イタリア、スペインもそれぞれ10万人弱の超過死亡者は増加していました。ロックダウンしなかったスウエーデンは数千人の増加にとどまりました。

何故日本では超過死亡が減少したのか?自粛が功を奏した?しかしロックダウンした国々の結果は散々たるものでした。人種差?イギリスからの報告では白人に比べ他の人種の方がより罹り易かったという結果でした。興味深いのは貧困になればなるほど感染の確率が上がったと。栄養状態、衛生状態がかなり寄与しているのではないかと思っています。日本人でよかった。

 

よく耳にする「本末転倒」な話

2020年11月02日

その1:頭が痛いので血圧測ったら高かった。頭が痛いのは血圧が高いせいだ。

解説;血圧上昇⇒頭痛 ではなく 頭痛⇒血圧上昇 痛みがでると交感神経が興奮し血圧が上昇する。

 

夫婦喧嘩の後、血圧測ったら、高かった。喧嘩の原因は血圧が高いせいだ・・明らかに可笑しいって解りますね。

 

その2;コロナは薬がないから心配、インフルは薬があるから安心

解説;コロナもインフルも基本的には自分の免疫で自然治癒します。インフルは薬がない時代から存在し、自然に治っていましたね。

その3;高齢者は、コロナなどの感染が心配なので外出は自粛すべきだ。孫にも会わない方が良い。

 

解説;今までさんざん高齢者の生きがいについて語られてきましたが、結局今、高齢者は誰とも会わず、テレビ画面だけ見て、家でじっとして何もするな、と言うことですね。結果、意欲の低下、生きる力が減少し、かえって寿命が縮む事態になっています。新しい生活様式とはこのような生活様式です。私は反対です。

 

いわゆる「新しい生活様式」とは、人との接触を極力回避し、会話等はコンピューターを介して行う、と言うことです。顔の表情すら隠されてわかりません。人々はバラバラになり、孤独になります。若いうちはそれで頑張れるかもしれませんが、年を取り、人の世話になることが多くなってきた時、はたして人恋しくなるのか、ならないのか、今の若者が年取った時に明らかになるでしょう

「呆け」の疑似体験から解ること

2020年10月03日

体験1:学生時代、昼ごはん後の授業でついつい転寝し、ふと我に返りつつある時、「あれ、今、自分は、どこで、何をしていたのか、さっぱり解らなくなった」瞬間があった。そして不安になった。

 

体験2;ある旅先でちょっと意識が此処にあらずの瞬間(アイスを食べながらボーとしていた)、目の前に長男が出現、ちょっとの間 「あれ、あなた誰だっけ??」と思った瞬間を経験しショックを受けた。

体験3;「ぼー」と車を運転していたら、自分が今、何をしに、どこに行こうとしているのか、さっぱり解らなくなった瞬間があった。そして不安になった。

 

解説;いわゆる「認知症」の基本的な状態として、意識が今現在に集中していない、つまり心ここにあらず、の状態になっていることが基礎にあります。自分の居る世界が、世間と離れている時(認知症の方の全てがこの状態)には現実世界に戻るのにかなりの時間を要するのです(場合によっては戻れない)。そして現実世界に連れ戻そうとすると不安になります。ですから認知症の人に声を掛けるときには ゆっくり 時間をかけて 顔をみながら 話しかけてください。 安心感を醸し出してください。

 

いわゆる「認知症」の根本は、現実への注意障害、つまり心ここにあらずの状態があります。だからボーとしていたり、夢見ながら過ごしていたり(妄想と言われる)、そんな自分が嫌で何とか取り繕うとしたりするのです。この現実世界から離れていく状態とは、つまりこの世とのお別れの前段階に来ていると考えられないでしょうか?これが呆ける意味なのではないでしょうか?

 

 

「死」 の恐怖を目の前にして

2020年09月01日

現象1:今までのテレビ、雑誌 等で語られてきた世界、それは人生100年時代の到来・・・つまりほとんどの人からは 「死」 は遠い世界にあった。

 

現象2;ところが2020年初頭、世界は一変した。あんな元気な 志村けんさん などが「死」んでしまう疫病・・。今まで元気だった人が突然 「死」んでしまう世界? いままで考えもしなかった 「死」の恐怖が国民のすべてに重くのしかかった。

現象3;「死」の恐怖から「不要不急」は自粛しようよってなった・・・スポーツ、楽しい外食、コンサート、など、人との接触はすべて「危ない」こととして「避けるべき」ことにされた。人生の楽しみは消失した。命が大切であるとの理由から。

現象4;結果。人間は「死」の恐怖から逃れるために「人」とのふれあいを拒絶した。ソーシャルディスタンス・・マスク・・密を避ける・・ことは「人」を拒絶することです。

 

あなたは この結果訪れる 孤独 に 耐えられますか?

 

 

「コロナ」のおかげで人間は「死」の恐怖という現実を目のあたりにした。そして選んだことは、人とのふれあい、ではなく、延命のための、永遠の孤独であった。人を見たら「病原菌」と思え、と言わんばかりな振る舞い、人との接触を避け、ひたすら目の前に迫る「死」の恐怖と孤独と戦うのだ。そしていざその時が来たら・・あなたは今まで拒絶してきた「人」にすがることになるのです。それとも機械にすがる?

 

 

 

コロナ禍で見えて来た未来

2020年08月08日

現象1:顔が半分以上マスクで隠れているため道端ですれ違っても誰だか解らない。つまり挨拶もしなくなる・・。よって人間関係が疎になる。

 

現象2;直接会話では飛沫が飛ぶので、会話はスマートフォンを経由してするようになる。高齢者でスマホが使えない人は会話ができないことになるので更に孤独ななり、呆けもすすむ。井戸端会議は禁止。

現象3;熱がでても誰も看病してくれなくなる。うつした、うつされたと、白黒明白にさせられるので。若者ならいざ知らず、高齢で要介護者の発熱は・・・人間関係が疎になればなるほど・・ほっておかれる・・たらい回しのはてに入院しかない。入院中はビニールシートに囲まれる。

 

現象4;精神病患者の激増。「人間」とは人と人の間におそらく関係性、つきつめると「気」というものが存在していて、それによって人間と言うものが存在しえている。これが絶たれることによって人の精神が崩壊する

 

「ひとのぬくもり」なんて言葉が死語に近づいています。素手で人に触るなんて「感染のリスクを上げるだけだ」と言われる。会話も機械を介しての間接的な関係になるので「場の雰囲気」とか「空気感がよい」などの人間関係から生まれる、暖かい「気」が消滅する。人間は「気」がないと居られない生き物であるのに・・・。せめて自分のところには残しておきたい。

 

コロナ騒動とはなんだった?

2020年07月07日

最初の頃:病院にコロナの患者さんが殺到し、集中治療室や病室がコロナでいっぱいになるぞと・・つまり医療崩壊になるぞ(自分が罹っても診てもらえないぞ)・・・と脅されました。

だからみんな医療を救うために自粛しよう!って

 

とろろが;コロナが出たところは・・・外来閉鎖、入院制限。少しでも外来診療続けたら・・強烈なバッシング!

つまり:その病院は経営困難になり大赤字に転落した。

 

その結果;「熱が出たので診て欲しい」と言う依頼はことごとく医療機関から拒否された。だってコロナが来たら風評被害がでる(コロナが出たって・・と言われ敬遠された)

 

質問;コロナが出た病院の医療従事者です。子供を保育所に入れようとしたら・・・来ないでと拒否されました。世間では「ありがとう」なんて言っているのに・・。

答え;本音と建て前ってやつですね。現実はこれです。コロナが出たスポーツクラブは敬遠され、コロナが出た病院はつぶれる。ところでコロナって身近に居ました?皆非常に怖がりますが現実に見た人は非常に少ない。テレビが作った恐怖番組とさえ感じます。(あくまでもインフルエンザとの比較です)

 

私の周りでは今現時点で、コロナ関連で亡くなった方はいません。罹った方もいません。これから本当に津波のように襲ってくるのでしょうか?これから夏になり、秋冬と月日が経ち、じわじわ感染者が出続けて、そして爆発的に増えずに済んでしまう事を期待します。風邪は万病の元ですから、多少は不幸が出るかもしれませんが、バタバタと町中に溢れることはないでしょう。